サバゲフィールドの構造を考える 第1回

サバゲフィールドの構造を考える 第1回

これまで多くのサバゲフィールドでプレーしてきた経験からサバイバルゲームフィールドの構成について体系的にまとめてみようと思う。

1980年代にサバイバルゲームが日本に誕生したころ、フィールドは山林や河川敷といった自然のエリアをほぼそのまま使っていたが、2000年代に入り、有料フィールドが登場すると、ブッシュを切り開いて道を作り、樹木を伐採したり、塹壕を掘ったり、木材やドラム缶などの障害物や、櫓を配置したりと、ゲームを盛り上げる様々な工夫がなされてきた。

フィールド構成は、ただ無秩序に作るのではなく、意図して設計・配置することでよりゲームが白熱したり、プレーヤーの達成感や満足度に大きく関わってくる大事な要素だ。
では、どういった要素があるのかを考えていきたいと思う。

サバゲーの基本4要素と定義

まずはサバイバルゲームの基本要素について述べたいと思う。

サバイバルゲームの基本4要素
サバイバルゲームは4つの基本要素によって成り立つと考える。
すなわち、「動く」「探す」「隠れる」「撃つ」だ。
これら4つの能動的行動が一つでも欠けてしまうと、サバイバルゲームとして成り立たなくなってしまう。例えば「撃つ」要素が無く、残りの3要素だけであれば、それは「かくれんぼ」である。
また、「動く」要素が全くないのであれば、それはシューティング、あるいは射撃ゲームとなるだろう。
これら4要素は大なり小なりのバランスはあるにせよ、サバイバルゲームになくてはならない必須要素と言える。

4要素が存在し、敵味方に分かれ、条件を決めて戦うことが、サバイバルゲームの定義とも言えるだろう。
また、これら4要素をいかんなく発揮できるフィールド構造を模索することが、フィールド作りの第一歩となるのではないだろうか。

各要素をフィールド作りの面から見ていこう。
まずは「動く」。単にフィールドが広いから走れるというだけではなく、ゲーム中、プレーヤーが能動的に敵を発見したり、撃てるポイントや、敵フラッグまで移動できる構造になっているかということだ。

正面から撃ち合うだけがサバゲーではない。相手に気づかれずに側面や背面から敵を仕留めた時の達成感はサバゲーならではの楽しさだ。障害物の配置に意識が行きがちだが、侵攻ルートの豊富さはフィールド作りの初期に考えておくべき要素だ。

逆に動けないフィールドとは膠着しやすいフィールドであり、バリケから出た瞬間に撃たれる場所ばかりだったり、袋小路で、そこでは何もできない場所だったり、といったことになる。
例えば復活戦で自陣からの復活直後に撃たれてしまうことが多いのであれば、フラッグ周りの障害物配置を見直す必要があるだろう。
また、いつもタイムオーバーで決着がつかずにフラッグ戦を終えてしまうのであれば、プレー人数に対して侵攻ルートが少ないといった可能性もある。

次に「隠れる」。隠れる場所やバリケードが十分にあり、かつ移動を妨げないこと。また完全に隠れるのではなく、ある方向からは無防備であることも重要だ。
ドラム缶は定番のバリケだが、このドラム缶、入手しやすいからという理由だけでなく、大人が隠れるのにちょうど良いサイズ。隠れている頭やお尻が微妙にはみ出たりして、狙い撃てる可能性も残す、実に絶妙なバリケードなのだ。

隠れる場所が一切ないフィールドというのは想像しただけで恐ろしいが、逆にあるポイントに入ったら敵から全く攻撃されることなく、一方的に敵を撃てるような要塞とかトーチカみたいな場所は、フィールドバランスを大きく崩してしまう。何か特別な意図が無い限り、そういった完全に篭れる場所の設置は避けたほうが無難だろう。

続いては「探す」。隠れている敵を発見できるポイントがあるかどうか、動くことで見つけられる、射線が通るようになっている場所があるかといったことだ。
味方と連携して敵を探し、攻撃できるか、というのも大事なポイントだ。
たとえ隠れている敵と言えども、ある方向からは無防備になっていることで、攻略のチャンスが生まれる。
「隠れる」と「探す」は表裏一体と言っても良い。隠れる場所を作ったら、そこに潜むプレーヤーをどこから発見できるか、どこから撃てるかということを考え、またその手段を複数作ると、より攻略の幅が広がるだろう。

