
ショットショー2017 in ラスベガス パート2
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ショットショーは米国で毎年開催されている世界最大規模の銃器見本市。
今年もネバダ州のラスベガスにて開催されたショットショー2017に行ってきた。
パート2では世界中から出展したエアソフト関連ブースを紹介しよう。
なお、ショットショーで展示されるエアソフト製品は北米をはじめとする世界各国の市場で販売することを目的としているので、日本の銃刀法に適合しない商品も含まれるがご了承いただきたい。
G&G Armament | Cybergun | EMG | PTS | ASG |
RWA | UMAREX | Z-SHOT | KWA | KRYTAC
G&G Armament

台湾のトイガンメーカー、G&Gアーマメント。

新型の電動ガン用ギアボックス、G2 Gearboxを展示。

MOSFET、電子トリガー搭載、残弾0でユニットが停止するオートストップ機構、アンビセレクター、カスタムトリガーなど、最新のスタンダードメカボックス仕様。

2017年モデルから改良されたドラム式ホップダイヤル搭載の新型チャンバーで安定性が増している。
このG2メカボを搭載した新商品がこちら。

SR16 E3。ナイツアーマメント社の正式ライセンスを取得したモデル。メタルレシーバー、URX3ハンドガード、クレーンタイプストックという構成で、装弾数90発、ストックにバッテリーを収納。

TR16 MBR 308SR。7.62mmライフルスタイルの電動ガン。メタルレシーバー、KeyModハンドガード、オリジナルの130連マガジン、グリップ、ストックが装着される。

ロアレシーバーは45度のアンビセレクター、アンビのマグキャッチ、ボルトリリースボタン。ダミーボルトのブローバックは省かれているが、チャージングハンドルを引くとロックされ、リリースボタンで解除する仕組み。

SNEEKINS MCSR V2 16"。実銃メーカーのSEEKINS PRECISIONとのコラボモデル。米国のEMGからのライセンスを受けてG&Gで製造する。

マガジンハウジングにはSEEKINSのロゴが入る。トリガーガードやアッパーの形状も特徴的だ。

ARP 9。最近実銃でも多く見かけるようになってきた、ARスタイルの9mmサブマシンガン。

マイクロスイッチ仕様の電子トリガーユニット(ETU)を搭載する。ARマガジンを使用するARP 556も展示されていた。

ガスブローバックガンのGPM92。BATTLE OWL TRACER UNITが装着されている。

このGPM92はG&G独自のWHIRL CYLINDER VALVEを搭載している。らせん状のシリンダーバルブが発射ガスと共に先進し、前方のガスルートを塞ぐとブローバック側にガスルートが切り替わる仕組み。

CO2パワーソースのライブカート式リボルバーシリーズも展示されていた。これらハンドガンは金属製なので日本には輸入されないだろう。

G&Gの米国法人101 TECH USAの北米市場向けガスの新商品。グリーンガス、レッドガス、ブラックガスの3種の圧力の異なるリキッドチャージ可能なガスが販売される。

また、海外市場では電磁弁式の外部ソースガスガンHPA(High Pressure Air)製品が多く登場しており、従来の電動ガンのメカボックスにコンバートできるキットも発売されている。写真はPolarstar AirsoftのPR-15 Gen2。
Cybergun
フランスに拠点を置く、トイガンメーカーCybergun。昨年日本にもCybergun Japanを設立。
多くの実銃メーカーのライセンスホルダーでも知られ、日本のトイガンメーカーとも契約をしている企業。

SIGの最新アサルトライフル、MCXの電動ガンのプロトタイプが早くも展示されていた。

アンビタイプのセレクター、マグキャッチ、KeyModレール、PDWストック。

ボルトをホールドして、ドラムタイプの可変ホップへアクセス。

刻印はまだ最終仕様でないとのことだが、正式ライセンスでリアル刻印。

伸縮式ストックにもSIGのロゴあり。

グリップ内にモーターが入る。

バッテリーはハンドガード内に収納。ピボットピンを抜けばハンドガードが前方へ外せる。

トンプソンM1A1は電動ガンとガスブロの両方が出るみたい。

FNH F2000の電動ガン。

FAMAS EVO 電動ガン。

グロックの正式ライセンスを取得したそうで、G17、G19、G42のガスブロが展示されていた。
ただし、これらは法執行機関や軍のトレーニング用にしか販売されないそう。

