
東京マルイ M1851ネイビー
東京マルイ エアリボルバープロシリーズの西部劇の銃、M1851ネイビーが新登場! さっそく製品版を手に入れたのでレビュー!!
コルト M1851 NAVYはコルト社を創設したサミュエル・コルトが1851年に開発したパーカッションロック式のシングル アクション リボルバーだ。
前モデルである.44口径のM1848ドラグーンから、.36口径として小型軽量化された。
コルト社がメタルカートリッジ式リボルバーを採用する前なので、パーカッションロック式と呼ばれる雷管と火薬と弾丸を別々に装填する方式を採用している。
シリンダーの前から火薬と鉛の球形弾を6発込め、後部に金色の雷管を取り付けて、これをハンマーで打撃することで火薬に着火していた。
以前にハイパー道楽ではM1848ドラグーンを撃つ動画を公開しているが、構造や装填方法は基本時に同じなので、実銃の射撃方法をぜひチェックしてみて欲しい。
現在のリボルバーとは大きく異なり、とても時間のかかる装填方法だが、その手間が趣味としては実に楽しいひとときなのだ。西部劇ごっこでもパーカッションリボルバーを愛用するガンマンは多い。
そして、このM1851ネイビーはパーカッションリボルバーの中でも屈指の人気モデルといっても過言ではない。それをなんとあの東京マルイがモデルアップ!!
グロックとARの売れ筋バリエーションばかりでうんざり...みたいなことを言われがちなマルイだが、完全新規のM1851ネイビーはエアガンとしては初モデルアップという快挙!!
弾の出る51ネイビーがついに手にできる時代が来たのだ!! やっほーい!
ウォーカーやドラグーンに比べて大きすぎない程よいサイズ感の51ネイビー。箱から取り出して手にした感触としてはSAAと同じくらいの重量450gながら、金属製のローディングレバーで前重心と言うこともあり、意外と重さを感じた。
バレルやフレームはもちろん樹脂製だが、内部フレームには金属を採用しコッキング時の歪みを解消している。アルミ製インナーバレルは34mmほど奥まったところある。
7.5インチ長の角ばった八角断面のオクタゴンバレルに、スパッと断ち切られたかのようなマズル。真鍮削り出しのフロントサイトや、金属製ローディングレバーも再現されている。
ローディングレバーは実際に可動し、BB弾のロードに使用できる。手で弾込めすることもできるが、ここをライブとしているところはアクションを重視するモデルガンユーザーにも魅力的に映るのではないだろうか。
可変ホップアップダイヤルはバレルの下にあり、普段はローディングレバーで隠されている。
弾の重量は0.12g~0.2g弾まで対応する。指で動かせるかと思ったが、奥まっていて難しいので付属の調整ツールを使用して回した。
バレル上面のサミュエル・コルトの刻印。
シリンダーはパーカッションリボルバーならではの形状。表面にはレーザー刻印で1843年の『カンペチェの戦い』でテキサス海軍の勝利の記念とされる帆船が再現される。これがネイビーモデルと呼ばれる所以だ。
1836年にアラモ砦の攻防の末にメキシコから独立を果たしたテキサス共和国は、1845年にアメリカ合衆国に併合、米墨戦争(1846-48)、そして南北戦争(1861-65)とアメリカ激動の時代に生まれた銃、それがこのM1851ネイビーだ。
シリンダーとフレーム左にはCOLTS PATENTの刻印がある。またトリガー上のネジはSAA同様、押し込むことでトリガーロックされるエアガン独自のマニュアルセーフティとなっている。
パッケージにはパーカッションキャップを模した真鍮製のダミーキャップが6つ、予備2つが付属。これをシリンダーに取り付けることができる。取り付けなくても撃てるし、小さいパーツなので取り付けるには慣れが必要だが、その手間がまた良いわけだ。最初から接着しておくこともできたのだろうが、あえての演出なのだろう。
ハンマーをハーフコックにしてシリンダーをフリーにし、側面から雷管を取り付ける。フレーム右側にはマルイとASGKの刻印。実銃の装填手順は火薬、弾込めを6回繰り返し、最後に雷管を付けるが、マルイネイビーは雷管はつけっぱなしになりそう。黒いボディと金色のアクセントがカッコいい!
