モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史 1980~90年代

編集 STGA事務局長 斎藤 紘(元MGC社長)

1950~70年代 | 1980~90年代 | 2000~2010年代

西 暦 モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史

1980年
(昭和55年)

<MGC創業20周年・第10回モデルガンショー>
MGCは、東京後楽園の第一展示場で創業20周年を記念した「第10回モデルガンショー」を開催。会場では、モデルガン&ミリタリーとウエスタングッズ及び記念カスタムガンを販売。全国から大勢のモデルガンファンで賑わう。

<銃の専門雑誌コンバットマガジン>
ワールドフォトプレスは、銃の専門雑誌「月刊コンバットマガジン」を創刊。ガン&ミリタリーとトイガンを紹介。

<東京地裁・モデルガン組合関係書類提出>
モデルガン組合は、おもちゃ狩り裁判資料として、金属製モデルガンに関連した組合関係書類を東京地裁に提出。

<おもちゃ狩り裁判・斎藤元事務局長証人出廷>
モデルガン組合の斎藤元事務局長は、東京地裁の「おもちゃ狩り裁判」法廷に10月と12月の2回、原告側証人として出廷。組合事務局に在職当時、警察庁と折衝の当事者としてモデルガン自主安全基準の策定に係る詳細なる経緯について原告人及び被告人審問で証言する。

<金属製モデルガン>
マルシン工業は、拳銃型でレシーバータイプの44オートマグナムを販売。

<プラスチック製モデルガン>
MGCは、拳銃型で5世代目のコルト・GM5キャップBLK(オープンデトネーター式)を販売。本製品は、業界初のショートリコイルを再現した作動式からMGCガバメントで最大のヒット商品となる。
マルシン工業は、拳銃型でブローニングHP/BLK、M39/BLKを販売。

<6mmBB弾使用エアガン>
丸前商店は、日本初のエアコッキング式マークスマン・コルトGM(モナカ式単発銃)を販売。本製品は、業界初の6mmBB弾(球状の弾)を採用。

<エアガン>
ファルコントーイは、長銃型でMP5/SDシリーズ、増田屋は、ミミマット10、丸前商店は、レミントンRS31を販売。

1981年
(昭和56年)

<エアガン製造業者・自主規制団体組織>
東京・蔵前筋のエアガン(玩具空気銃)製造業者7社(丸前商店、タカトク、マツシロ、増田屋、ヨネザワ、ファルコントーイ、啓平社)は、自主規制団体の「エアソフトガン協議会(代表、丸前商店前田社長)」を組織。自主規制の制定に関して6mmBB弾の威力基準に運動エネルギー値「ジュール(以下J)」を採用。

<金属製モデルガン>
警察庁は、製造元ハドソン産業の金属製モデルガンVz61スコーピオンBLKは、短銃(黄色)か長銃(黒色)かで解釈が分かれていたが、長銃型と判明し、黒色で販売する事ができて話題となった。

<プラスチック製モデルガン>
MGCは、長銃型で猟銃タイプのレミントンM31Rショットガン(チャンバーレス)を販売。本製品は、薬室を持たない玩具独特の機構。テレビで人気の刑事ドラマ「西部警察」とのタイアップでヒット商品となる。また、新宿センターブル51階展示場で先行販売(200丁)に3,000人のファンが殺到し話題となる。他には、長銃型でサブマシンガン(SMG)タイプのイングラムM11キャップBLKを販売。本製品は、快調なBLK作動で、僅か1.3秒で32連マガジンが空になるミニ・コンポである。
WAは、拳銃型でワルサーPPK・S/BLK、マルシン工業は、S&W/M439/BLK、を販売。

<エアガン>
増田屋は、エアースポーツ銃でデタチャブルSS-2、SS-3、SS-4、コルト・ウッズマン(6mm鼓弾)を販売。

1982年
(昭和57年)

<モデルガンシューティング用シューターワン>
MGC(小林設計・開発部長)は、モデルガンシューティング用の「シューターワン」を開発。本製品は、モデルガンの発火機能を利用した標的装置でシューティングを可能にしたシステム。

