ギア! Vol.75 〜形状・ギア比、素材の特性〜
千葉県八千代市にある総合エアガンショップの「モケイパドック」にお邪魔して、技術主任の"でめちゃん"にカスタムガンのことをいろいろ伺ったので、連載で紹介しています!!
いらっしゃい!!
道楽「今回はギアについてお話を伺いたいのですが、ギアも色々な種類がありますよね?」
了解! 今回はギアについて話していくよ!
マルイの電動ガンのメカボックスに入っているギアは、モーター側から、ピニオンギア、ベベルギア、スパーギア、セクターギアの4種があるよ。 これらのギアでモーターの力を減速してピストンに伝えているんだ。
道楽「減速?」
そう、減速っていうのは18：1とかってよくギアの減速比を表現するんだけど、モーターが18回転すると、セクターギアが1回転する歯車の組み合わせって意味なんだ。
道楽「なるほど、モーター18回転で、弾が1発発射されるってことですね!」
なので、この減速比が電動ガンの性能に影響するんだ。減速比のことをギア比とも呼ぶことがあるよ。
例えば、マルイ純正のギア比は18：1なんだけど、これでだいたい1秒間に15発撃てる発射サイクルなんだ。これを16：1のギアに変更すると、発射サイクルがおおよそだけど、秒間17発に上がるよ。ただし、トルクがなくなるので、強いバネは引きにくくなるけどね。マルイのハイサイクル電動ガンは13：1に設定されていて、秒間25発を実現しているんだ。
道楽「トルクって回転させる力でしたっけ?」
うん、逆にギア比を21.6：1のものにすると、ハイトルクになって発射サイクルは落ちるけど、その分強いスプリングが引けるっていうトレードオフの関係なんだ。
ただ、威力の制限が法規制で定められる現在は、あまりハイトルクギアというのは使われなくなったね。
また、電動ガンのトルクや発射サイクルは、モーターの性能にもよるところが大きいから、モーターとギアのバランスが重要なんだ。
ちなみにセクターギアの歯は、マルイ純正が16枚、ハイサイクルで13枚、DSG(デュアルセクターギア)だと8～9枚となっているね。DSGってのはセクターギアが半回転で1発撃てるもので、レスポンスアップやハイサイクルのカスタムに使われるギアだよ。
道楽「ギアの素材ってなにでできているんですか?」
マルイのギアの場合は、ピニオンとベベルはスチールだね。スパーギアは詳しくはわからないけど合金が使われてるのかな。セクターは亜鉛ダイキャストで、最近はメッキコーティングされたモデルもあって表面硬度もアップしてるね。
ギアの形状も少しずつアップデートしていて、とくに逆転防止の歯数は増え続けているんだ。電動ガンはスプリングの力が常に掛かっているから、ラッチでギアを止めておかないと逆転しちゃう。そのための歯なんだけど、最初は2枚だったのが、4枚になって、最近のものはギア歯と兼ねて10枚になっているね。
カスタムパーツだとワンウェイクラッチという機構を採用した、無段階で防止する機構も登場している。
このワンウェイクラッチはモーターに搭載されることも増えてきたよ。
逆転防止ラッチはギアに当たるとカチカチと音が鳴るからワンウェイクラッチにすることで静音効果もあるし、ギアの停止位置が一定化されて、初速も安定しやすくなるんだ。
ギア音と言えば、ヘリカルギアっていうのもあって、これはギアの歯が斜め(らせん状)に作られてていて、普通のギアより滑らかに接触するから、伝達効率も上がるし、振動や騒音が小さいと言われているよ。
道楽「このギアのギザギザの形状もいろいろあるのでしょうか?」
ギアの歯の形状はね、滑らかで効率的な力の伝達のために、インボリュート曲線やモジュールといった専門の規格で設計されているんだ。
道楽「インボリュート曲線って...」
あ、それは話すと長くなるので自分で調べてみてね。
道楽「はーい(笑)」
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