タナカ ワークス ガスガン Colt S.A.A.45 7-1/2inch Cavalry (2nd) デタッチャブル・シリンダー スチール・フィニッシュ

タナカ ワークス ガスガン Colt S.A.A.45 7-1/2inch Cavalry (2nd)
デタッチャブル・シリンダー スチール・フィニッシュ

レポート:戸井源太郎

タナカが開発したケースレスのガスリボルバー、ペガサスシリーズの第1弾として発売されてから約20年。Colt S.A.A.45 7-1/2inchのデタッチャブル・シリンダー スチール・フィニッシュがこの春に発売されました。
ガスタンクやBB弾などガスガンとしての機能をシリンダーに集約し、ハンマーメカは極力リアルに再現していること、リボルバーのガスガンとしても精度も高く、信頼性も高いことから人気が高いシリーズです。
では、Colt S.A.A.45 7-1/2inchの精度はどうか、レビューしていきたいと思います。

シングルアクションのリボルバー
COLT S.A.A.は今から約150年前の1873年に米陸軍に採用されたシングルアクションのリボルバーです。米陸軍に採用されたのが、この7.5インチモデルになります。それ以前の前装式パーカッションピストルから進化し、金属カートリッジを用いた革新的モデルと言えます。
パワーのある.45口径のロングコルト弾を使用し、現在まで続く.45口径神話の発端となった銃で、今でもアメリカをはじめ、世界中で愛されているリボルバーです。
軍採用後は一般販売もされ、西部開拓時代、保安官が所持していたことから「ピースメーカー」の愛称が有名です。
またS.A.A.は生産時期から1〜4thの年代に区別されており、バレル長の違いでシビリアン(4.75インチ)、アーティラリー(5.5インチ)、キャバルリー(7.5インチ)、バントライン(8〜16インチ)と愛称で呼ばれています。

サイドビュー 左
サイドビュー 右
本ガスガンは第2次世界大戦後に作られた「2ndジェネレーション」のCOLT S.A.A.をモデルアップしています。さらに、ワンタッチでシリンダーが分解できるデタッチャブル・シリンダー機構を採用し、BB弾の装填や、ガスの注入が容易になっているのが特徴です。

本体はABS製ですが、外観にはスチールの地金を磨いたような美しく、かつ渋いメッキによる「スチールフィニッシュ」が施されています。装弾数は、実銃と同じ6発となっています。

シリンダー
トリガー
.45口径のロングコルト弾によるシリンダーに大きく突き出したハンマーに対して小さめのトリガーガードで、より迫力が増してみえます。大型のシリンダーのおかげでガスの容量も十分あります。

ハンマーダウン
ハーフコック、フルコック
ハンマーダウン、ハーフコック、フルコックと実銃同様と可動します。ハーフコックにするとシリンダーが回せます。またシングルアクションオンリーなので、ハンマーを起こさないと撃てません。

トリガー
トリガーの位置はかなり後ろ寄りになっています。ハンマーを起こしてもトリガーの位置はほとんど変わりません。トリガーのストロークは非常に短く、トリガープも529gと軽く引けます。

ローディングゲート
古い銃なので、シリンダーはスイングアウトしません。実銃では右側にあるローディングゲートを開けて、ここから弾の装填、排莢を行います。ガスガンではBB弾の装填、ガスの注入はシリンダーを外して行います。

ロングバレル
7.5インチのロングバレルモデルです。背の高いフロントサイトが特徴的です。バレルには「COLT SINGLE ACTION ARMY .45」と刻印が入っています。

エジェクターロッド
バレル下にあるのはエジェクターロッドで、実銃ではこれを引いて、空薬莢を一発ずつ排出します。タナカではダミーですが、半分ほど引くことができます。初期モデルではこの部分にBB弾を6発装填でき、合計装弾数12発でしたが、デタッチャブルシリンダーになって廃止されました。