<ジャパン・ビアンキカップ&MGCモデルガンショー>
MGCは、東京・後楽園第一展示場で本格的なシューティングマッチ「ジャパン・ビアンキカップ」を開催。シューターワンを使用した本格的な模擬体験ができる射撃大会。ゲストにシューティング・アドバイザーのイチロー永田(米国ビアンキカップ出場)を迎え、新たな方向性を作り上げてモデルガンファンの注目を集めた。併せて「モデルガンフェスタ」を開催。

<玩具メーカー・アサヒ玩具倒産>
少女・幼児用玩具メーカーのアサヒ玩具は、「アサヒイーグル」のブランドで金属製モデルガンのS.A.A、S&W/M36などを販売していたが倒産。

<プラスチック製モデルガン>
マルシン工業は、拳銃型でブローニングM1910(実銃機構を再現)、国際産業は、ニューS&W/M29を販売。

<エアガン>
丸前商店(以下、マルゼン)は、本格式なエアコッキング式のKG-9サブマシンガン(6mmBB弾)を販売。本製品は、実銃を冠したモデルガン並みにレシーバー部分が鉄製でリアルさを再現し、レピターハンドルを取り付けカートレスに改造したモデルで、サバイバルゲームの主力銃となり、ヒット商品となる。
ファルコントーイは、拳銃型でスマイソン357/4in(エアポンプ内蔵)を販売。

1983年
(昭和58年)

<エアガン安全証紙制度>
エアソフトガン協議会9社(マルゼン、啓平社、ヨネザワ、ファルコントーイ、タカトク、マツシロ、増田屋、サンマイヤー大川、太陽鉄琴研究所)は、「エアガン自主規約要綱」を制定し、銃本体に安全マークを付して、製品箱には安全証紙(安全シール)を貼付する制度を創設。

<イチロー永田・サバイバルゲーム日本に紹介>
イチロー永田氏は、コンバットマガジン誌に米国で盛んな「サバイバルゲーム」を日本に初めて紹介する。従来の撃ち合いごっこを明確なルールを設けた上で、勝敗を争うゲーム。

<サバイバルゲーム大会>
ガンショップ「むげん」主催で、国内初の本格的な「サバイバルゲーム大会」を富士御殿場で開催し200名が参加。

<金属製モデルガン>
ハドソンは、長銃型でステンマークⅡ(ピストンファイヤー・カート式)、マルシン工業は、M16-A1/BLKを販売。

<プラスチック製モデルガン>
WAは、拳銃型でコンバット・コマンダーBLK(MGC/GM5カスタム品)、マルシン工業は、GM/M1911/BLK(ショートリコイル)、モーゼルM712/BLK、ハドソンは、業界初の猟銃型でマドマックス・ダブルバレルショットガンを販売。

<エアガン>
モデルガンメーカーの国際産業は、長銃型でスーパーウエポンのM16-A1を販売してエアガン業界に参入。本製品は、モデルガン用キャップ火薬の爆発力(BLK)でエアガンのシリンダーをコツキングする方式。
マルゼンは、エアコッキング・カート式でミニUZI(マガジンタイプ)を販売。

*マルゼンが新発売したエアコッキング式KG-9以後、BB弾使用のエアガン製品開発が急速に発展してパワーや命中精度も向上し、その実用性の高さが認識され、あっという間に鼓弾を駆逐してモデルガンファンの意識もエアガンに傾いて行き「エアガンが使って楽しむ道具へと変化」していった。

1984年
(昭和59年)

<プラスチック製モデルガン改造事件>
映画俳優のトビー門口氏は、販売目的でプラスチック製回転式モデルガンを不正な改造をして銃刀法違反を犯す(執行猶予4年)。映画、TVで悪役俳優として活躍。またテクニカル・アドバイザー(特殊効果の専門職)としても活躍。

<エアガンメーカー・タカトク倒産>
エアガン(鼓弾)メーカー・タカトクは、破産を宣言して倒産。マツシロも連鎖倒産したが、大手の玩具メーカー・バンダイの資本投入で再建し、社名を「ユニックス」と変更する。

