S&T 電動ガン T21 Pro Version カービンタイプ

イスラエルが生んだブルパップ型ライフル
実銃のタボール21はイスラエルが開発した5.56mm×45弾を使用するアサルトライフル。製造はIMI社が担当する。イスラエル軍と言えばメルカバ戦車など独特の兵器デザインで有名だ。また銃器では大型拳銃のデザートイーグルやUZIサブマシンガンなどエポックメイキングな兵器開発でも知られる。
タボール21アサルトライフルの特徴は機関部をグリップ後方にレイアウトした”ブルパップ”と呼ばれるデザインだ。ブルパップ型ライフルの特徴としては全長をコンパクトにしつつも銃身を長く取れるというメリットが挙げられる。
作動方式はガス圧利用式、ターンボルト式のロッキングメカニズムを備える。レシーバー全体に強化樹脂を使用した先進的な最新型の軍用アサルトライフルで、イスラエル軍では2006年から配備が開始された。


写真はグアム ワールドガン所有の実銃のタボール。樹脂製レシーバー特有のこもったような射撃音とブルパップならではのリコイルの少なさもあってとても撃ちやすい銃だった。

タボールを電動ブローバックで再現

香港のS&Tアーマメント社がこのタボール21を電動ガンのT21としてモデルアップ。
全体はタボールの樹脂製レシーバーを高強度ABS樹脂にてリアルに再現している。
S&TのT21はいくつかバリエーションがあるが、今回紹介するのは電動ブローバック機能を備えた Proバージョン。ショートバレルのカービンモデルとロングバレルのスタンダードモデルの2種類がラインアップ。
今回レビューするカービンモデルでもインナーバレル長は415mmとコンパクトな全長からは想像できないほどの長さを誇る。

近未来的なデザインのフロントセクション。折り畳み式のフロントサイトを装備。


レシーバートップにはドットサイトなどの光学照準器を搭載可能なマウントレールがあり、またハンドガード右上にはウエポンライトなどを搭載できるオプションマウントレールも備える。
リアサイトもフロント同様に折り畳み式のフリップアップサイト。リアサイト後方の実銃ではナイトビジョン搭載用のコネクタも再現。


バッテリーはハンドガードのボタンを押して前方へ引き抜き、フロント部分の内部に内に接続する。

グリップガード付きのグリップはレシーバー一体の樹脂製。握り心地も細身で手に馴染む。

セミ/フル切り替えのセレクターは片側操作ながら、右利きならば親指で簡単に操作でき、レシーバー反対側のインジケーターも連動して可動する。マガジン脱着はマガジンハウジング前面のレバーで操作し、全体的に左右両利きに対応した設計となっている。


メカボックスが収まるレシーバー兼ストック部分。ストック下部のリリースボタンでダミーボルトと、メカボックス内のピストンを前進させられる。

コッキングハンドルを引けば連動してダミーボルトが後退しロック。可変ホップアップ調節ダイアルにアクセス。
ストック真下のリリースボタンを押すことでダミーボルトを前進させることができ、またこの操作で後退して止まったメカボックス内のピストンを前進させ、スプリングテンションを解放する機能も備えるなど、細かい使い勝手にも配慮された設計となっている。もちろんダミーボルト後退ロック時にはダイヤル式の可変ホップアップの調節も行いやすい。


カラーはブラック、フラットダークアース(FDE)の2色で展開。好みにに合わせてカラーを選べるのは嬉しいところだ。

コンパクトな全長で特にインドアフィールドではその真価を発揮するだろう。

メカボックスは後方にレイアウトされたレシーバー兼ストック内に収まる。ユニットと連動して発射時に金属製ダミーボルトが激しく前後する電動ブローバック機構を備える。この効果もあって非常に撃ち心地の良い金属的な射撃音を響かせる。初速も90m/s強と十分なパワー。

バキン、バキンッ!!　激しい音を響かせてダミーボルトが前後する。


マガジンは300連のゼンマイ巻上げ式多弾マガジンが付属。このマガジンは一般的なM4/M16系スタンダード電動ガンと互換性がある。
射撃感は電動ブローバックということもあって、射撃に連動してダミーボルトが前後にガツガツと激しく動き、その金属音と相まって撃っている感は高まる。初速も90m/s強と十分だし、弾道性能もゲームに使える程度に直進性、安定感はある。イスラエル軍最新の近未来的なフォルムも魅力的。

世界のミリタリー・トイガン・カタログ2013~2014 (Gakken Mook)
※本レビューはGakken Mookに掲載されたものを再編集して掲載しています。