グロック19。

グロック42。

COLT M45A1のガスブロ。

正式ライセンスなので、刻印もリアル。もちろんフルメタルなので日本では銃刀法に引っかかるだろう。

CO2の固定スライドガスガンもある。

FNH FNX-45のガスブロ。

1911、SIG P226 X-FIVE。

1911 RAIL GUN。

SPARTAN STS-7、STS-6 Hi-capa。

TAURUS PT24/7 G2。これらAirsoftはすべてメーカーとの正式ライセンスによるもので、その種類の多さには驚かされるものがある。

サイバーガンブースで取材されていた、アメリカのエアガン系ユーチューバーのAisoftlogyのジョナサンにお会いした。
EMG / Evike.com

米国のトイガン問屋、ショップであるEVIKEは、EMG(Evike Manufacturing Group)を立ち上げ、実銃メーカーとのライセンスを結び、オリジナルのAirsoftを企画製造販売する。マットにお会いできたのでGRYのトレポンをもって写真頂きました。

PTW(トレポン)のSAI AR-15 GRY。香港G&P製。

SHARPS Bro. "THE JACK"の電動ガン。香港ARES製。

ドクロのロアレシーバーが強烈!!

SEEKINS MCSR V2 16"の電動ガン。台湾G&G製。

FALKOR Defense BRITZ(上)、RECCE(下)の電動ガン。香港APS製。

KAC PDWのガスブロは米Z-SHOTと契約を結び、ナイツアーマメントのライセンスを取得している。
このように、EMGは米国を主とした実銃メーカーのライセンスを取得し、台湾や香港といったOEMメーカー製のエアガンシリーズを急速に充実させている。

その他、イタリアArsenal FirearmsのAF2011-A1 DOUBLE BARREL PISTOLのガスブロや、SAIのカスタムグロックや1911、スターウォーズのハンソロが使用していたカスタムモーゼルまでいろいろ展示していた。
PTS

PTS。もともとは香港のメーカーだったが、現在は米国に拠点を置き、現地法人としてトイガンの企画・設計を行っている。製造自体は主に台湾KWAとなっている。

アレックスに声をかけて頂いたので、新商品について伺った。

CENTURION ARMS
CM4 C4-10の電動ガン ETR-E(Enchased Training Rifle-Electric)。10インチバレル。

実銃パーツメーカーCENTURION ARMSの公式ライセンスによるもので製造は台湾KWAが行っている。

グリップやストックはPTSオリジナルでミニバッテリーが縦に収納可能、また2又バッテリーも収納可能。

マガジンもPTSオリジナル。120連とリアルカウントの30連を底部スイッチで簡単に切り替えられる。

AXTS/RADIAN MI-T556のガスブローバックガン。実銃パーツメーカーのAXTSあらため、RADIAN Weaponsにリブランドされた実銃メーカーのライセンスガスガン。

RADIANのRAPTORチャージングハンドルが装備される。

MEGA ARMS MML MATEN 308のガスブローバックガン。M-LOKに対応したハンドガード。

こちらも実銃メーカーのMEGA ARMSの正式ライセンスを受けて製造される。
ASG
デンマークのトイガンメーカー、ASG(Action Sport Games)。

CZ SCORPION EVO3 S1 CARBINEの電動ガン。

EVO3A1に比べバレル長が伸びてカービン化されたモデル。サプレッサー付もある。もちろん実銃メーカーのCZ社正式ライセンスモデル。

CZ Bren 805の電動ガンはカラーバリエーションが展示されていた。

また、早くより導入が企画されていたWolverine AirsoftのHPAコンバートモデルも展示されていた。
RWA
香港とイギリスに拠点を置くトイガンメーカー、RWA。

東京マルイ のガスガン、M4A1 MWS用のカスタムレシーバー。米国の実銃メーカー、BATTLE ARMSとの正式ライセンス品。

またBATTLE ARMSの最新パーツ、VERTストックもトイガン用として発売する。エアガン用にアレンジされているが、実物と同じ製造工場で作られているそう。
これらは日本のORGA AIRSOFTが総代理で日本国内で販売されるとのことだ。

