東京マルイ ガスガン サイガ-12K

東京マルイ ガスガン サイガ-12K

レポート:石井健夫

SAIGA(サイガ)は旧ソ連時代からAKシリーズの開発・生産を行なっていたカラシニコフ・コンツェルンの後継企業、イズマッシュ社が民間用のライフルやショットガンに冠しているブランド名だ。そのうち.12番ゲージ・ショットシェルを用いるセミオート・ショットガンのシリーズが「SAIGA-12」である。

実銃
<実銃>SAIGA-12 (撮影:CQB GUAM)
主に狩猟やスポーツ射撃を目的とした標準モデルのSAIGA-12は20インチ銃身に曲銃床を備え、敢えて軍用銃のイメージを抑えようとしているフシがあるものの、そのガス圧作動システムはAK-47から転用&アレンジされたものなので、AK同様に耐久性・信頼性が高く、さらにショットガンとしては少数派の箱型マガジン式で再装填が素早く行えるなど、戦闘用ショットガンとしての実力は既に充分だった。

SAIGA−12K サイドビュー
AK系軍用ライフルと同形のグリップやストックを装備し、取り回易い短銃身を採用した「SAIGA−12K」や「SAIGA−12S」、さらに20mmレイルやボルトストップ機構を標準装備した軍・法執行機関専用モデル「KS-K」等が存在するが、東京マルイはアルミ切削の17インチ・アウターバレルを備えた「SAIGA-12K」をモデルアップした。木と鉄のクラシカルなムードが漂うAK47やAKMとは対照的な、オールブラックの精悍な外観だ。

大口径マズル
ド迫力の大口径マズル奥にはアルミ製インナーバレルの3つの銃口が不気味に輝く!発表から約2年にも亘る熟成期間を経て遂に発売され、現在大ヒット中の東京マルイ/SAIGA-12K。製品開発に際しては実銃採寸を行い、レシーバーを亜鉛ダイキャスト、TOPカバーはプレススティール製で 圧倒的な質感・重量感を醸し出している。HOPは電動ショットガンAA−12のような「拡散型」ではなく、エアーショットガンやM870シリーズ同様のストレート固定タイプ。パターンはかなり絞られており、「10mでは握り拳大」、「20mでヘッド(頭)大」、「30mでチェスト(胸)大」と感じる。

銃身長は17インチ
実銃の銃身長は17インチで、軍・警察用ショットガンに一般的な20インチ銃身よりも「短い」ことを意味する「K」がモデル名に付く。短銃身になった分、銃口に取り付ける器具「チョーク」によって散弾パターンを調整する。東京マルイは極太のアルミ製アウターバレルを採用。先端にはネジで着脱可能なダミーのチョークナットが付く。

ハンドガード上部
スッキリ細身なハンドガード上部にはショットガンならではのリブサイト。

リブサイト
リブサイト先端横の小さな穴に付属のフロントサイト・アジャストツールを挿し込む事でサイトエレベーション・ダイヤルが廻せ、狙点の上下調整が可能だ。

固定HOPの設定は新品だとやや強め
固定HOPの設定は新品だとやや強めな印象。0.25gBB弾を使用時は30m先をこのように狙うと3発全てが上半身に集中するが、0.20gBBだと頭上を越えてしまう。しかし40〜50m先まで届きそうではある。

ボルトアッセンブル
見えない部分までリアルに造り込まれたボルトアッセンブルには315gの重量がある。これが.12ゲージ・シェルの排莢・装填距離「85mm」をフルストロークし、“ガツン!”と重い反動を演出するのだ。

強烈なリコイル
約19mm径の大型ピストン&専用ブローバックエンジンが生み出す強烈なリコイル! 金属同士がガチでぶつかる衝撃の合間に銃を痛めないようバッファー機構が巧みに働いている感触やロングストロークならではの「間」も感じられ、まさしくセミオート・ショットガンを撃っている!という味わいがある。

距離7mでのショット・パターン
距離7mでのショット・パターンは「ゴルフボール大」なので180ccカップなら3発が同時ヒットする!
ワントリガーで同時発射されるBB弾は常に安定して3発! 確実に給弾され綺麗なトライアングル編隊をなしてターゲットに吸い込まれるのは実に楽しく、しかもこれをセミオートでガンガン連射でき、圧倒的な弾幕を張れるのはまさに脅威的だ。

