タナカ ワークス ガスガン S&W M360J "SAKURA"他

タナカ ワークス ガスガン S&W M360J "SAKURA" HW他

レポート:戸井源太郎

タナカのペガサスシステムを搭載した最小クラスのコンパクトリボルバー、M360シリーズから日本警察の“SAKURA”をメインに4丁を紹介します。

M360シリーズ
実銃の話ですが、1957年より愛されてきたS&W M36 チーフスペシャルが、2002年よりスカンジウム合金を使用したフレームに、シリンダーをチタンに変えM360と生まれ変わりました。サイズはほぼ同じですが、スカンジウム合金とチタンにより軽量化されて、より強力な.357マグナム弾に対応しています。小さくても獰猛なリボルバーなのです。
日本警察の“SAKURA”もこのM360をベースにしたモデルですが、こちらは.38口径でシリンダーはチタンではなく、ステンレス鋼の特注仕様となっています。

SAKURA
SAKURA
ニューナンブM60、M37の後継として2006年から日本の警察に配備されているのが、この“SAKURA”です。基本スタイルはM360とほぼ同様ですが、しっかり握れるようフィンガースパーとランヤードリングが装着されたグリップが見た目の一番の特徴となります。

この“SAKURA”はつや消しブラックのHWモデルで質感、重量感とも小さくても迫力があります。

スペック


全長 163mm
重量 470g
銃身長 41mm(インナーバレル長)
装弾数 10発
価格 28,800円(税別)
発売日 2018年4月
動力源 リキッドチャージ式ガス
初速 最高:53.46m/s
平均:51.64m/s
最低:49.87m/s
ジュール:0.267J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、室内10発での測定、気温23.5度、湿度42%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.JPG (5.7MB)

BBローダーとガス注入用の延長パイプ
“SAKURA”を含めタナカのペガサスシリーズには専用のBBローダーとガス注入用の延長パイプが同梱されています。

フレーム左側
フレーム右側
フレーム左側には「SAKURA M360J」とミネベア製を示す「NMB」のロゴが刻印されていますが…SATマガジン5月号2016年では「MINEBEA」となっています。納入時期により違うのか、あえて実銃と見分けがつくようにタナカで変更したのかもしれません。フレーム右側の「S&W」のロゴ、「Airwight」のレーザー刻印も実銃にあるのかは不明です。また銃本体はS&Wからの輸入でミネベアではグリップ等の装着などを行なっているだけらしいです。

バレル
シュラウドとステンレス鋼製のライナー
バレルはスカンジウム合金製のシュラウドとステンレス鋼製のライナーによる2ピース構造を再現しています。バレル右側には「SMITH & WESSON S & W.38 CAL.」と.38口径表示となっています。

ハンマー
ハンマー打撃時の手ぶれを防止するため、軽量小型のハンマーを装備しています。もちろん実銃同様、シングル、ダブルアクションで射撃可能です。

サイト
フロントサイトはセレーション入りのブラックで、リアサイトはフレームを彫り込んだ非常に簡素なものです。

グリップ
グリップはフィンガースパーとランヤードリングが付いたものを標準装備しています。“SAKURA”の一番特徴があるところです。

サムピース
サムピースを押せばシリンダーをスイングアウトできます。またサムピースの上に見える六角ネジはマニュアルセフティになります。ここを時計と逆に回せば、ハンマーがロックされます。

シリンダー
シリンダーがマガジン&ガスタンクになっているお馴染みのペガサスシステムです。ガスはシリンダーを回して、「GAS」と書いてあるリムと注入口を合わせます。ガス缶とフレームが干渉してそのままでは注入できません。付属の延長パイプを使用しましょう。

10発装填
実銃では5発しか装弾数がありませんが、タナカのペガサスシステムはケースレスで、倍の10発装填することができます。BB弾はシリンダーの前から装填します。1ヶ所が6発、残り各1発ずつの計10発BB弾を装填できます。


今回は銃のサイズや性格上から“SAKURA”を室内5mで試射しました。使用弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。シリンダーは5発装填ということでM19やパイソンなどと比べて径は小さいですが、ガス容量は問題ありません。むしろ入れすぎると生ガスを吹いたり、逆に初速が落ちたりします。ガスの注入は満タンまで入れるのではなく、2~3秒程度で十分です。
距離5mでの精度は10cm内はほぼまとまりました。2インチもないバレルということを考慮すると頑張っていると思います。
またこの距離なら0.2g弾と0.25g弾の差は感じられませんでした。もちろん装填不良やトラブルもなく、確実に10発発射できます。