<金属製モデルガン>
タナカは、拳銃型でスプリングフィールドM1893(リアルメカの名品)、国際産業は、S&W/M19を販売。

<プラスチック製モデルガン>
WAは、拳銃型でルガー・セキュリティシックス・シリーズを販売。

<エアガン>
モデルガンメーカーのマルシン工業も拳銃型で押し込みエアコッキング式のワルサーP.38を販売してエアガン業界に参入。
マルゼンは、拳銃型で押し込みエアコッキング式のS&W/M59、ヨネザワは、エアコッキングスプリングバック式コルト・GMカスタム、東京マルイは、エアコッキングスプリングバック式のルガーP.08、ブラックホーク、ファルコントーイは、S&W/M29(エアポンプ内蔵カート式)、クラウンモデルは、コルト・パイソン、エルエスは、長銃型でM16-A1を販売。

*エアガンは、サバイバルゲームが盛んになり、ゲームに有利な威力の強いエアガンが要求されて来た。そのためにパワーアップする「改造ショップ」や「改造パーツ」を販売するショップが横行する。
エアソフトガン協議会は、販売店に対し、パワーアップ用の強化部品の自粛を呼びかけた。

1985年
(昭和60年)

<エアガン用パワーソース・フロンガス使用>
朝日商事は、業界初のエアガン用パワーソースとして「フロンガス」を使用したバトルマスターモデルBM-1を開発。本モデルは、BV式フルオート(自動連射機構)を搭載。

<MGCリキットチャージ式エアガン>
MGCは、世界初のリキットチャージ式拳銃型セミオートガス銃「ベレッタM93R」を販売。本製品は、固定スライドでマガジンにフロンガスを注入して、引金を軽く引くだけで連射できる。

*従来のエアコッキング式銃の座を奪いエアガン史上、空前の大ヒット商品となり以後、50万丁を出荷し、業界に更なる革命を起こした。

<エアガン>
東京マルイは、拳銃型でエアコッキング式のルガーP.08(¥1,900円)という驚異的な低価格で販売。新しいファン層の獲得に大いに寄与すると共にエアガン業界に革命をもたらした製品で、「東京マルイの出世作」として注目を集める。
WAは、長銃型でセミオートガス銃のAR-7スナイパーカスタム(連射式)、JACは、朝日商事のBM-1後継モデルでBM-Ⅱ(ブッシュマスター2)、丸越は、拳銃型で押し込みエアコッキング式のUXスーパー44オートマグ、コルト・GM、クラウンモデルは、エアコッキング式のS&W/M29(エアポンプ内蔵カート式)、マルゼンは、エアコッキング式のSIG/P220、ワルサーP.38を販売。

1986年
(昭和61年)

<モデルガン&エアソフトガン業界団体合併>
モデルガン組合とエアソフトガン協議会が合併して「日本遊戯銃協同組合(以下、ASGK)」発足。エアガン自主規約を制定して「弾の威力基準値・0.4ジュール」と定める。エアガンの弾速測定検査及び構造検査を第三者試験検査機関に依頼する制度を制定。
通産省は、エアガンの自主規約の内容を全国の流通業者に対して周知徹底を図るよう要請。ASGKは、早速、東京と大阪で全国の流通業者を招集して「エアガンの改造防止の内容と銃の適正な使用方法について啓蒙・啓発を行う説明会」を開催。

<エアガンM29事件>
警察庁は、国際産業のプラスチック製エアガンで拳銃型のS&W/M29(蓄圧式カート使用)を銃砲と認定。販売禁止とする。流通業界に早期回収を要請。

<金属製モデルガン>
モデルガンメーカーCMCは、製造部門を廃業。上野アメ横の店舗で小売販売に専念する。保有のモデルガン金型は、タナカ、ハートフォード、アップルの各メーカーに売却。

