荒廃聖域スクラサ-序- イベントレポート

荒廃聖域スクラサ-序- イベントレポート

Report : S

2020年12月13日に千葉県のサバゲフィールド、オペレーションフリーダムにて開催されたサバゲーイベント荒廃聖域スクラサ-序-」の模様を紹介します。主催はMADサバ頭目SATOMIC。Photo by「TP-Films」and「スクラサ公式カメラマン」。


荒廃聖域スクラサとは、前回のイベントリポートで紹介した桜乱戦記の100年後、かつての核戦争が頻発し荒廃しきった後の日本を舞台にした架空テーマのサバイバルゲームイベントだ。


今回のイベントでは、幾度の核攻撃で荒廃しきったセントラルカントー(旧東京)を発祥とし、暴力と略奪を繰り返して勢力を巨大化し続ける「BLACK REBELLIONS」と、核戦争の悲劇から文明の遺産を収集管理しつつ、人と知恵を正しく連帯させ、地に足の付いた「創意工夫と連帯」を是とする「SCRAP UNION」の二大勢力が登場し、戦争を繰り広げたという設定になっているようだ。

MADMAXやFALLOUT
今回のイベントを通して、MADMAXやFALLOUTに代表されるような典型的な世紀末作品や“WASTELANDらしさ”をインスパイアしつつも、日本という土壌にローカライズしつつ親近感を感じながらロールプレイを楽しむ。
という壮大かつ緻密に計算されたアプローチは、主催者SATOMICのMADサバを経験した上での構想“ビフォーザMADサバシリーズ”という形で展開された。
今回はその第一弾企画とのことだ。

荒廃聖域スクラサ
「荒廃聖域スクラサ」は昨年の桜乱戦記同様、SATOMICの得意とする、"群像劇の一員として世界観に参加している事を体感できるエアソフトゲーム"としてのサバイバルゲームを応用したゲームルームをメインに執り行われた。
“スクラサ”は、一見サバゲーでありながらその場に居る全員が"世界観の立役者"となり、参加者たちはどんどん世界観へとのめり込んでいった。
※画像はスクラップユニオン軍に参画する、在日米軍の末裔「ヌサ族」の皆様

午前中最初のゲーム
午前中最初のゲーム(当日“第一話”と表現していた)「襲撃」、開始直前のブラックリベリオンズの面々

ブラックリベリオンズ首領
ブラックリベリオンズ首領のSATOMICをはじめ、敵前哨基地へ向け非常に殺気立った雰囲気を醸し出している。

骨董品のマシンガンをライフル
骨董品のマシンガンをライフルのように構えて掃射する猛者もいた。

ブラックリベリオンズの容赦のない攻撃
ブラックリベリオンズの容赦のない攻撃により、スクラップユニオンの前哨地部隊を壊滅させた。

死体になりきる者
特に防衛陣地付近のヒット者
特に防衛陣地付近のヒット者の中には“戦場に横たわる死体になりきる者”もいた。
こういう楽しみも、“リエナクトメント“や”ロールプレイ“の醍醐味である。

「因果」というゲーム
午前中第二話は「因果」というゲームを実施。
スクラップユニオンが侵攻に対抗するべく防衛陣地を構築し、ブラックリベリオンズがそれを妨害するゲームだ。

スクラップユニオン
スクラップユニオンのUMA将軍の元、義勇兵や市民、エンジニアたちが協力して防衛資材を運搬している。

ゲームが開始
ゲームが開始されると、協力し合って前線まで手製のバリケードを展開し、義勇兵たちはそれを盾にして迫りくるブラックリベリオンズの戦士たちを迎え撃っていた。

展開されたバリケードの前
展開されたバリケードの前で死闘の末に力尽きる各勢力の戦士達。戦いの厳しさを物語っている。

高台に手製の三脚
高台に手製の三脚が付いた機関銃を配置すべく運搬中の義勇兵たち。先にほかの義勇兵が陣取り、支援火器で弾幕を張る事で、設置の支援をしている。
敵チームに射撃すること以外にも、こうやって味方の活躍に相互貢献し、実感ができるのもこのイベントの特筆するべきところだろう。

第二話
第二話では戦闘中の負傷者はその場でダウンするルールだったので、復活ルールをいかして、医療従事者的な格好をした参加者は積極的に味方を復活させていた。

ブラックリベリオンズの兵士
ブラックリベリオンズの兵士の中には、スクラップユニオンに捕虜として捉えられる者もいた。
捕虜カウンターを押したら解放されるというルールだが、参加者は予定調和で任意の拷問プレイや的に不利になる情報(ジョークの範疇で)を流す者など、それぞれ自由な発想で拷問をしていた。

午前中ラストゲーム第三話「反撃」
午前中ラストゲーム第三話「反撃」では、
ブラックリベリオンズ前線部隊が包囲されて本体と分断されてしまったという事で、脱出ポイントへ到達すべくシールドを構えた部隊が仲間の進軍を押し上げていく。

