ポイント ウィンチェスターM1892 カービン
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
ポイントのエアガンというのは、全体的に低価格帯の物が多く、どちらかといえば子供向けの製品が主体のラインナップだった。しかし、中には他と一線を画すリアルな物がいくつか存在し、そのひとつが今回紹介するウィンチェスターM1892である。ちなみに一説によるとこれらリアルな製品群は、伝説のトイガンデザイナー、故六人部登氏の設計だったといわれており、だとすればこのリアルさも納得だ。
発射方式はカートリッジ式のガスガンで、アルミ製の.44-40フルサイズカートリッジにBB弾を装填して発射する。肝心のレバーアクションはジャムもなくすこぶるスムーズ、装填、排莢が正確にくり返されながら銀色のロッキングブロックが上下する様は感動的ですらある。
実射性能に関しても、カートリッジ式としてはそこそこのレベルだったようだ。だがこのモデルはレシーバーの耐久性不足という致命的な弱点を抱えていた。トイガンとしての安全性を考慮した結果なのだろうが、レシーバーはABS樹脂製で全体的にかなり薄く作られており、少々荒っぽく扱うとすぐに折れたり割れたりするというトラブルが続出。アクションを楽しむために購入するユーザーの期待を大きく裏切る結果となってしまったようだ。


ウインチェスターM1892のトイガンとしては、東京CMC製のモデルガンに次いで2作目となるポイントのガスガン。やはりカートリッジ式でこそ味わえるアクションの楽しさには、なにものにも代えがたい魅力があるのだ。

.44口径が再現された大迫力のマズル。内部は太い真鍮パイプで補強されており、さらにその内部にインナーバレルが仕込まれている。

リアルウッドのストックとハンドガード。カービンタイプのバットプレートには、クリーニングキットなどを収納するフラップもリアルに再現。

レシーバー右側面のローディングポートからカートリッジを1発ずつ装填する。

マガジンから機関部内に押し出されたカートリッジをリフターが持ち上げ、ボルト先端でエキストラクターと連結しながらチャンバーへと装填される。

ボルトが完全閉鎖すると、2ピースに分かれたロッキングボルトが迫り上がってボルトを固定し、発射準備が整う。

ポイント ウィンチェスターM1892最大の弱点がここ。強度不足のため、普通に作動させているだけで割れてしまうというトラブルが続出した。取材した個体も完全に割れている。

ガスはグリップ底部からレバーを起こした状態で注入する。

アルミ製の.44-40カートリッジとBB弾を収納する小箱も、リアルな雰囲気の物が使われるというこだわり。

パッケージにはウィンチェスターのロゴが堂々と印刷されているが、はたしてライセンス契約されていたのかどうか、今となっては謎のままである…。
DATA
| 発売年 | 1992年春 |
| 発売時価格 | ¥39,800 |
| 全長 | 実測 947mm |
| 重量 | 実測 1,867g |
| バレル長 | -mm |
| 発射方式 | リキッドチャージ式ガス |
| 使用弾 | 6mmBB弾 |
| 装弾数 | 11発+1 |
| 平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
■関連リンク
ビンテージ エアガン レビュー TOP
トイガン史 1963 ~ 1993 - あるガンマニアの追憶 -
モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史
考察 ブローバック・ガスガン 