実銃カスタムパーツメーカー、FORTISのNight Rail KeyModもエアガン用として販売。

WOLVERINE AIRSOFTのHPA、REAPERが展示されていた。

これらは従来の電動ガンメカボックスに組み込むことのできる電磁弁ガスガンパーツ。
また、マルイのVSR-10のエアコッキングボルトとコンバートできるユニットも展示されていた。

パワーソースはCO2カートリッジをストックチューブに入れるか、グリップやレシーバーエンドからホースを出して外部ソースに連結するかの2WAY方式。
UMAREX / ELITE FORCE
ドイツ、ワルサー社の親会社で、多くの実銃メーカーのライセンスホルダーであり、狩猟用やスポーツ用エアライフルを製造販売するUMAREX。北米市場ではELITE FORCEというAirsoftブランドでトイガンを展開する。

ベレッタのM9A3のガスブロのプロトタイプが早くもで展示されていた。台湾のKWCがOEMしているそうだ。パワーソースはCO2カートリッジ。

こちらはHK VP9のガスブロ。台湾VFCのOEMでも知られている。

HK G28やM27 IARなどの電動ガンも。これらはVFC製だろう。

HK 416 CQB、HK MP5 A4電動ガン。

VR16電動ガン。VFC製。

AMOEBAのエアコッキング式ボルトアクションのSTRIKER AS01やハニーバジャーの電動ガンも展示されていた。
Z-SHOT

ここ数年、ナイツアーマメントの隣にブースを出展しているZ-SHOT。KAC Airsoft、American PTW、VFC、EMG、G&Gなどへ、KACのライセンス契約を行っていて、各種Airsoftメーカーの製品を展示していた。

こちらはAirsoft Innovationsの新商品、BURST XL。ガス式の音響グレネードだ。

パワーソースはガスで、本体横からリキッドチャージし、本体底部にフィルムをセットする。

サイクロン同様にファイアリングピンによる打撃でバルブを開放し、ガスの力でフィルムを破って大きな音を発生させるという。
KWA

台湾のトイガンメーカー、KWAは昨年から社内体制が大きく変わったようで、担当者も変わり、
ブースのデザインも刷新されていた。ブース中央にはガラス張りで囲われた電子シミュレーション射撃の展示があり、トレーニングユースであることを訴求していた。

展示も安全な訓練用機材だということを強調し、PTSなどのライセンスホルダーのブランド商品として展示するコーナーもあった。

ハイパー道楽のパッチを付けていたからか、プレスルームで休んでいたら、スウェーデンのAirsoft.nuというネットメディアの方達から声をかけられた。

ブースを回っている最中も声をかけられた。この方たちはスペインのネットメディア0'20 magazineの方達。みなさん、グーグル翻訳でハイパー道楽を閲覧頂いているそうで。嬉しいなあ。
世界のエアガン事情
ここ数年で世界のエアガン情勢は大きく変わりつつある。特に北米市場は実銃のエントリーマーケットとしてエアソフトを重視する傾向にシフトした。UMAREXやCybergunなどの大手ライセンサーが欧米の主要実銃メーカーの商標を台湾のトイガンメーカーにライセンシーした商品が正規品として世界中に流通し、それ以前の台湾中国のコピー商品と言ったイメージは激減した。
また米国市場においてはEvikeなどのディストリビューターが、あるいはKriss USAのように実銃メーカー自らがエアガン部門を立ち上げ、米国の実銃メーカーと契約を結びライセンスを取得、台湾や香港のメーカーにOEMという流れになった。
この潮流は今後も拡大していき、いかに実銃メーカーのライセンスを取得するかがトイガンビジネスにおいて大きな課題となってくるだろう。この点において日本国内メーカーは完全に出遅れていて、ライセンスホルダーになることはすでに難しく、製造においても低コストでモデルアップの早い台湾メーカー勢には勝てないだろう。もはや銃刀法という、そびえ立つ壁の内側で国内向け商品を粛々と製造販売するしかないのではという孤立感すら覚える。エアソフトガン発祥の地日本、その日本人としては実に残念な気持ちではあるが、これが世界のエアガン事情なのだ。
さて、次回以降は実銃メーカーのブースを紹介していこう。
ショットショー2017 パート3へ続く
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