ゲーム終盤
ゲーム終盤では、首領部隊が火力支援をして仲間を続々と脱出させていた。

格闘武器
昼休みの余興「決闘」の様子。ブラックリベリオンズ、スクラップユニオン問わず、格闘武器が使用できるという事で、様々な参加者が決闘を楽しんでいた。
お昼休みの余興に限り、LARP系の武器が使用可能とのことで、参加者の中には当日出店されたLARP GEARさんより購入した武器で遊んでいる方もいた。

奇怪な体の動き
物語中盤では、人語を理解し奇怪な体の動きをする者が出現した。(ゾンビではないとの事)

陣営問わず人々に襲い掛かって
彼らは赤子を求めるようにさまよい、陣営問わず人々に襲い掛かっていた。
独特な動きをする彼らには「ぐにゃり」という相性がつけられた。
彼らの存在は、今後のスクラサ関連作品へどのように影響していくのか?

トライブ
荒廃聖域スクラサ
荒廃聖域スクラサでも、桜乱戦記同様に、多くのトライブ(部族やグループのような意味)が参加し、“トライブ買収ゲーム”を実施、今回は金の延べ棒ではなく、物資運搬用の大袋を取り合うゲームが実施された。

トライブメンバー
ブラックリベリオンズ
ブラックリベリオンズ、スクラップユニオン共に、トライブメンバーが一人ずつ買収された。

野外イベント
スクラサでは、野外イベントではあるものの、さらにソーシャルディスタンスを広くしつつセイフティ座席数を拡張する為、有志の「テント村セイフティ」が増設されていた。
中央に写っている方は、スクラサ世界におけるエンジニア的な仕事をしているという設定の義勇兵。スクラップユニオンで参戦していた。

フリーマーケット
テント村セイフティ
テント村セイフティでは、このようにスクラサの参加者が好きそうな物品をフリーマーケットのような形で展開されている方もおり、また世界観に深みをもたらしていた。


最終ゲーム、最終話「破城槌」では、ブラックリベリオンズが、決戦兵器として発掘したパワーフレームという強化外骨格にジャンクの金属装甲を取り付けた物3機を戦場に投入し、最終攻勢に出た。

敵の銃弾をはね回し
敵の銃弾をはね回しながら、味方の戦士たちを前線に押し上げて、ガラクタでできたバリケードを破壊しつつ前進していった。

スクラップユニオンの兵士
スクラップユニオンの兵士たちは、ロケットランチャーや手製の梱包爆弾(模型)でパワーフレームに攻撃すり事により無力化するというロールプレイを楽しむ人たちが多くいた。

スクラップユニオン
スクラップユニオンでは自然とランチャー兵や自爆アタック等を支援するライフル分隊ができており、ブラックリベリオンズでは撃破されたパワーフレームが味方の支援で本陣に連れ帰り、修理を受け、再出撃を繰り返すシーンがたびたび起きていた。

ブラックリベリオンズを撃退
最終的には、スクラップユニオンの奮戦により、ブラックリベリオンズを撃退。
公式ストーリー上でも、撃退に成功するという筋書きだったようでゲーム結果と合致したような結果となり、非常に盛り上がった瞬間だったようだ。

非常に盛り上がった瞬間

-総括-

荒廃聖域スクラサ-序-は、2015年に始まったMADサバのイメージの「世紀末装備イベント」としてのノウハウをある程度維持しつつも、「一時創作のIFヒストリカル・リエナクトメントイベント」という全く別の切り口の会としてスタートしていた。
今までの「世紀末イベントといえばMADサバ」というイメージにあぐらをかかずに、「違う名前」、「違うアプローチ」、「絞ったテーマ」、「絞ったイベントのサイズ感」に拘った点が潔い挑戦だったとも言えるのかもしれない。

そんな複雑な経緯を持つイベントにもかかわらず、またコロナ渦の中でも事前のガイドラインや参加条件の再周知・確認の徹底等に対する参加者・イベント関係者の協力的な流れもあり、多くの参加者が集まる事が出来た。
当日はイベント運営組織以外に99名の参加者が同じ世界観に思いを馳せ、まさしく「協力して世界が作り上げられたていた」といえるだろう。

しかし、主催のSATOMICいわく今回のスクラサ-序-は、物語の序章にすぎないという。
今回の「荒廃聖域スクラサ-序-」を前述のとおり「ビフォーザMADサバ」シリーズの第一弾と位置付け、次は戦争が終わった後の続きの物語。“生活”をテーマにした「Gang Street Of Wasteland Town」すなわち「GSOWT(グソート)」というイベントを実施するとのことだ。

ストーリーが共通された“スクラサ“と”グソート“を交互に開催しつつ、将来のMADサバ実現を裏付ける為のあらゆるバックボーンをこのシリーズで展開していくようだ。
どのようなイベントや物語が描かれていくのか、今後の展開にも期待したい。

【外部リンク】MADサバ公式twitter
【外部リンク】SATOMIC twitter
【外部リンク】SATOMIC YoutubeChannel

2021/01/05


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