サバゲー予約ポータルサイト『サバゲーGoGo』

サバゲー予約ポータルサイト『サバゲーGoGo』

新しいサバゲー予約ポータルサイト『サバゲーGoGo』、通称サバゴーがテスト運用を開始し、モニターフィールドを募集中とのことなので今回はサバゲー予約ポータルをテーマとしたコラムをひとつ。

沸いては消えるサバゲー予約ポータルサイト

それこそ10年以上前からサバゲーの予約をひとつのサイトで行える「サバゲー予約ポータルサイト」の話はあり、ハイパー道楽にも何度となく相談したいという業者さんがやってきた。

自身のサバゲーへの想いや業界の発展を熱く語ったりして、そんな彼らの熱心ぶりに、私も思いつく限りのアイデアをお話ししたりするのだけど、いまだかつてまともに運用されたポータルサイトの話を聞かない。

じゃらんやアソビューといった旅行代理店系サイトで他のレジャーに混ざって、どちらかというと初心者向けのレンタル装備込みのプランなどはあるものの、それらすら活用しているフィールドはごく一部だ。

多くのフィールドは、自社WEBサイトの申込フォームからのネット予約、あるいは直接電話予約でおこなう。最近では専用のスマホアプリを開発して、事前の会員登録や決済まで行うフィールドもある。

この10年、減り続けるフィールド

2000年代に入って増加し続けたサバゲーフィールドだが、2014年頃をピークに減り続けている。さらに2020年のコロナ禍が追い打ちをかけた。

ところでフィールド運営はどれくらい儲かるのか?

簡単に試算してみよう。

10年前なら週末に200人、300人集まるのはあたりまえ、といったフィールドがあった。
しかし現在では週末に100人集まるフィールドは稀だ。そもそもフィールドキャパが150人以下のフィールドがほとんどだ。
仮に毎週末80人を集客して、客単価を4000円とすると月に250万円ほど。平日はほとんど集客できないので、頑張っても月に300万円くらいの売上だろう。

屋外フィールドの場合、気象条件でも集客が左右される。猛暑や台風で参加者が足りず、定例会が中止になることもあるので、上記の試算よりも減る月もある。

一方で経費はというと、まずは人件費。
一般的な定例会を開催する場合、店長を社員として1名、アルバイトスタッフ3名くらいを配置する。月15日稼働したら、人件費だけで100万は超える。
さらに電気、水道などの光熱費、消耗品やフィールドメンテ費用、車両費などが最低でも数万円程度はかかる。

次に場所代。ほとんどのフィールドは土地を借りて営業している。月10万円といった格安で山林を借りているところもあるが、概ね20~50万円というのがアウトドアフィールドの相場だろう。

インドアフィールドとなると、さらに場代は高くなる。再開発地域の廃ビルや、空き倉庫、廃工場を格安で借りられればラッキーだが、そもそも工場跡地に遊戯施設を作れる許可が取れるのかという問題もある。

>市街化調整区域の話はこちらのコラムで

商業施設のテナントフロアとなると月に100万円以上なんてこともあるし、電気代も何十万になることもある。その割に収容人数はアウトドアに比べて減るので、天候に影響されず、利用料金を増したとしても、総じてインドアフィールドは運営体力が低下しがちだ。

運営が安定して続くフィールドというのはバックボーンがある企業が多い。
たとえば人気のエアガンショップに併設しているインドアフィールドや、不動産業や土木建築業を営みながら、好物件を活用できているフィールドなどだ。これら企業は本業で十分な黒字化がされているので体力がある。極端な話、赤字さえ出なければよい、という考えで運営しているフィールドもある。

サバゲー予約ポータルは業界の救世主となるか?

もちろん、体力のありなしだけが、フィールドの運営を左右するものではない。
SNSを活用した宣伝、ターゲットユーザーに合わせたイベント開催やゲーム構成など、継続して集客できるフィールドであり続ける必要がある。

そこで話は戻るが、サバゲー予約ポータルである。

ゴルフや旅行・宿泊施設、美容院などは予約ポータルサイトでの予約があたりまえとなっているが、それらに比べて圧倒的に市場規模が小さいサバゲー予約専門のポータルサイトに活路は見いだせるのか?

いちサバゲーファンとしては、使い易いデザインやシステムのポータルサイトで、横軸でフィールド情報とイベント情報が確認できて、全てのフィールド予約が可能であれば、ぜひともユーザー登録したいと思うわけだが、それは利用できるフィールドがどれくらいあるかによる。

卵が先かニワトリが先かではないが、参加フィールドが増えれば、利用者が増え、そうすると相乗効果が生まれ、フィールドにメリットが還元されるという好循環となる。

相関図

今回立ち上がる『サバゲーGoGo』は成果報酬型の料金体系となっており、初期費用、月額費用は無料。予約1件あたり150〜200円(税抜)の送客課金を予定しているとの事。
さらに、正式リリースまでの間は試験運用に協力する事を条件に、無償で機能を利用できるそうだ。
興味がある関係者は一度、Xの公式アカウントより問い合わせてみるのがいいだろう。

ユーザー画面と管理者画面

現時点では、予約が可能な「フィールドスケジュールカレンダー」、予約の確認・変更・キャンセルができる「マイページ」、簡単に当日の受付が完了する「チェックイン機能」、予約人数・年齢分布・予約オプションの統計などが確認できる「予約リスト」の実装が完了しているそうだ。

フロント画面

また、全国のフィールド検索・事前決済・イベント情報などが使用できる「予約ポータル」、より詳細な予約/顧客分析、市場全体のレポートなどを確認できる「フィールド管理画面」の開発を進めているとのこと。

もちろん、導入初期は今ある予約システムと並行運用の手間も考えられるし、一元化に慣れるまでの時間的コストなどもあるかと思う。また運営母体が大手ではないので、導入店舗数が伸び悩むと早々にサービス終了とかいう可能性も考えられなくはない。
ただ、フィールドとしては集客チャネルや明るい話題が増えるに越したことはないのではないだろうか。

こんな状況だからこそサバゲーの再活性化という期待を込めて、サバゲー予約ポータルの実現に力を貸したいという想いである。

 

サバゲーGoGo 公式X
https://twitter.com/SabageGoGo
※サバゴーへの問い合わせは公式XアカウントのDMから受け付けている。


2024/02/23


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