映画『HEAT(ヒート)』の登場銃器

アクション映画史に残る傑作として今もなお語り継がれる『ヒート』の銃撃シーン。
アサルトライフルのフルオート射撃音がビル街に響き渡り、手に汗握り、瞬きさえもままならない非常にスリリングでスピーディな展開。

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ、二人の名優が共演するマイケル・マン監督のサスペンス・アクション『ヒート』(1995年公開)の登場銃器を解説しよう。

デ・ニーロが演じるのは犯罪チームのリーダー、ニール・マッコーリー。知的で用心深く、そして孤独な人生を送るストイックなプロフェッショナル。物語中盤の銀行強盗シーンでは仲間のクリス・シヘリス(ヴァル・キルマー)と共にコルト M733を使用する。

11.5インチバレルのバードケージフラッシュハイダーから豪快なマズルフラッシュが輝く。

応戦するロス警察に撃たれたクリスを抱えて逃走を図るニール。
さらに銀行から奪った札束入りの大きなバッグを抱えて、腰だめでの射撃。

このシーンのフルオート射撃がなんといっても激しく、それぞれがサポートし合って統率の取れた動きをする。

IMI Galil ARM　マイケル・チェリト
犯罪チームの一員、マイケル・チェリト役のトム・サイズモア。彼は『プライベート・ライアン』(1998)や『ブラックホーク・ダウン』(2001)にもタフな兵士役で出演し、軍人俳優というイメージが強い。
彼が使用するのがIMI Galil ARM。イスラエル製の5.56mm×45弾を使用するアサルトライフル。
ちなみにマネーロンダリングで稼ぐ裏組織のボス、ヴァン・ザント役を、これまた『ブラックホーク・ダウン』でサンダーソン軍曹役のウィリアム・フィクトナーが演じている。

FN FNC-80 ニールら犯罪チームを追うロサンゼルス市警のヴィンセント・ハナ刑事(アル・パチーノ)。
銀行襲撃時、ニール達と対峙する際に使用するのがFN FNC。ベルギー製の5.56mm×45弾を使用するアサルトライフル。

仕事に憑りつかれたと自ら言うほどのハナ刑事。家に居つかないことから家族とうまくいってない。ヴィンセント刑事に限らず、ニールやクリスの家族も含めた人間ドラマも必見だ。

なお、ヴィンセントの娘役を『レオン』(1994)でマチルダ役を演じたナタリー・ポートマンが演じている。

ロス市警の警官はベレッタM92FSの拳銃や、レミントンM870、モスバーグ500/590ショットガンなどの定番銃器を使用する。

コルトオフィサーズACP
またヴィンセント刑事の使用するピストルは.45口径のコルトオフィサーズACP。アイボリーグリップが付いていてカッコいい。
レストランでコーヒーを飲みながらニールとヴィンセント刑事が話をするシーンがある。
「おれはヤマを踏むプロ。あんたはそれを阻止するプロ。」ニールの印象的なセリフ。
二人はそれぞれの抱える孤独のうちに、奇妙な共感を覚える。

H&K HK91A2 別のヤマではクリスはH&K HK91を使用する。いわゆるドイツの軍用狙撃ライフルG3SG/1の民間バージョンだ。

屋根上で狙撃ポジションにつき、バイポッドを装着しニールをサポートする。
弾薬は強力な7.62mm×51弾。これで走り去る車のフロントガラスをぶち抜く。
このシーンでは敵役の暗殺者がステアーTMPを使用するのも面白い。
この銃撃戦でマイケルが使用するのが、ベネリのM3スーパー90ショットガン。
セミオートとポンプアクションを切り替えられるが、このシーンではポンプアクションを駆使して至近距離から走り去る車のドライバーを撃つ。
大粒のバックショットは車のボディやウインドウに大きな穴をあける。

ニールが使用する拳銃はSIG P220。9mm口径もあるが、ニールは.45ACP弾バージョンを使用するようだ。空港ホテルや、最後の空港での対決シーンで登場する。

実銃のSIG P220 9mm版。

『ヒート』20周年記念ブルーレイ発売!!

1990年代のアクション映画の傑作とされている『ヒート』の20周年記念ブルーレイが2017年3月3日にリリースされる。
冷徹無比の犯罪組織のボスと鬼刑事の運命的な対決を描いた、骨太のサスペンス・アクション。リアリティー感あふれるアクション描写に定評のあるマイケル・マン監督が1995年に発表したアクションムービー。
犯罪のプロ、ニール・マッコーリー（ロバート・デ・ニーロ）と彼の率いる犯罪チームを追いかけるヴィンセント・ハナ刑事（アル・パチーノ）、ハリウッドを代表する2大スターの初共演。12分間に及ぶ大銃撃戦の迫力などが見どころ。

新規追加特典として、製作20周年記念版のデジタルリマスターをマイケル・マン監督自身が監修！！
以前のリリースよりもアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、ヴァル・キルマーほか、豪華キャストの顔やアクションシーンが更に鮮明に写っている！

他にも製作20周年記念として、2016年9月にサミュエル・ゴールドウィン・シアターで行われた、米映画芸術科学アカデミー主催の『ヒート』キャスト・スタッフによるパネルディスカッションを収録！
ホストを務めるのはクリストファー・ノーラン監督。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、マイケル・マン監督らキャスト・スタッフを迎えて当時を振り返る。そして2015年9月、トロント国際映画祭の『ヒート』の試写会で行われた、マイケル・マン監督によるパネルディスカッションも収録！
また、吹替は劇場版だけでなく、テレビ朝日「日曜洋画劇場」版日本語吹替音声を初収録している。

『ヒート』（原題：Heat）
製作20周年記念版＜2枚組＞ 2017年3月3日発売
〈キャスト&スタッフ〉
アル・パチーノ（菅生隆之）、ロバート・デ・ニーロ（津嘉山正種）、ヴァル・キルマー（山路和弘）
監督：マイケル・マン／製作：マイケル・マン、アート・リンソン
●字幕翻訳：戸田奈津子　●吹替翻訳：平田勝茂（テレビ朝日版）／日笠千晶（ソフト版）
発売元：２０世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
(C)2017　Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ヒート製作20周年記念版(2枚組) [Blu-ray]

2017/02/26

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