ヨネザワ コルト25ポケット

ヨネザワ コルト25ポケット

写真&解説 小堀ダイスケ

解説

本銃の発売元はヨネザワだが、製造は啓平社(KHC)だ。戦前からスプリング式の狩猟用空気銃を製造していた老舗で、そのルーツは昭和10年頃にまでさかのぼる。昭和50年代には7mmつづみ弾を使うBS銃で一世を風靡し、1990年代の最盛期にはKHC名義でマーベリックなど数々のエアガンを世に出した。その数年後に倒産するまで、一貫してエアコッキングガンにこだわり続けたメーカーだ。

その老舗が設計、製造しただけあり、コルト25ポケットはエアガン史上最小クラスの小ささでありながら、素直な弾道性能で実によく当たる。この小さなボディにエアコッキングのメカを収納し、短いバレルと小さなシリンダーで安定した性能を実現するのは、おそらくかなり難儀なことだったではないだろうか。

それどころか、今回は入手出来なかったが、実はこの銃のパッケージには、堂々と「飛距離20m」と書いてあった。当時はとにかく飛距離でエアガンの性能を表す風潮があり、BB弾がより遠くまで飛ぶほど良い銃、とされていたのだ。

とはいえ、ホップアップがまだ実用化されていなかったこの時代、小さなシリンダーから放出される圧縮空気の力だけで、本当に20mも飛ぶとしたらスゴいことだ。読者の皆さんにあまり気を持たせてはいけないので結論からいうと、このコルト25ポケットは、0.2gのBB弾を本当に約18~19mほど飛ばすことができる。経年劣化でピストンスプリングが多少ヘタっている可能性を考慮すれば、これは看板に偽りなしといっても差しつかえないだろう。

ただし、ただしである。それは銃を35度ほど上に向け、仰角をつけた状態で撃ったときの話だ。弓なり状にBB弾を撃ち出せば飛距離はかなり伸びるわけで、普通に水平状態で構えて撃つと約4mほどしか飛ばない。「水平に構えて」とはどこにも書かれていないわけだから、そこは悪しからずご了承いただきたいところだ。

現在の感覚ではちょっと考えられないスペック表記だが、つまり、そうまでしてBB弾の飛距離にこだわった時代があったということだ。それをバカバカしいととらえるか、はたまた古き良き時代だったと感じるかは、エアガンファンの考え方次第なのである。

ヨネザワ コルト 25ポケット サイドビュー左
ヨネザワ コルト 25ポケット サイドビュー右
コルト25ポケットは日本でも昔から人気のある小型ピストルだ。グリップの前後幅が短いなど若干のディフォルメもあるが、この小さなボディにエアコッキングメカを収納するのは、さすが老舗エアガンメーカーの啓平社といったところだ。

バレル
この銃にはインナーバレルがなく、内径6mmのプラスチック製パイプがそのまま銃身になっている。

スライドトップ
スライドトップの編み目模様もしっかりと再現。金型の都合か少々大げさな表現ではあるが、これがあるとないとでは大違い。

セフティレバー
セフティレバーが実銃とはかなりかけ離れた形状だが、内部機構との兼ね合いやコストダウンのため、仕方ない部分なのかもしれない。

スライドを押してピントンをコッキング
トリガーを引くとBB弾発射と同時にスライドが後退して止まる。ここからスライドを押してピントンをコッキングすると次弾の発射準備が完了するプッシュコッキング式。スライドのストロークは20mm。

ピストンスプリング
スライド内部には当たり前だがピストンスプリングが収納されている。この小さなスペースに内蔵して作動させるのは難儀だったと思う。

マガジン
リップ
マガジンはワリバシタイプだが、本体が小さいためあまり気にならない。プラの弾性でリップがちゃんと機能しており、BB弾はしっかりと定位置で止まる。

マガジンキャッチが別パーツ
マガジンキャッチが別パーツでしっかり機能しており、こういった細かい部分のこだわりが素晴らしいではないか。コストダウンとギリギリのせめぎ合いを感じずにはいられない。

DATA


発売年 1986年
発売時価格 ¥1,600
全長 実測 120mm
重量 実測 131g
バレル長 -mm
発射方式 プッシュ式エアコッキング
使用弾 6mmBB弾
装弾数 6発
平均初速 21.6m/s

撮影協力:サタデーナイトスペシャル

2020/08/16


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