<エアガン>
丸越は、長銃型エアコッキング式のSS-9000をユニックス(倒産)から引き継ぎ、6mmBB使用のカートレスに改造したUXスーパー9を販売。エアガンの黎明期を支えた名銃が復活した。
東京マルイは、業界初のフロンガス使用のS&W/M59/BLKを販売。本製品は、スプリングの力で遊底が後退し、ガスの力で前進するスプリング式ガスバージョン。
JACは、業界初の長銃型フルオートガス銃でスターリングBM-Ⅱ(リキッドチャージマガジン)、ファルコントーイは、押し込みエアコッキング式のH&K/P9-S(ライブカート)、エルエスは、エアコッキング式のM16ライフル、マルゼンは、レミントン870ウイングマスター、丸越は、拳銃型で44オートマグ、ルガーP.08、コルト・GM、マルゼンは、ベレッタM92F、MGCは、S&W/M459、サンエイは、ブローニングHP、ポイントは、UZIピストル、千代田SSは、マークスマGMコマンド20を販売。

1987年
(昭和62年)

<全日本エアガン射撃大会>
ASGKは、業界初の組合主催で東京と大阪で「全日本トイガン射撃大会」を開催。遊び場を設けてエアガンの適正な使用方法と遊び方を広めるための啓蒙・啓発を行う。

<エアガン>
WAは、業界初の長銃型で電動式のヤティマチックSMGを販売。本製品は、モーターを搭載し、フロンガスと乾電池を使用したフルオート・ハイブリットガン。ファルコントーイは、BV式ガス銃のH&K/MP5(カート式鼓弾使用改良モデル)、MGCは、キャリコM1000(ボンベ直結式)、拳銃型でウイルソンLE、エルエスは、Cz75、タナカは、コルト・パイソン、マルゼンは、44オートマグナム、丸越は、UZIピストル、長銃型でカスタム9(ポンプアクション&ケースレス)、千代田は、ウインチェスター/ウイルディ・スーパーマグナム31、東京マルイは、ウージーSMG、国際産業は、XM177E2、マルシン工業は、ベレッタM84を販売。

1988年
(昭和63年)

<MGCモデルガンショー&ジャパン・ビアンキカップ>
MGCは、1982年~86年まで東京・後楽園第一催事場で開催してきた本大会は、野球場が閉鎖となり今年から、東京・芝に会場を移して8月に「ジャパン・ビアンキカップ」を開催。今大会から新たに「エアガンシューティングマッチとサバイバルゲーム」も加わり、日本最大規模の射撃大会となった。また試射場を設けて銃の適正な使用方法と遊び方の啓蒙・啓発を行う。併せて「トイガンフェスタ」も開催し、全国から大勢のトイガンファンで賑わった。

<ASGKエアガン射撃大会>
ASGKは、東京代々木の国際スポーツフェア(フジ・サンケイグループ主催)に参加。「エアガン射撃大会」を開催。エアガンの適正な使用方法と遊び方を広めるための啓蒙・啓発を行い、需要の拡大を図る。

<プラスチック製モデルガン>
MGCは、拳銃型でホーグ5in/BLK、国際産業は、S&Wチーフスペシャル、ハドソンは、長銃型でM1ガーランドを販売。

<エアガン>
マルシン工業は、長銃型でUZI/SMG/BLK、M1ガーランドBLK(2wayライブカート式)を販売。モデルガンの専売特許であった排莢式というアクションは、ガンマニアを喜ばせた。
国際産業は、長銃型ガス銃でM16を販売。本製品は、セミオートで撃てるスナイパーライフルでサバイバルゲームのフィールドで猛威を振るう。
MGCは、拳銃型ガス銃でM93Rオート9(固定スライド)を販売。本製品は、映画「ロボコップ」で使われた大型拳銃を製品化しヒットする。
フジミ模型は、拳銃型でBV式ガス銃のモーゼルM712、ファルコントーイは、ブレンテンガスBLK、WAは、ワルサーMPL、長銃型でイングラムMAC10(外部ガスタンク式)、朝日商事は、FN/FNCガス銃(3バーストメカ搭載)、千代田SSは、タイガー23、丸越は、ミニUZIスペシャル、エルエスは、AK47ガスライフル、ヨネザワは、S&W/M16エスコート、トイテックは、PV式ガス銃でキャリコM1000(自動連射機構)販売。

1989年
(昭和64年)
(平成元年)