バレルのトップ
バレルのトップにも「COLT’S PTFA.MFG.CO.HARTFORD CT.U.S.A.」と刻印が入れられています。

リアサイト
フレーム上部を彫り込んだ低い位置にリアサイトが設置されています。そのためハンマーを起こさないとリアサイトは狙えません。ガスガンなのでハンマーノーズは引き込み式で、フレームにも穴は開いていません。シリンダー軸にあるバルブを叩く仕組みです。

グリップ
しっとりとした質感のグリップが標準装備されています。タナカのペガサスシリーズはガスガンとしてのメカをほぼシリンダーに集約されているため、グリップ内のメカも非常にリアルに再現されています。そのため、各種実銃用のグリップが装着できるのが嬉しいですね。

シリンダーの取外し方
シリンダーの取外し方は、まずハンマーの位置をハーフコックにし、ローディングゲートを開きます。

ベースピン
矢印のベースピンを押しながら、ロックピンを引きます。これでロックが外れシリンダーを取り出せます。

シリンダーは右側に外れます
シリンダーは右側に外れます。組み込みは逆の順に行います。 組込みの際はシリンダー前側の軸穴キー溝とフレームキー溝を合わせて取り付けます。

二重構造
シリンダーは二重構造になっており、外側のカバーを回転することができます。それを回させてカートリッジの底部の「GAS」の部分を内部の注入口に合わせるとガスの注入が行えます。

装弾数は実銃と同じ6発
BB弾はシリンダーの前から1発ずつ装填します。装弾数は実銃と同じ6発になります。

実射テスト

実射テスト
実射テストはハンドガンということで今回は20mをメインで行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
0.2g弾と0.25g弾ともに20mでボディサイズにはヒットできる精度がありました。
最大射程は余裕で30m以上はありましたが、マンターゲットにヒットできる有効射程距離は20mまでといったところです。
ガス式リボルバーとしては十分な弾道性能だと思います。
固定ホップアップもちょうど良い印象で、まっすぐ伸びのある弾道でした。この日は気温36度ということもあり、初速は85m/sとなりました。

ファニング
距離5mでも射撃してみたところ、8cmから10cm以内にまとまり、リボルバーのガスガンとしてはかなりの精度です。
またメカの動きが確実で滑らかで、特にトリガーは軽く、感動するレベルです。
もちろん、S.A.A.の醍醐味であるファストドロゥにも使用できます。目にも止まらない早撃ちでも確実に作動します。

またS.A.A.の醍醐味であるトリガーを引いたままハンマーを叩いて連射するファニングも実銃同様に可能なのも嬉しいですね。


総評

総評
美しく仕上がっている外観の完成度、リアルな構造、熟成されたペガサスシステムとガス式リボルバーとして最高峰のレベルにあると思います。
特にファストドロゥなどハードユースにも使用できる高い信頼性と耐久性を有しています。筆者より年上の50、60歳代の古くからのモデルガンファン、西部劇ファンの厳しい目をお持ちの方々からも絶大な信頼を得ているのも納得できます。
COLT S.A.A.は装弾数6発、シングルアクションということでサバゲー向きではないと思われるかもしれませんが、最近では西部劇に特化したサバゲーも開催されていますし、ペガサスシステムオリンリーやリボルバーだけのサバゲーなどもやってみると面白そうですよね。
また2丁拳銃でシューティングマッチに参戦している方もいらっしゃるので、アイデア次第で楽しく遊べると思います。

実銃は現代のリボルバーの元祖といえ、歴史的にも革新的なモデルです。そしてタナカのペガサスシステムはリボルバーのガスガンとして歴史的、革新的なモデルです。タナカ COLT S.A.A.はトイガンファンなら、ぜひコレクションに加えていただきたい一丁です!

スペック


全長 335mm
重量 730g
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 6発
価格 25,800円(税別)
発売日 2019年4月
動力源 リキッドチャージ式ガス
初速 最高:86.13m/s
平均:83.11m/s
最低:81.34m/s
ジュール:0.691J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、屋外12発での測定、気温36.2度、湿度45%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.PDF (1.2MB)

撮影協力:TANAKA WORKS、ビレッジ1

2019/08/28


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