マルシン U.S.N.9mm M9 ドルフィン エレクトリック・ドライブ・システム
写真&解説 YAS
解説
以前本コーナーで紹介したマルシンのM92 E.D.S.(エレクトリック・ドライブ・システム)に続き、今回はそのバリエーションモデルである「U.S.N.9mm M9 ドルフィン」を紹介する。
ドルフィンは、M92Fをベースに強化スライドを搭載したマルシンのオリジナルモデルで、フルオート射撃が可能な点が特徴だ。米軍制式採用当初に強度不足が指摘されていたスライドを、米フロビス社のカスタムスライドをモチーフに再設計したマシンピストルだ。
E.D.S.は1993年に登場した世界初の電動ハンドガンで、東京マルイの電動グロックよりも10年以上早い発売だったことは特筆すべきだろう。
バッテリーは外付け式で、ベースモデルのM92Fではレーザーエイミングモジュールのような大型アンダーマウントに収納されていた。一方、ドルフィンではロングマガジンが標準装備となり、エクステンション部にバッテリーを内蔵する方式へと変更されている。
しかし、マガジン交換のたびにバッテリーも同時に取り外す必要があり、長物電動ガンほどの扱いやすさは得られなかった。また、射撃フィールもガスブローバックハンドガンには及ばず、結果として立ち位置の曖昧な存在となり、短命に終わってしまったが、ドルフィンはモデルガンとして現在もマルシンから発売されている。

ベレッタM92Fのロングマガジン仕様というのはマシンピストルのドルフィンにピッタリのイメージだ。

ただ、やはり、バッテリー収納の都合上、これでもかというくらい太く存在感のあるエクステンションだ。

本個体ではドルフィンをアンダーマウントバッテリーへと変更されている。そのため、グリップ下からコネクタが飛び出すようになっていた。

フロント側にバッテリーがあるとかなり重量感と威圧感はアップする。インナーバレルにはNEWスーパーソニックバレルと呼ばれる固定ホップアップ機構が搭載されている。

ドルフィン独特の強化スライド。エジェクションポート側面が厚くなっている。

マニュアルセーフティはアンビでしっかり機能する。ハンマーはコックされないが可動する。

バッテリーマウントからバッテリーを取り外した状態。ニッカドバッテリーは7.2V 600mAhで重量は167gもある。

グリップパネルを取り外すとロストワックス製ギアを採用した電動ユニットが少し見える。ドルフィンE.D.S.の電動ユニットはフルオート射撃のみだ。

ロングマガジンにはエクステンション部にニッカドバッテリーが内蔵されている。コネクターは専用の固定式なので、マガジン装填と共にコネクタも接続される。マガジン装弾数は30発。

パッケージはマルーンカラー。ASGKの認定シールが側面に貼られている。

コードレスとなってスッキリした取り扱い説明書となった。取説.pdf
(1.8MB)
DATA
| 発売年 | 1993年12月 (バッテリーマウント付モデル) 1994年春 (ベーシックセット) 1996年春 (U.S.N.M9ドルフィン) |
| 発売時価格 | ¥18,800 (バッテリーマウント付モデル) ¥9,800 (レーザーサイト T-1) ¥14,800 (ベーシックセット) ¥14,800 (U.S.N.M9ドルフィン) |
| 全長 | 実測 225mm |
| 重量 | 実測 904g アンダーマウントバッテリー、エクステンドマガジンバッテリー含む |
| バレル長 | -mm |
| 発射方式 | 電動エアコッキング |
| 使用弾 | 6mmBB弾 |
| 装弾数 | 30発 |
| 平均初速 | -m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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