最後に「撃つ」。射線が正しく設計されていること。長、中、近距離の射線および、上、中、下の射線を作ると射撃テクニックを発揮できたり、より展開が豊かになる。
インドアやCQBフィールドと言えども、すべてが近距離戦だと、緊張が続き、相撃ちが多くなって疲れるし、ゲーム展開が単調になりやすい。すこし見通せる場所を作っておくなどのバランスが必要だ。

また、櫓や、多層構造のフィールドは上下の射線が作れ、よりスリリングで複雑なゲーム展開が可能になる。
構造的に天井の低いインドアでも、プレーヤーが常に立って撃つだけではなく、しゃがんだり、伏せたりすることで高さを撃ち分けられる場所を作ることも可能だ。
進行ルートに対する角度も重要で、長い通路などは射線が通り過ぎて進行を妨げることもある。また跳弾を誘発しやすい設計の壁なども注意が必要だ。

必ずしも4要素をあえてバランスを取らずに、いずれかの要素のみを特化・取捨選択することで、他のフィールドとは異なる特色を持ったフィールドになることもあるので、どういったフィールドを目指すのか、フィールドコンセプトを事前に考えるのが良いだろう。

フィールド 3ライン

サバゲフィールドを構成するうえで、重要となる3つのラインについても述べておこう。

フィールド 3ラインサバゲフィールドを構成する3ラインが、「視線」「動線」「射線」だ。
射線はよく使われる言葉だ。エアガン(に限らず銃全般)を撃って弾が飛んでいくラインのことを射線と呼ぶ。
動線はプレーヤーが能動的に動くルートのこと。能動的なので導線ではなく動線とした。
また、視線は敵を見通せるラインのことを意味する。
これらの3ラインは一見して同じことに理解されがちだが、それぞれ特徴が異なり、その機能を理解しておくと、バリエーション豊かなフィールド作りに役立つ。個々に解説していこう。

まずは「視線」だが、敵を見ることのできるラインは必ずしも撃てたり、移動できるラインではないということだ。例えば、ネット(網)で遮られた場所は相手の挙動が丸見えだが、相手側に移動することはできず、また撃ってもBB弾は貫通しない。つまり、ネットを配置することで視線だけが通っている状況を作り出すことができる。
バリケにポリカーボ板がはまった窓を作れば、これも視線だけが通っている状態だ。もちろん射程外の距離は視線だけが通っている状態と言える。

動線だけを活かして視線や射線を切る方法もある。例えば出入り口に暖簾(のれん)などを垂らすことで、部屋の中への視線や射線は通さずに、動線だけを通すことができる。
逆に通路上にドラム缶を置けば、動線を切って、高さ90cmまでの射線を切ることができる。

バリケの小穴などは射線と視線が通って、動線は切られている。射線が通るところは視線も通ることがほとんどだが、暗い場所を作ったりスモークを使うと、視線だけを切って、射線と動線を通すといったこともできる。

また、サバゲーはチームで戦うことになるので、これらの線をチーム内で共有・分担することで機能する仕組みを作るということもできる。
例えば、チームの一人が視線だけ通っているポイントに移動、敵を発見し、仲間に伝えると、味方はそのポイントを有利に攻撃できる射線に移動して攻撃する、といった具合だ。
後方の櫓からコマンダーが索敵して敵の位置を指示、味方が有利に攻撃できるといった展開はよくある手法だ。チーム内のコミュニケーションによって勝敗が左右するフィールドを作りたいなら、この3ラインの機能を分散させるというのも一手だろう。

逆に、強力なポジション(強ポジ)を潰そうとして、射線と共に、せっかくの動線や視線も一緒に消してしまっているケースもみられる。板でその場所を遮ってしまえば3ライン全てが切れ、フィールドバランスが大きく変わる。事前に視線や動線を残すのかの検討をしても良いだろう。

これら3ラインの意味と機能を知って、どう組み合わせ、あるいはどう分離させるかを考えると、より展開に幅のあるフィールドを作りやすくなるだろう。

次回は、バリケの配置について考えてみたい。

2019/07/17


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