マガジン
装弾数45発、1ショット=3発なので「連続15ショット」が可能となるマガジンの単体重量は約400g。実物同様の樹脂製アウターケースにアルミ製タンクユニットを収納する方式で、冬場等には掌(てのひら)でタンクを直接温められるデザインとなっている。アルミタンクの背面には温度計シールが付き、細やかな管理もできる。
●サイガ-12K用スペアマガジン(装弾数45発)価格:5,478円(税込)

オートストップ機構
BB弾が無くなるとマガジンにガスが残っていても最後の空撃ち=カチン! で撃てなくなるリアルな「オートストップ機構」をガスブロAKMから踏襲しているが、これをキャンセルするスイッチはAKMでは銃本体だったものが、SAIGA-12Kではマガジン上部に移された。オートストップ・キャンセル・スイッチを後方にスライドさせるとBB 弾が無い状態でもブローバック作動が楽しめる「空撃ちモード」となる。

フォールディング・ストック
樹脂製フォールディング・ストックでコンパクトに運搬・収納が可能なのも素敵な仕様だ。ヒンジが肉厚・頑丈なので展開時もガッシリ頼もしい。因みに次世代電動ガンAK74MNのものとは仕様が異なる「別モノ」だそうだ。

亜鉛ダイカスト製レシーバー
亜鉛ダイカスト製レシーバーやグリップに刻まれた細かなマークや刻印、プルーフの類もムード満点!
拡張性をもたらす大型のサイドマウントは実用性のみならず、外観上の大きなインパクトにも一役買っている。

サイドロックマウントレイル
●AK74用サイドロックマウントレイル 5,478円(税込)

マイクロダットサイト
マイクロダットサイトとフラッシュライトのタンデム搭載も何とか可能!
●マイクロプロサイト(ブラック)7,480円(税込)
●マイクロライトCQXブラック7,480円(税込)

SAIGA-12K

解説・射撃動画

東京マルイ ガスブローバックショットガン、サイガ-12Kの動画紹介です。
今回はモケイパドックさんとのコラボ動画です。



モケイパドックさんとのコラボ動画はこちら↓

YAS's EYE

マルイのガスブローバックショットガン、サイガ-12K。
迫力のガスブローバックと、3発同時発射によるセミオートショットガンはマルイ初のカテゴリだ。
剛性に優れたボディとAKならではの操作性で、12ゲージ用のドデカいマガジンと、太いアウターバレルが迫力のスタイル。
ブローバックはフルストロークではないものの、硬質感のあるリコイルで夏場の気温ならばガンガンと肩に衝撃が響く。気温23度でのテストでは1マガジン最後のほうだとややリコイルが弱くなってきたが、全弾撃ち尽くしてボルトストップが作動した。
固定ホップアップながら、30m先まで弾がある程度まとまって飛ぶので、マンターゲットであれば、0.2g、0.25g弾でも当てられる。
0.2g弾ではやや浮き気味の弾道、0.25g弾では30m先で30~40cmほど下目に着弾した。
マガジンの装填や、ビーズサイトの狙いにコツがいるが、慣れれば何とかなるかも。
フォールディングストックやサイドマウントレイルベースなど使い勝手や拡張性もある程度あり、ブリンキング、マッチユースからサバゲーまで幅広く運用できそう。とくにCQBでの出会い頭にも強いと思わせる制圧力があるウエポンだ。
是非シリーズ化してもらってベネリやレミントンなどのセミオートショットガンもリリースして欲しいところ。

スペック


全長 666 mm / 908 mm(ストック展開時)
バレル長 300mm (インナーバレル長)
重量 3,140g (マガジン含む)
装弾数 6mmBB弾 45発
定価 54,800円(税抜) / 60,280円(10%税込)
発売日 2023年6月2日
動力 リキッドチャージガス
初速

平均初速:59.222m/s = 0.351J
※HFC134a、東京マルイ 0.2g バイオBB弾使用、気温23.8度、湿度71%にて計測。

トリガープル 899g

パーツリスト1 | パーツリスト2

撮影協力:モケイパドック、アリーナシャングリラ

2023/07/21


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