イベント会場には、いつも独特の熱気が満ちている。
ブースごとに込められた工夫や発想、試行錯誤の積み重ね。
その魅力を、多くの読者に確かな形で届けたい――その思いだけで、取材に足を運び続けている。
取材は華やかに見えることもあるが、実際は地道で、時に孤独な作業だ。
記者に取材依頼することもあるものの、撮影も聞き取りも記事化も、ほとんど自分の手で進めている。
主催から依頼されて報酬を得るわけではないが、それでも続けられるのは、「伝える価値がある」と感じる瞬間に出会えるからだ。
一方で、反省する場面もある。
慌ただしい現場で聞いた話を急いでまとめた結果、意図した表現にならなかったり、
校正に気を配っていても細部まで行き届かず、後から誰かを傷つけてしまったことに気づくこともある。
各ブースで展示されているものを、ありのままに紹介することを基本としているが、
世の中には非常に多くの製品やアイデアが存在し、すべてを完全に把握することは難しい。
また、権利やデザインの線引きは、本来当事者同士で向き合うべき領域でもある。
それでも、紹介した内容が思わぬ波紋を呼ぶことがあり、責任の重さを痛感することもある。
だからこそ、できる限り正確に、丁寧に、誠実に伝えることを何より大切にしている。
もし表現に誤解があったなら、遠慮なく知らせてほしい。事実に基づき、真摯に向き合いたい。
イベントの空気や、ものづくりの情熱に触れると、自然と心が動く。
その魅力を、より多くの人に届けたい――。
ときに壁にぶつかることもあるけれど、それでも現場に向かう理由は、いつもここにある。