<銃の専門雑誌アームズマガジン>
ホビージャパン社は、銃の専門雑誌「月刊アームズマガジン」を創刊。
ガン&ミリタリーとトイガンを紹介する。

<東京おもちゃショー>
ASGKは、千葉県幕張メッセで開催の東京おもちゃショー(日本玩具協会主催)に業界初の組合合同ブースに組合員有志19社が出展参加。トイガン業界最大規の見本市となる。会場には新製品を展示発表して需要の拡大を図り、新しい顧客の獲得に期待する。

<金属製モデルガン>
国際産業は、拳銃型でS&W/M19を販売。

<エアガン>
タナカは、拳銃型でコルト・GMガスBLK(2way式ケースレス)、コルト・S.A.A(ガスチャンバー内蔵)、ポイントは、ワルサーPPKガスBLK(2way方式)、マルゼンは、ワルサーPPK/SガスBLK、丸越は、ワルサーP5、WAは、コルト・ゴールドカップ、マルシン工業は、コルト・S.A.A(ガスチャンバー内蔵)を販売。
マルシン工業は、拳銃型でコルトGMガスBLK(ライブカート式)、Cz75ガスBLK(ライブカート式)を販売。本製品は、BB弾の発射と同時に遊底が後退しCARTが排莢する機構が搭載。
MGCは、自社初の長銃型電動式ガス銃でH&K/MK5-A4、マルゼンは、フルオートガス銃のブラックステアーAUG-SA(外部ソース)を販売。
朝日商事は、レミントンM40-A1(カート内蔵式)を販売。後に銃砲と認定される。流通業界に早期回収を要請。

*エアガンは、フルオートガス銃が全盛となり、殆どのゲーマーの標準装備となった。ガス銃の開発によって広げられたこの世界は、セミ&フルオートだけではなく、ファンの夢であった「ガスBLK機構が復活」した。

1990年
(平成02年)

<トイガン流通卸売業者・団体結成>
全国でトイガンを取り扱う流通卸売業者は3地区(東日本、中部、西日本)に「遊戯銃防犯懇話会」を結成。ASGKと製販一体となって、トイガン(エアガン)の改造防止と適正な使用方法の啓蒙・啓発を図り、正しい遊び方を広める活動を行う。

<アウトサイダー対策>
ASGKは、非組合員(アウトサイダー)のエアガンメーカー・デジコン電子(株)が製造・販売する拳銃型でベレッタM92F製品は、「弾の威力が強く安全性に問題があるとして販売中止」を文書で通知」する、と共に全国3地区の遊戯銃防犯懇話会にも当該製品は、慎重に取り扱うよう文書で通知した。

<金属製モデルガン>
マルシン工業は、拳銃型でゲーリングルガーP.08/4in、6in、8in(無発火、リアル機構の最高級品)を販売。

<プラスチック製モデルガン>
MGCは、拳銃型でM9/BLKを販売。

<エアガン>
タナカは、拳銃型ガス銃でベレッタM1934ガスBLK(1way方式)を販売。本製品は、遊底の前進にリコイルスプリングを使い1way作動を実現した六人部氏設計の「ロータリーバルブ方式」を採用。
丸越は、拳銃型でSIG/P220、国際産業は、SIG/P220ガス銃、青島文化教材社は、デザートイーグル、グンゼ産業は、エアコッキング式のコルト・コマンダー、東京マルイは、ベレッタM92F、ブローニングHP、サンプロジェクトは、マズライト、マルゼンは、S&W/4504、サンエイは、ベレッタM93R、WAは、ワルサーP.38ガス銃、MGCは、ベレッタM92Fガス銃、千代田SSは、ウイルディマグナムガス銃、マルシン工業は、M29ギャラクシー、MMCは、コルト・GMマークⅣ、JACは、長銃型でステアーAUGガス銃、MMCは、エアー式M16-A2、エルエスは、L85A1ガスライフルを販売。

1991年
(平成03年)

<プラスチック製モデルガン>
マルシン工業は、拳銃型でベレッタM92FS/BLK、S&W/M586/BLK(PFCカートリッジ使用)を販売。プラグファイヤーキャップ火薬とプラグファイヤーCART使用で完璧なBLKアクションが楽しめる。

