マルシン M29 44マグナム ガスタイプ

マルシン M29 44マグナム ガスタイプ

写真&解説 YAS

解説

S&WのM29 .44マグナムといえば、なんといっても映画『ダーティハリー』の影響は大きいだろう。
.44マグナムを手にして「こいつは世界一強力な拳銃だ」「Go ahead. Make my day」なんてセリフを言ってみたいのはファン共通の想いだろう。
いまとなっては.44マグナムよりも強力な弾薬を使用するリボルバーはあるものの、やはりマグナムと言えば.44口径という憧れは今なお色あせていない。

マルシンは昔から現在に至るまでライブカート式のリボルバーにこだわった製品作りをしている。
モデルガンメーカーであることもその理由のひとつだろうが、「リボルバーはカートを込める操作が楽しいんだ!」というリボルバーへの情熱がヒシヒシと伝わってくる。

パワーこそ低いが命中精度の高い真鍮製のインナーバレルや、可動式フォーシングコーン、スムーズなハンマートリガーメカニズムなど、当時のガスリボルバーとしてはかなり性能は高い。

サイドビュー左
ダーティハリーのハリーキャラハンが使用していたM29は6.5インチバレルだが、マルシン製の本モデルは6インチバレルと少し短くなっている。

サイドビュー右
S&WのNフレームサイズだけあって大きい。はじめて実銃のM29を撃った時には、これを片手で撃ったら手からすっ飛んで行ってしまいそうな、強烈な反動と衝撃波を感じた。

フロントサイト
フロントサイトにはレッドインサートが入る。44 MAGNUMの刻印が入った6インチバレル。インナーバレルは真鍮製でマズル部分にはスチール製のブレ留めパーツが入っている。

リアサイト
リアサイトはフルアジャスタブル。サイドプレートにはS&Wの刻印が入り、フレームのメーカー刻印もリアルなものだ。

ワイドハンマー
ワイドハンマーは金属製で、ハンマーノーズは引っ込むタイプ。シングルアクション、ダブルアクション両方で撃てる。

トリガー
トリガーはグルーブの無いセミワイドタイプ。トリガープルはシングルで780g、ダブルアクションで2.6kgで作動もスムーズだ。まだSTGA設立前なので、フレームにはASGKの刻印が入っている。

スイングアウト
サムピースを押してシリンダーをスイングアウト。エジェクターロッドを押せばカートが飛び出してくる実銃同様の操作が楽しめる。ハンマー後ろにはエアガンオリジナルのセーフティスイッチがある。
インナーバレルとフォーシングコーンは可動式でシリンダーギャップを無くしガスを効率よくバレルへ流す仕組み。

グリップ
グリップは茶色の樹脂製でシルバーのS&Wメダリオンが入る。ガスタンクはグリップ内にあり、底部からガスを注入する。

樹脂製カート
標準で付属する樹脂製カートはリム側にBB弾を込めるが、パッキンが紛失している。
カスタム品の真鍮カートが入っていてこちらはカートの先に弾を込めるタイプ。
マルシンのSMBB弾は重量0.16g、フロンガスのミニボンベは当然ながら空になっていた。

実射は0.16g弾で真鍮カートを使用した。ガスはHFC134a、室温23℃。
カートのパッキンが一番スムーズなものを使用し、初速は0.2gで30m/s、0.16gで40m/sちょっとで10禁並みだが、5m先のA4用紙の中央部にパシッと命中する。昔のカート式リボルバーはどこへ飛ぶかわからないというイメージしかなかったが、想像以上に真っ直ぐ飛んだので驚いた。

パッケージ
パッケージにはS&Wの記載はなく、REVOLVER M29 44MAGNUMとの表記がある。ASGKの認証シールが貼られている。

取説
取説にはマルシンが当時発売していたアクセサリーパーツなども掲載している。リボルバーに搭載するピストルスコープや当たるとインクがはじけるマーキングBB弾などもあった。マニュアル.PDF (4.31MB)

DATA


発売年 1987年8月10日 (M29)
1987年11月下旬 (M629)
発売時価格 ¥8,500 (M29)
¥9,500 (M629)
全長 実測 295mm
重量 実測 579g
バレル長 155mm
発射方式 ライブカート ガスリボルバー
使用弾 6mmBB弾
装弾数 6発
平均初速 31.23m/s (0.2g、23.5℃、HFC134a)

撮影協力:ミリタリーグッズ.com

ミリタリーグッズ.COM

2024/01/24


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