
ニーパッド ― サバゲーで膝を守る装備の実力と選び方
サバゲー装備を整える際、「ニーパッド」は後回しにされがちな存在だ。けれど実は、これこそが快適で積極的なプレイを支える“縁の下の力持ち”とも言える装備だ。
特に屋外フィールドやCQBエリアでは、ダッシュして伏せ、バリケードの影で膝をつくといった動作が頻発する。そんなとき、素膝のままでは地面の硬さやBB弾などの突起物に悶絶することも珍しくない。ニーパッドがあれば、膝を気にせず大胆に動ける。つまり、「安全性+攻撃性」を高める装備なのだ。
膝をつく場面が多い方や、万が一の怪我に備えたい方にとっては、特にその恩恵を実感しやすいはず。
今回は筆者が新しく購入したARC'TERYX LEAFのサバゲーでの使用感と、これまで使ってきたニーパッドを含めて、その実力を紹介しよう。
膝は予想以上に酷使されている
- コンクリや砕石に膝をついて激痛…
- ぬかるみで衣服が泥だらけに…
- 長時間の姿勢維持で膝に鈍痛…
サバゲーでは思った以上に膝を酷使している。ニーパッドはそれらの負担を吸収・分散し、怪我の予防だけでなく「膝を気にせず動ける自由」をもたらしてくれる。
特に初心者のうちは、戦場の高低差や地面の状態を読む余裕がないぶん、ニーパッドのありがたみを強く感じやすい。また上級者であっても、膝をつく地面の状況に気を取られることなく、警戒と射撃までを短縮できる。
実戦で使えるニーパッド:主流の製品を紹介
現在、サバゲーで信頼されている主流のニーパッドは大きく3タイプに分かれる。それぞれ特長が異なるため、自分のスタイルや好みに合わせて選ぶと良い。
1. 外付け型ニーパッド(ベルト固定式)
もっとも広く使われているスタンダードタイプ。服の上から膝に直接巻き付けて固定するスタイルで、装着も簡単。プロテクション性能が高く、外観的にも“戦闘感”がある。
■ ARC'TERYX LEAF
カナダのアークテリクスが軍・法執行機関向けに展開するLEAFシリーズのニーパッド。軽量・薄型で通気性に優れ、スムーズな動作を妨げない設計が特徴。高価格帯だが、軽いのでズレにくく、想像以上に動きやすく感じた。
装備メーカーのNowell Strategicさんも使っていて、強いおススメもあり今回購入してみた。実物の価格は13,000円程度となかなかのお値段。
サイズは縦約21cm x 横約14cm、重量は片側113g。
裏側は細かい凸凹テクスチャとなっていてズレにくい。バンドは上側が伸縮性、下が非伸縮性の素材。
ベルトクリップは樹脂製でカチッと確実にロック。仮にたるんだとしても外れにくい構造だ。
LEAFの良いところは軽い点。とても軽量なパッドと硬質プロテクターの組み合わせで、膝を曲げても脚部に追従してくれる形状だ。
フラットなプロテクターとパッドなのでコンクリートや板床など、固い場所でもグラつきにくい。また拭き掃除も簡単。
■HATCH XTAK400
HATCHは、米老舗装備メーカー、サファリランド社が展開する、主に米軍や法執行機関向けの高機能装備ブランド。
X型の硬質プロテクター構造が膝にフィットし、通気性と柔軟性のバランスに優れる。実物でも6000円前後とコスパが良く、耐久性も高いためサバゲーでも定番の選択肢。裏面は通気性のよいCoolMax素材で、中央には滑り止め素材が縫い付けられている。ベルトフックをスタッドに引っ掛けるタイプで、ベルトはベルクロで調整できる。安価なレプリカ品も多く出回っている。
写真は筆者がこれまで長らく(17年!)使用し続けていたニーパッドなので、ベルトがもうクタクタw
サイズは縦約19cm x 横約15cm、重量は片側156g。
■ ALTA AltaFLEX
広範囲をしっかりと保護する大きめのデザインが特徴の、アメリカの装備メーカーALTA Industriesのニーパッド。その信頼性の高さから、軍・法執行機関でも長年愛され続ける定番モデル。
写真は筆者が一番最初に買ったニーパッドで、SWATやブラックホークダウンなどのコスプレにも便利。現行モデルはハトメがプロテクター同色となり、ロック機構も刷新されている。今回紹介するなかでは一番重いので、走った際にややズレやすいが、ベルトをきつく締めるなどでカバーできる。実物でも4000~7000円程度で入手可能。
サイズは縦約24cm x 横約16cm、重量は片側220g。
2. パンツ内蔵型(Crye Precisionスタイル)
パンツ自体にニーパッドが組み込めるスタイルで、フィット感とスマートさに優れる。
■ CRYE Precisionタイプ
