ファルコントーイ ブレンテン
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
このコーナーを担当していると、記憶の片隅へと追いやられてしまった、言わば不遇のエアガンたちと出会うことも多い。今回紹介するファルコントーイのブレンテンがまさにそうなのだが、以前紹介した東京マルイ S&W M59から1年後に発売されている。
マルイS&W M59は、スライドの後退がスプリングの力で行われ、ガスの圧力は前進に使われていた。このブレンテンにも同様のメカが採用され、スライドをガス圧で押し下げるという本当の意味でのガスブローバックではなかった。80年代前半に主流だったプッシュコッキング式エアガンをガス圧によるコッキングに置き換えようという発想なのだろう。
しかも、パワーソースが外部のみで、ハンドガンなのにホースを付けなければならないというデザインがガンファンを失望させた。マルイM59が取り外し式のガスボンベを本体に内蔵していたのに対し、まったく進化していないどころかむしろ退化したかのような仕様だったのは残念だ。
結局、ガス圧でスライドを押し下げるガスブローバックエアガンは、1989年発売のタナカM1911A1GMの登場まで待たなければならない。しかし、ブレンテンというモデル選定自体はトイガン初であり、その意味では老舗メーカーとしてのこだわりを感じさせる製品である。

コンバットシューティングの第一人者、ジェフクーパーが開発に関わったとされるブレンテン。フレーム側面にあるはずのセフティレバーが見当たらないが…。

現在、マルシンが固定スライドモデルを製品化しているが、スライドの動くブレンテンのトイガンとしてはこれが唯一となる。

信じ難いことに、この銃にはアウターバレルが存在しない。スライドを引くとアルミ製の細いインナーバレルが直に顔を出す様は何とも異様だ。

独特な形状のブレンテンのリアサイト。低価格モデルとしては良く再現されている。

セフティレバーは右側面に付いている。実銃では左右にスイッチが可能だが、ファルコントーイではなぜか左利き用となっている。

実銃の雰囲気がうまく再現されたグリップパネルだが、グリップスクリューが2つもある。

フレームは左右2ピースのモナカ構造。

外部パワーソースのみという、ハンドガンとしてはかなり購買意欲をそぐデザイン。


いわゆるワリバシマガジンだが、金属製のしっかりとしたリップが装備されてるためBB弾がこぼれ落ちることはない。

パッケージには控えめにブローバック方式と書かれている。作動そのものはなかなか快調だったようだ。

フレーム左側面にセフティレバーがないためか、一般的にはあまり使われない右側面の写真がマニュアルに載っている。
マニュアル.pdf (2MB)
DATA
| 発売年 | 1987年冬 |
| 発売時価格 | ¥6,000 (カスタム フレームシルバー) ¥5,400 (ブラック) |
| 全長 | 実測 217mm |
| 重量 | 実測 410g |
| バレル長 | -mm |
| 発射方式 | ガスブローバック |
| 使用弾 | 6mmBB弾 |
| 装弾数 | 16発 |
| 平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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