シリンダー前からBB弾を素手で装填する。不器用な人ならBB弾をぽろぽろ落としそうなくらい入れにくいが、これも味わいなのだ! 付属のBB弾は0.12gの銀ダン用。グレーカラーが鉛球のようにも見える。屋外で撃つ際にはバイオBB弾で。フォーシングコーン部は可動式でシリンダーに密着する。このためか、ハンマーコック時にゴリッとした感触がある。
グリップは木目調のプラグリップだが、塗装の質感がとてもリアル。ただ、エアポンプシリンダーが入る都合上、少し大きめ。
ハンマーもSAA同様の強化ナイロン樹脂製でパーカライズドカラー。ハンマーをコックしたときに先端のV字カットがリアサイトになる。
ハーフコックからバレル基部のバレルウェッジを引けばバレルが前に引き抜ける。そしてシリンダーも取り外せるという実銃同様の分解方法!! 凄い!。また、スペアシリンダーも発売しているので、ドラマや映画の主人公のようにシリンダーチェンジしながらの連続射撃もカッコいい! 一度はやってみたい。
グリップ内のエアポンプから圧縮空気をシリンダー軸内に導いて、軸上中央の小さい穴からシリンダー内に流し、BB弾を発射する機構になっている。
初速は付属の0.12g弾で平均45.4m/s=0.124J。0.2gホップ最大で平均27m/s=0.08J程度だが、命中精度はなかなかよく、0.2g弾にて距離8mの室内で撃ったところA4用紙には全弾当てられる。というか、弾道は何ら問題ないのだが、サイトがものすごく簡易なので、SAAもそうだが、狙いが定めにくい印象はある。トリガープルは500gほどで、シングルアクションということもあり、とても撃ちやすい。
屋外ならば、ふわーっとした弾道を見ながら15m先くらいまでの人物代なら当てられそうだ。
付属のホップアップ調整ツール。ヘラの先でホップダイヤル操作するほか、シリンダーのずれを直したりするのにも使用する。
シリンダーは固定される内部ユニットと、回転する外側パーツの二重構造になっている。
組立時にはシリンダーの向きがあり、前面に記載されている三角矢印を軸側のラインとあわせて差し込む。また、プライマーキャップは一度奥まで取り付けると取り外すのに苦労する。付属のホップツールや薄いヘラを根元に差し込んで取り外す形だが、つけっぱなしが楽だ。なおプライマーキャップ穴はもちろん貫通していないダミー。
SAA.45 キャバルリーカスタムと並べてみる。こうやって比べるとキャバルリーがモダンに見える。
SAA用のホルスターにも難なく入った。
パッケージは木目調!! 実際に手にするとざらざらと質感があり、焼印を押したようなマルイロゴとモデル名が中央に入る。価格は24,800円(税別)と10歳以上対象ハンドガンとしてはかなりお高め。まあ、マルイの広報曰く「SAAシリーズはパワーは10禁ですが、実際買っているのは大人です。」ということなので、本モデルも言わずもがなである。
パッケージサイズは38.5cm x 18.5cm x 6.5cmでSAAシリーズと同寸。
箱をオープンすると敷き布に収められた51ネイビーが登場。パッケージ内容は本体、パーカッションキャップ6個+予備2個、保護キャップ、ホップアップ調節ツール、クリーニングロッドとBB弾少々、取説類となっている。
170年以上も前の銃がこうやって最新のエアガンで楽しめるなんて、もう感無量。
エアガンとして非常によく考えられた構造で、アクションや分解方法も楽しく、部屋で撃っても、西部劇ごっこのサバゲーでも使える超おすすめアイテム。
M1851ネイビー自体はこれが完成形で、バリエーション展開はないと思うが、東京マルイにはぜひ西部劇の長物、ウィンチェスターのレバーアクションライフルをモデルアップして欲しいところだ。
銃のロック方式豆知識
7世紀ごろに火薬が発明され、1400年頃には金属弾を発射する銃が生まれた。
銃の火薬にどうやって点火するのかという仕組みも時代とともに進化し、大きく3つに分けられる。
最初の点火方式は『マッチロック』。日本語だと火縄式と呼ばれる。その名の通り、火縄、つまり導火線に火をつけてチリチリと常に火が付いている状態を作り、この火縄を固定している火挟みが引き金を引くと落ちて火皿の火薬に点火し、銃身内部の火薬が燃焼するという仕組みだ。
時代が進み、1600年代になると『フリントロック』という点火方式に進化した。
火打ち石を使用して、引き金を引いて当たり金に擦り、火花を発生させ火皿の火薬に点火する方式だ。
火縄銃と違って常時火を付けなくても良くなったので、雨天にも強くなり、隠密性も高まった。
1800年代になると『パーカッションロック』が登場する。
雷汞と呼ばれる起爆剤を真鍮のキャップに収め、これを撃鉄で打撃することで発火する仕組みだ。
また、トリガーを引いてからハンマーが落ち、点火されるまでの時間をロックタイムと呼んでいるが、マッチロックやフリントロックに比べてこのロックタイムが格段に速くなったことで、扱いやすさに加えて命中精度も上がった。
スペック
全長 | 339mm |
重量 | 450g |
銃身長 | 110mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 6発 |
定価 | 24,800円(税別) |
発売日 | 2025年1月23日 |
初速 | 平均:26.98m/s エネルギー:0.79J ※気温21度、湿度26%、東京マルイ0.2g弾使用、6発での計測、ホップアップ適正、ACETECH AC6000 MKIII BTにて測定。 |
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