MultiCam迷彩を開発した米CRYE Precision社のG3/G4コンバットパンツなどに代表される、膝部分に専用ニーパッドを内蔵できる構造。見た目もスマート。内蔵型ながら硬質プロテクターと衝撃吸収パッドの組み合わせで保護性能も高い。
パンツ一体なので軽くてズレずに便利だが、洗濯する際の付け外しがやや面倒で、パッドポケットへの装着しにくさや、膝位置が合わないなどの個人差もある。CRYE製の実物は3~5万円程度と高価で国内ではあまり流通しておらず、コンバットパンツとセットになった1万円以下のレプリカ品が主流。
パッドの重量は片側68g。
3. 目立たせたくない人向け:インナー装着型
ミリタリー感を控えめにしたい人や、普段着寄りの装備スタイルが好みの人には、ズボンの下に着用できる薄型インナーニーパッドも選択肢として有効だ。
- 膝に直接装着するタイプ(伸縮バンド式やスリーブ式)
- 登山・スポーツ用の軽量ソフトパッドなど
これらは動きやすさや目立たなさに特化しており、「いかにも軍装っぽいのはちょっと…」という層にマッチする。強い衝撃に対する防護力は劣るが、軽量かつ快適な着け心地で、一日中プレイする日にも向いている。> スポーツ用のニーパッドをAmazonでチェックしてみる
どれを選ぶべき?
ニーパッドは基本的にどのタイプも一定の防護性能を備えており、サバゲーでの使用に十分耐えるクオリティを持っている。だからこそ選ぶ際に重視すべきは、自分のプレースタイル、装備全体の雰囲気、そして予算感だ。
結局のところ、ニーパッドは「どれが最強」ではなく、「どれが自分に合うか」。ハードに突っ込む前線型なのか、スマートに動く中間支援型なのか、あるいは装備の雰囲気や再現度を大事にしたいのか――あなたのスタイルにフィットする1枚を選ぶのがおすすめ。黒、OD、FDEなど、カラーリングも重要な要素で、ウェアに合わせた色を選べば装備に一体感が出て、見た目の完成度もグッと高まる。
モデル名 | タイプ | サイズ(縦×横) | 重量(片側) | 特徴・おすすめスタイル |
---|---|---|---|---|
ARC'TERYX LEAF | 外付け型(ベルト固定式) | 21cm × 14cm | 113g | 軽量・薄型でズレにくく、高性能。CQB〜野外問わず動き重視の上級者に◎。スピード重視の前衛型向け。 >Amazonで確認 |
HATCH XTAK400 | 外付け型(ベルト固定式) | 19cm × 15cm | 156g | 通気性・柔軟性・コスパ良好。初心者~中級者におすすめ。汎用性高く、屋内外両対応。 >Amazonで確認 |
ALTA AltaFLEX | 外付け型(ベルト固定式) | 24cm × 16cm | 220g | 大型・高耐久でハードな地面向き。ミリタリー感重視のコスプレ装備や、伏せ主体の守備型プレイヤーに。 >Amazonで確認 |
CRYE Precisionタイプ | パンツ内蔵型 | ※パンツに内蔵 | 68g | スマートでズレない。軽装・中距離支援型やリアル系装備派、女性プレイヤーにもおすすめ。 >Amazonで確認 |
インナー装着型 | インナー(スリーブ・バンド式) | ※モデルにより異なる | 軽量(~70g程度) | スポーツ寄り・普段着風スタイル向け。目立ちたくない人、軽快な移動重視型、一日中プレイする人に。 >Amazonで確認 |
近年は実物と酷似したレプリカ品も多く出回っており、価格重視で選びたい人にとっては魅力的な選択肢だ。ただし、見た目こそ似ていても、素材の強度やフィット感、耐久性は本物に及ばないことが多く、使用シーンによっては注意が必要だ。
まとめ:ニーパッドは“攻め”の装備
ニーパッドは単なる保護具ではなく、「より自由に、より積極的に」サバゲーを楽しむための装備。痛みを恐れて動けない、というストレスから解放されることで、戦術にも自信が生まれる。
地味に見えて、効果は絶大。だからこそ、見た目や予算だけでなく、プレイスタイルやフィールド環境をしっかり見極めて、自分に合った一品を選んでほしい。
“攻める”気持ちに応えるニーパッドは、今日も膝元であなたを支えてくれている。
※ニーパッドは怪我のリスクを軽減するものであり、完全に防ぐものではありません。安全には十分配慮してサバゲーをお楽しみください。また、価格は2025年4月末時点のネット販売価格相場を参考にしています。販売価格は変動する場合があります。
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