*PL製モデルガンの出荷丁数は、1988年~91年まで毎年、40万丁

<世界初・電動式エアガン>
東京マルイは、世界初の電動式フルオートエアガンで長銃型のFA-MAS5.56F-1を販売。本製品は、従来のエアコッキング動作をモーター駆動で行い、フルオートが楽しめる、充電バッテリー&電動エアーシステムを開発。本製品以降、全てのメカボックスの基本となり「電動ガン時代の幕開け」となる。

<世界初・リキッドチャージマガジン方式のガスBLKエアガン>
MGCは、世界初のリキッドチャージマガジン方式の拳銃型でグロック17ガスBLKを販売。本製品は、リキッドチャージ方式で遊底が後退後にBB弾が発射する機構(アフタープレシュートシステム)を開発し搭載されている。銃の実用性に優れた最高傑作品で、的に当たらない、動かないといったBLKに対する偏見を一気に払拭したガスBLKの歴史を加速させた正に名機である。サバイバルゲームにも使用できて、他のBLKガス銃を完全に圧倒してエアガン史上、M93Rと並び爆発的な売れ行きで50万丁を出荷した。

<グロック銃ブーム到来>
MGCが製品化したグロック17BLKの登場で、業界のメジャー銃に押し上げたモデルとなり、時代は、一気にガスBLK全盛時代に雪崩れ込む。このグロックシリーズの製品が、各メーカーから続々と製品化され「グロックブーム」が到来した。

<エアガン>
マルシン工業は、拳銃型でCz75ガスBLK、WAは、M6906コンバットマスター、国際産業は、コルト・パイソン、ヨネザワは、対象年齢10歳用のスプリングバック・エアコッキング式のS&W/Mod4504-SV、エルエスは、S&W/M586、タナカは、P.08ガスBLK、ポイントは、S&W/M639、グンゼ産業は、グリズリー・ウインマグ、マルゼンは、長銃型で、レミントンM870、ファルコントーイは、ガリルARM、JACは、H&K/MP5-A5、朝日商事は、U.S.M249ミニミ/ブッシュ・カスタムショーティーを販売。

*エアガンの出荷丁数は、1988年~91年まで4年連続、400万丁を突破し、トイガン史上、最高記録を達成。空前のエアガンブームが続く。

1992年
(平成04年)

<トイガン業界合同・商談会>
ASGKは、東京浅草ROXで業界初の「トイガン合同商談会」を開催。組合員メーカー21社が参加。年末商戦に向けて新製品の発表・展示し宣伝に躍起。情報交換の場として最大限に活用を確保するための販売活動をして顧客の拡大を図る。

<エアガン・パワーソース代替フロンHFC134aガス>
ASGKは、エアガンのパワーソースに「代替フロンHFC134aガス」の使用を決定。

<小林太三氏MGC退職>
MGCの小林副社長(トイガンデザイナー)は、MGCを退職し、トイガンメーカー(有)タニオ・コバを設立。

<プラスチック製モデルガン>
MGCは、拳銃型でM92F/CP-HW/BLK(CPカート使用)を販売。
本製品に使用するCPカートは、HW(ヘビーウエイト)製の重い遊底を完璧にBLK作動させるため、CART内の密閉性を更に高めるために改良した。マルシン工業のPFCカートと同様に優れたBLK性能を誇ったCPカート。

<エアガン>
エアガンメーカー(株)エルエスは、和議の申し立てを行い倒産。
グンゼ産業は、拳銃型でSIG/P226、MGCは、グロック23ガスBLK、ポイントは、ベレッタM92/SB、国際産業は、スピードコンプ、タナカは、S&W/M45、JACは、長銃型でマイクロ・ウージー(リコイルメカ搭載)ガス銃、ファルコントーイは、AK47S、マルシン工業は、モスバーグM500、トイテックは、金属製でエアコッキング式のバルカン、東京マルイは、電動ガンでH&K/MP5A-4、コルトM16A1を販売。

1993年
(平成05年)

