マルゼン S.W, 44マグナム ハードヒットガン

マルゼン S.W, 44マグナム ハードヒットガン

写真&解説 YAS

解説

1979年に世界で初めて樹脂製の6mmBB弾を採用したエアソフトガン、マークスマンガバメントを製造したマルゼンは、その後6mmBB弾を使用するエアガンを続々リリースする。サバゲーブーム到来で大ヒットとなるKG-9を発売する一方、あまり知られていないが、10歳以上対象のリボルバーを1983年に発売している。

リボルバーと言ってもシリンダーの回転しないフレーム一体のモナカ構造で、発射メカニズムはスプリングの力でBB弾を弾き飛ばすストライカー方式だ。ストライカーというと聞こえは良いが実際のところは銀玉テッポウが大きくなったようなものであり、その命中精度や飛距離も銀玉鉄砲と変わりない。

このS.W, 44マグナム ハードヒットガン、その後の1986年にセミオートガスガンとしてリニューアルされている。本モデルの金型を流用しているようで、ご覧いただければわかるように形状もそっくりだ。

全長は30cm、バレルが細身でシリンダーもちょっとだけ小さいものの、全体的なスタイルやバランスは今見てもなかなかのものだ。銀玉鉄砲から卒業したばかりの当時の少年たちは、このマルゼン S.W, 44マグナムの迫力に興奮を覚えたに違いない。

サイドビュー左
サイドビュー右
意外にもスタイルはよく、S&Wリボルバーのカッコよさを再現している。子供の手には持て余してしまうほどだ。

バレル
バレル長は6.5インチをモデルアップしたのだろう。左面にはS.W,44MAGNUMの刻印が入る。当時すでに映画『ダーティーハリー』や、ドラマ『太陽にほえろ!』等で人気を博していた.44マグナム。なぜかS&Wではなく、S.W,と表記しているのは謎だ。

リアサイト
リアサイトはスクエアノッチで固定されている。シリンダーはフレームと一体になっていて回転はしないが、リコイルシールドやシリンダーラッチなどの造形もリアルに再現している。


リアサイト前のフタを開けて6mmBB弾を装填する。装弾数は10発。この自重落下の給弾方式は後のガスガンにも採用されている。この装填方式、銀玉鉄砲にも通じるものがあると思うのだが、いかがだろうか。

ハンマー
ハンマーは樹脂製でコッキングすると独特の形状が露になる。ハンマーと内部のストライカーは独立しておりBB弾を飛ばす仕組みだ。操作はシングルアクションのみで発射の都度ハンマーを起こす必要がある。

トリガー
トリガーは樹脂製。ハンマーをコックしてもトリガー位置は変わらない。トリガープルは500gほど。
シリンダー前面はまっ平だ。
右面にある刻印のNo.6010は製品番号で、ガスガンバージョンも同じ刻印となっている。唯一異なる刻印はASGKの有無だ。


グリップもフレーム一体のモナカだが、中央にS&Wのシルバーメダリオンが入り、サムレストがあったりと凝っている。
0.12g弾を使用して実射してみた。一応樹脂製のインナーバレルらしきものが入ってはいるが、距離4mでA4用紙に当てられるかどうかといったところだ。パワーも0.028Jしかないので、ペーパーを撃ち抜く威力はない。

パッケージ
パッケージ。何をもってしてハードヒットなのかわからないが、とにかくハードヒットガンなのだ。

専用の6mmBB弾
専用の6mmBB弾50発と、ポリスバッジ風のステッカーが付属する。

取り扱い説明
パッケージ側面に取り扱い説明がある。弾の入れ方と発射の仕方のみのシンプルなものだ。

DATA


発売年 1983年
発売時価格 ¥1,700
全長 実測 300mm
重量 実測 267g
バレル長 -mm
発射方式 ストライカー式
使用弾 6mmBB弾
装弾数 -発
平均初速 21.69m/s (0.028J、0.12g、23.9度)

撮影協力:中古侍 / FIRST

2022/06/16


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