そしてタナカのエアソフトガンは元々、モデルガンをメインにしていたメーカーだけに外観のリアルさ、仕上げの美しさも素晴らしいです。
この“SAKURA”だけでなく、ペガサスシリーズすべてにいえることですが、ガスガンとしての機能をシリンダーに集約しているため、ハンマー、トリガーメカもリアルなのがファンには嬉しいです。しかもハンマーやシアはカチッと確実にロックされガタつきなどなし! それでいてハンマー、トリガーの動きは非常に滑らかです。
観てよし、触ってよし、撃ってよしと三拍子揃っています。


そして日本警察制式けん銃の“SAKURA”をエアソフトガン化しているのはタナカのみです。日本人ならぜひコレクションに加えて欲しいですね。

S&W M&P M360 .357Magnum



名銃S&W M10の愛称であるM&P(Military & Police)を受け継いだリボルバーがこのモデルです。軍・法執行機関向けを意識しています。ABSの本体、シリンダーにはセラコート塗装が施され、マットブラックの落ち着いた佇まいです。ハンマーとトリガーはケースハードン仕上げのシルバーに近い色合いとなっています。

全長 163mm
重量 400g
装弾数 10発
価格 29,800円(税別)




フレーム左側には「S&W」のロゴがレーザー刻印されています。右側には「M&P」のロゴが刻印されています。バレルは「.357 S&W MAG」と使用弾を刻印しています。


スナブノーズのバレルもツーピースで忠実に再現しています。しかしバレル長は1-7/8inchと実に中途半端で落ち着きません。キリのよい2inchじゃダメだったんでしょうか? 


フロントサイトは実銃と同様のXSサイトを再現しています。実銃ではトリチウム仕様ですが、タナカでは白い樹脂製となっています。


グリップはアンクルマイクスタイプのグリップが標準装備です。エラストマー材の成形品で滑りにくくなっています。

S&W M360 PD .357Magnum



スカンジウム合金フレームにチタンシリンダーを装備したM360 PDです。素材の違いによるコンストラストをセラコート塗装で完全に再現しています。グリップやハンマー、トリガーはM&Pと同一となっており、刻印が異なるだけで、ほとんど間違い探しの世界です。ちなみにPDはPersonal Defenseの略で護身用という意味になります。

全長 163mm
重量 400g
装弾数 10発
価格 29,800円(税別)



バレル、シリンダー、トリガー、ハンマーなど主要パーツがよいアクセントになっています。フレームには「S&W」のロゴが刻印されています。


フレームには21個の電子が浮遊する「21 Electrons」マークに「AirLite PD」がレーザー刻印されています。またバレルには「.357 S&W MAG」はM&Pと同じですが、その下に「NO LESS THAN 120GR BULLET」と120グレイン以下の弾頭を使用不可との注意表記があります。弾頭が軽すぎるとリボルバーなのに装填不良が起こることがあるのです。


フロントサイトは見やすいレッドポイントとなっています。

S&W M360 SC .357Magnum



PDのシルバーモデルがSCです。SCとはスカンジウムの略になります。マットシルバーのフレームとチタンのシリンダーはセラコートで完全再現しています。フレームのマットシルバーとフロントサイト以外の刻印や仕様はPDと共通です。

全長 163mm
重量 400g
装弾数 10発
価格 29,800円(税別)


マットシルバー
トリガー、ハンマー
セラコート塗装されたマットシルバーのフレームは非常に美しく仕上がっています。ケースハードン仕上げのトリガー、ハンマーと美しく仕上がっています。

フロントサイト
フロントサイトはセレーション入りのブラック仕様となっています。

S&W M360シリーズ
タナカ ペガサスシステムのS&W M360シリーズ
(左上)S&W M360J “SAKURA”HW
(右上)S&W M360 PD .357Magnum
(左下)S&W M&P M360 .357Magnum
(右下)S&W M360 SC .357Magnum
今回紹介したタナカ ペガサスシステムのS&W M360シリーズは銃本体の基本スタイルにほとんど差異はありませんが、セラコート塗装と刻印で特徴を出し、どれも魅力的に仕上がっており、どれが一番かなんて決められません! ただし “SAKURA”以外のモデルは少数生産なので、お店で見つけたら早めに手に入れることをオススメします。

撮影協力:TANAKA WORKS、ビレッジ1

2020/01/17


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