<ASGK組合が混乱>
ASGKは、組合内でBB弾の威力値0.4J対0.8J問題で混乱。MGC、マルシン工業、WAなど組合員有志は「組合刷新委員会」を結成。組合の正常化を図るための集会を開くなど動き出す。事態を重視した通産省は、ASGK組合に「組合運営で改善すべき事項6箇条の通達文」を出し、一刻も早く正常化を図るよう行政指導する。

<ASGK分裂 日本エアースポーツガン協会組織>
ASGK分裂。マルゼン、国際産業ほか一部の組合員は、新たに自主規制団体の「日本エアースポーツガン協会(以下、JASG)を組織。競技専用銃は、BB弾の威力基準値「0.8J」と発表。業界に2つの基準が存在。威力競争が泥沼化して流通業界は混乱。

<デジコン裁判訴訟>
デジコン電子(株)は、ASGKと前田徹雄(元理事長)氏を相手に7,700万円の損害賠償請求の民事訴訟(以下、デジコン裁判)を起こし東京地裁に訴状を提出。

<プラスチック製モデルガン>
マルシン工業は、拳銃型でベレッタM84/BLK(ニューPFCカート使用)を販売。

モデルガンを改造した「天宙興産」が摘発される。

<プレシュートシステムのエアガン>
WAは、拳銃型でプレシュートシステム方式のベレッタM92FマグナBLKを販売。本製品は、実銃と同様に遊底が下がる前にBB弾が発射できる機構が搭載されていて、製品の完成度の高さはトイガン史上で、ガスBLKの歴史を替えた重要なモデルとなり大ヒット商品となる。

<エアガン>
タナカは、長銃型でM97スラッグハンター(カート内ガス充填式)、ファルコントーイは、スペクターSMG、東京マルイは、XM177E2電動ガン、拳銃型でガスリボルバーのコルト・パイソン、JACは、ブローニングHP/Mk3、MGCは、グロック17LガスBLKを販売。

1994年
(平成06年)

<おもちゃ狩り裁判・控訴審判決>
MGCは、国(警察庁)を相手に17年間、争ってきた「おもちゃ狩り裁判」は、東京高裁の控訴審判決で「原告(MGC)全面敗訴」の判決が下る。判決理由は、「組合員以外で安全基準違反メーカーが存在して、国側(警察庁)の規制は止むを得なかった」とMGCは、コメントを発表。

<小銃型エアガンM40事件>
警察庁は、朝日商事が製造した小銃型エアガンM40A1、M700(蓄圧式CART使用)を「銃砲と認定」。流通業界に早期回収を要請。

<トイガンメーカーMGC突然の廃業>
トイガントップメーカーの(株)MGCは、11月に経済的理由で突然の廃業を発表。業界に衝撃が走る。「モデルガン」と云う言葉は、創業者・神保勉氏による造語であり、トイガンの黎明期から続く同社の歴史は、旺盛な開発力と販売力により、トイガン史に数々の名作を造り出し、日本独特のモデルガン文化を築いた。

<エアガン>
エアガンメーカーの(株)JACは、自己破産し倒産。
マルゼンは、競技専用銃(0.8J値)でボルトアクション・エアコッキング式のAPS-2、東京マルイは、業界初の「可変ホップシステム」採用した長銃型でコルトXM177E2電動ガン、M16A1電動ガンを販売。本システムは、パワーを強化しなくても飛距離を延ばし最適な弾道に調整できる。

*この年の出荷丁数は、200万丁(最盛期の50%)と大幅減となり、需要が落ち込む。また、モデルガンの出荷丁数は、20万丁となる。トイガン業界は、メーカーの廃業や倒産もあり深刻に受け止める。

1995年
(平成07年)

<プラスチック製モデルガン>
(株)KSC(元MGC協力会社)は、トイガンメーカーとして自社ブランドで流通・販売を開始。拳銃型でM93RガスBLKを販売。

<エアガン>
マルゼンは、競技専用銃でエアコッキング式スプリングガンのAPS-1グランドマスター、KSCは、拳銃型でオート9ガスBLK、M93R-AGガスBLK、東京マルイは、デザートイーグル50AEガスBLK、長銃型でH&K/G3SG-1電動ガンを販売。

