G&G ガスガン GTP9 Black/Gray

G&G ガスガン GTP9 Black/Gray

台湾のトイガンメーカーG&Gは電動ガンが主力製品だが、ここ最近ではガスブローバックハンドガンも開発しており、海外のトレードショーなどでは多くのラインアップを見ることができる。そのG&Gが日本市場向けに初投入したガスブローバックハンドガンが今回紹介するGTP9。ブラックバージョンはすでに昨年夏に発売となっており、2020年3月27日にカラーバリエーションのBLACK/GRAY、DST、BLACK/DSTが発売されたのでBLACK/GRAYをレビューしてみよう。

パッケージ
GTP9のパッケージはハードケース仕様。シルバーのG&Gのエンブレムもカッコよく、手にした瞬間にテンションが上がりまくり。パッケージサイズは約28cm x 21.5cm x 6cm。

パッケージ内容
パッケージ内容は本体、マガジン、交換用バックスストラップ、取説+マガジン説明書、弾速証明書。
ハードケース内にはGTP9のエンブレムがある。

取説
取説は英語、スペイン語、フランス語、日本語の4か国語対応。弾速証明書と付属マガジンの取扱説明書が入っていた。

G&Gオリジナルデザイン
G&Gオリジナルデザインのポリマーフレームピストル。どことなくS&WのM&Pにも、グロックにも、FN 5-7にも似ている部分がある。

スライはナイロン樹脂製
スライドはナイロン樹脂製で、前後に波打ったセレーション。アンダーマウントレイルも装備。グレーカラーのポリマーフレームが渋い。

角ばった複雑な形状
角ばった複雑な形状のスライドに対し、グリップフレームはすっきりとしたデザイン。

アウターバレル
アウターバレルは金属製でガンメタルのメッキが施される。スライドに入れられたスリットからアウターバレルが見えるのも斬新。

スレッデッドバレル
スレッデッドバレル仕様でマズルキャップを取り外すと12mm逆ネジとなっている。日本ではなじみのない規格なので、M14逆ネジ変換アダプターも別売されている。

フロントサイト、リアサイト
フロントサイト、リアサイト。

サイトピクチャー
サイトピクチャー。独特な凹み形状のリアサイト。慣れないと狙いにくく感じる。ホワイトの塗料が少し荒め。

スライドホールドオープン ホールドオープン。エキストラクターは金属製の別パーツとなっている。また、ブローバックユニットには独自のWHIRL CYLINDER VALVEを採用している。

トリガーセフティ トリガーセフティを備えた樹脂製トリガー、マグリリースはパドル式で、スライドストップとともに左右から操作できるアンビ式。セフティはクロスボルト式で右側から押し込んでセーフティオフとなる。テイクダウンラッチを押し下げればスライドを前方へ引き抜ける。トリガーフィールはストロークが短くキレ際もキリッとしている。トリガープルは550~600gほどだった。

スライド内部
スライド内部。ブローバックユニットにG&Gの刻印がある。

フレーム内部
フレーム内部。

通常分解 通常分解。バレルを外すときはマズルキャップも取り外す必要がある。

ホップアップ調整
ホップアップ調整も独自の仕組みを採用していて、グリップ底部のPUSHボタンを押すとホップ調整用のツールが取り出せる。

ホップ調整ツール
このホップ調整ツールは、もう一つのバックストラップにも付属する。

HOPと書かれた矢印の方向
このツールを銃口から差し込み、HOPと書かれた矢印の方向、つまり銃口側から見て反時計回りに回すとホップが強くなる。スライドを分解することなくホップ調整できるのは良いが、ツールをなくしたりしないかとか、銃口から突っ込むのに何か違和感があるというユーザーもいるかも。

マガジンマガジンは亜鉛ダイキャスト製でリップ部は樹脂。フォロアーが底部でロックできるのでBB弾を入れやすいが、マルイのガスガンのようにスリット前面からはBB弾を装填できない。また日本製のガスブロと違ってガス注入時にシューッという音がせず無音。説明書にはマガジン内温度が高いとガスがよく入らないので、少しガスを放出させて冷やし、10~20秒ほど充填するとよいとある。

SUREFIREのXC1-B ウエポンライトを装着 SUREFIREのXC1-B ウエポンライトを装着すると、さらにメカメカしさが増す。

バックストラップ
バックストラップは下方へ引っ張るだけで取り外すことができる。

バックストラップの膨らみ具合
バックストラップの膨らみ具合の比較。

実測重量は756g 空のマガジン含む実測重量は756g、マガジン単体での重量は293g。

DST、Black/DST
今回紹介したBlack/Gray以外にDST、Black/DSTが同時展開された。

実射 & 総評

実射 & 総評
いつものビレッジ2のシューティングレンジにて実射。弾は東京マルイベアリングバイオBB弾の0.2g、0.25g、ガスはHFC134aを使用した。
まず初速は平均で74m/sと、マルイのガスブロに比べると結構高めなのでハンドガン戦ではアドバンテージがある。この日は気温25度のちょっと汗ばむほどのぽかぽか陽気だったが、初速測定では射撃していると徐々に初速が下がってきて、10発測定してギリギリ70m/s台をキープ。マガジンの冷えがやや早いような気がする。

ブローバックスピードは普通といったところで、最新のガスブロに比べるとリコイルもやや物足りない感じはする。ただ、アウターバレルが金属製なので、撃った時に金属音が響き、心地よさを感じる。

特筆すべきはその弾道性能。
驚きの弾道直進性と安定性が確認できた。風の影響を受けやすい屋外、射手の腕を考慮しても0.2g、0.25gともに非常に低進した弾道で命中精度が高い。国内トップメーカーのガスブロ同等どころかそれ以上の性能を引き出していると感じた。
これは細かい調整ができる独自の可変ホップアップ機構によるものかもしれない。
ハッキリ言って0.2gで40mでも少し上目に狙ってマンターゲットを狙っていけるほどだ。

全体的な総評としては、G&Gオリジナルのややクセの強いデザインが気に入るかどうか。クロスボルトセーフティやパドル式マグリリースなどは、通常のサムセフティやプッシュボタン式マグリリースでも良かったのではと思う。とくに独自形状のフロント&リアサイトは初心者には狙い辛さを感じるかもしれない。アンダーマウントレイルも1スロットではなく、ピカティニーレイル式のほうがよりオプションの装着幅が増えるだろう。
とはいえ、その抜群の弾道性能はこれら不満を吹っ飛ばすほどだ。日本市場初投入のガスブローバックガンでここまで完成度が高いとは驚きだ。G&Gは電動ガンというイメージだったが、既にG&Gは海外イベントでハイキャパ1911系やM9系のガスブロを展示しており、今後のガスガンの展開も楽しみだ。

GTP9

スペック & 初速

サイドビュー左
サイドビュー右

全長 220mm
重量 756g (空マガジン含む)
銃身長 113mm (インナーバレル長)
装弾数 22発
価格 18,600円(税別)
発売日 2020年3月27日 (Black/Gray)
動力源 リキッドチャージ式ガス ※射撃テストではHFC134aを使用
初速 最高:77.44m/s
平均:73.96m/s
最低:71.60m/s
ジュール:0.547J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、室内10発での測定、気温21.5度、湿度43%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.PDF (1.3MB)

協力:G&Gジャパン、ビレッジ2

2020/04/05


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