マスダヤ デタッチャブル SS-5

マスダヤ デタッチャブル SS-5

写真&解説 小堀ダイスケ

解説

デタッチャブル(detachable)とは、着脱可能、という意味だ。
昭和40年代の子供用エアガンのネーミングとしては、かなり先進的なワードだったと言えるのではないだろうか。
何をかくそう筆者である小堀ダイスケも、小学生の頃にこのデタッチャブルSS-5をメインウェポンにしていたのだが、印象的な名前だな、と思っていたのを覚えている。
そのモデル名通り、2種類のバレルと6種類のアタッチメントを付け変える事で、様々な形態の銃を作りだせるのがこの銃の最大の特徴だ。
ピストルの状態のBSバッファローSS-1を基本として、フラッグシップモデルのSS-5まで、当時としては異例とも言える5種類のラインナップがあった。
発射機構はストレートのプルコッキングで、ソフトビニール製の7mmつづみ弾を使用し、回転式の8連発弾倉を備えている。
実射性能は完全な子供向けだが、自分のスタイルに合った形態に組み替えられるというのは、少年の心を本当にワクワクさせてくれたものだ。
ショートバレル、ロングバレル、ストレートフォアエンド、バーチカルフォアグリップと、フラッシュライトやピカティニーレールこそないが、これはある意味、現代のM4カービンにも通じるものがあるのではないだろうか。
昭和世代シニアガンファンのルーツには、こうした少年用エアガンの名銃が大きく影響していたのである。

クラシカルなデザイン
いま見ても流麗かつクラシカルなデザインは本当に秀逸だ。独創的でありながら、現実的なエッセンスもしっかりと入っている。

アタッチメントを装着
トップの写真とはストックの取り付け位置が異なるところに注目してほしい。この状態でチークピースは必要ないが、あえて全部のアタッチメントを装着。

マシンピストル
マシンピストルのような状態。当時、スポーツ標的射撃用というコンセプトのエアガンが多かった中、このスタイルは若干過激な感もあり刺激的だった。

ピストル
基本となるピストルの状態。ハンドガンのエアガン自体が少ない時代だったので、この状態で遊べるのは貴重だった。側面にはBUFFALO TARGET PISTOL MODEL NO. 08と刻印があり、BSバッファロー08として1974年に販売されたシリーズの中核となるモデル。

バレル
ロングバレルはコンペンセイターにフード付きのフロントサイト、ショートバレルはランプタイプのフロントサイトで、どちらも仕上げが素晴らしい。

フロントアタッチメント
フロントアタッチメント3種。ウッドタイプのフォアエンド、バーチカルフォアグリップ、筒状の物はオモリ入りのバランスウェイト。

ピストルグリップ
ピストルグリップ下部にストックを装着する際には接続アタッチメントを使う。よく考えられたデザインだ。

ソフトビニールのつづみ弾
回転式弾倉にソフトビニールのつづみ弾を使用。弾倉は自動で回転しないので、1発撃つごとに手で回さなければならない。

小物
セットに付属する小物。バッファローSSクラブなるモノが実在したかどうかは別として、この会員証は少年の心をときめかしたものだ。

アタッシュケースタイプのパッケージ
アタッシュケースタイプのパッケージ。このままどこへでも持ち運びができ、気分は完全にスパイかスナイパーなのである。

マニュアル
マニュアルによると、SS-5では40種類のライフルとピストルが組み立て可能とある。当時の少年にとってはもはや無限大と言っても過言ではなかった。
> マニュアルPDF


DATA


発売年 1974年
発売時価格 ¥5,700
全長 実測 735mm(ライフル)165mm(ピストル)
重量 実測 800g(ライフル)290g(ピストル)
バレル長 248mm(ロング)165/mm(ショート)
発射方式 プル式エアコッキング
使用弾 7mmつづみ弾
装弾数 8発
平均初速 48.4m/s(ロング)45.2m/s(ショート)

撮影協力:サタデーナイトスペシャル

2018/09/10


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