1996年
(平成08年)

<ベレッタ社の商標無断使用を警告>
イタリアの銃器メーカーベレッタ社は、日本のトイガンメーカー各社に対し「商標の無断使用」を文書で警告。トイガンメーカー各社は、個々に対応すると回答。

<ウエスタン・アームス知的財産権裁判・判決>
WA(国本社長)は、1990年後半より日本のトイガンメーカーを相手に自己の知的財産権を侵害したとして製造・販売の差し止める「知的財産権裁判訴訟」を起こしていたが、殆どの裁判で敗訴した。

<プラスチック製モデルガン>
(株)ハートフォードは、元メーカーCMCの製品を受け継ぎ、自社ブランドで製造・販売を開始。拳銃型でコルトS.A.Aを販売。

<エアガン>
東京マルイは、電動ガン初の可変バースト搭載の長銃型でSIG/SG550を販売。マルゼンは、拳銃型でワルサーPPガスBLK(ワルサー刻印入り)、東京マルイは、M92Fミリタリー、デザートイーグル10inガスBLK、長銃型でFA-MAS/5.56-F1(ホップアップ化)電動ガン、サンプロジェクトは、M16-A1ガスBLK(JACの改良品)を販売。

1997年
(平成09年)

<デジコン裁判・判決>
原告デジコン電子は、ASGKと前田徹雄(元理事長)氏を相手に争ってきた「デジコン裁判」は、東京地裁の判決で「原告勝訴」が確定。判決理由は、「ASGKは独禁法に触れ不正な取引方法の勧奨と自由な市場参入への不当な妨害をした」と認定。そしてASGKと前田徹雄氏のそれぞれに賠償が命じられた。ASGKは、デジコン電子に1,000万円、前田氏も惨害賠償を別途、支払いで「和解が成立」。

<ウエスタン・アームス特許権侵害差し止め裁判訴訟>
WA(国本社長)は、(有)タニオ・コバ小林社長を相手に「自己が発明をした特許権(エアガン・マグナBLK機構プレシュートシステム)を侵害した」として製品及び製造するための金型の廃棄と3,540万円の損害賠償請求の「特許権侵害差し止め裁判」訴訟を起こし東京地裁に訴状を提出。

<エアガン>
国際産業(以下、コクサイ)は、長銃型でM16-A1ニューコンセプトガスBLK、東京マルイは、ステアーAUGミリタリー電動ガン、SIG/SG551電動ガン、タナカは、拳銃型でP08ガスBLK(実銃同様トグルアクション再現)を販売。

1998年
(平成10年)

<エアガン>
KTWは、長銃型でエアコッキング式のイサカM37、丸越は、エアコッキング式のスーパー9、東京マルイは、コルトM4-A1カービン電動ガン、タナカは、拳銃型でブローニングHP/M1935ガスBLK、KSCは、M9ガスBLK、WAは、シグマ40FガスBLK、東京マルイは、50AEバイオハザード2モデル10inを販売。

1999年
(平成11年)

<WA特許権侵害差し止め裁判・東京地裁判決>
WAは、タニオ・コバを相手に争ってきた、「特許権侵害差し止め裁判」は、東京地裁の判決で「原告敗訴」の判決を下した。判決理由は、タニオ・コバ小林社長が発明したエアガン・ガスBLK機構(アフタープレシュートシステム)に内蔵されている「開閉制御システム」は、原告の特許権を侵害していないとして、原告の請求を棄却した。

<ソフトエアガン安全会議>
学識経験者及び有識者で組織する「ソフトエアガン安全会議(代表、木村普介弁護士)」が発足。東京・霞ヶ関の弁護士会館で発会式を行う。

<エアガン>
KSCは、拳銃型でSIG/PRO230ガスBLK、東京マルイは、M92FミリタリーガスBLK、長銃型でコルトM4AIR、I.S.バージョン電動ガンを販売。

1950~70年代 | 1980~90年代 | 2000~2010年代

※本データはSTGA(全日本トイガン安全協会)掲載の情報を許可を頂いて転載しています。本データの無断転載を禁じます。

2016/10/02


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