東京マルイ 20式小銃 ラバーガン

東京マルイ 20式小銃 ラバーガン

東京マルイが自衛隊の訓練用として製作した20式小銃 ラバーガンをレビュー。

東京マルイ製の20式小銃 ラバーガン
今回紹介するのは先日開催されたJFM 3にて展示されていた東京マルイ製の20式小銃 ラバーガン。
一般には販売されておらず、自衛隊内で訓練用として使用するために許可を得て購入できるものなのだそう。素材はスチレンブタジエンゴム(SBR)を使用している。

トレーニング用ラバーガン
トレーニング用ラバーガンは海外でも様々なモデルが販売されている。基本的には弾は発射できず、軟質プラスチックや、ゴムなどの素材が使われる。また色は黒だけでなく、ブルーやオレンジといった訓練用を明示する識別カラーとなっている製品もある。


こちらはキャロット製の89式小銃ラバーガン(89R-TRG 3rd 軟式擬製銃)との比較。89式ラバーガンも実際に自衛隊の訓練用として使用されている。

それでは東京マルイ製20式小銃ラバーガンをみていこう。
レシーバー左面
レシーバー左面。マガジンハウジングにHowaの刻印があることから、正式ライセンスによるものだと思われる。アッパーレシーバーには Type20 Training Rubber Rifleとある。ボルトキャッチ、マグキャッチ、セレクター、トリガーなどの操作系はすべて一体となった無可動だ。

マガジンハウジング
マガジンハウジングには小さな穴が開いている。マガジンはマグプルのP-MAG形状だが、これもレシーバーと一体となっていて抜くことはできない。

セレクター
セレクターは安全位置で固定。アタレの刻印は再現されている。

レシーバー右面
レシーバー右面。マガジンハウジングはTOKYO MARUI MADE IN JAPANと刻印がある。実銃のフルアンビ仕様を再現しているがもちろん無可動。セレクターはア(安全)の位置で固定されている。

実銃と同じサイズと重量
訓練用ラバーガンは通常は実銃と同じサイズと重量、バランスを目指して作られるので、この20式小銃ラバーガンも重量3.5kg+フルロード弾倉分0.5kgで4kg、全長は780mm程度と思われる。

バレルとフラッシュハイダー
バレルとフラッシュハイダー。

左側に小さな穴
ポートは開いていないが、左側に小さな穴が開いていた。

フロントサイト
フロントサイトは実銃はフリップアップタイプだが、ラバーガンでは倒した状態でのモールドとされている。ガスブロックやレギュレーターも再現されている。バヨネットラグも再現されているが取り付けられるかは不明。

ハンドガード
ハンドガードも一体となっていて、クーリングホールなどは浅いモールドとなっている。実銃ではM-LOK対応なのだが、M-LOK仕様ではなく、M-LOKスロットに二つのネジ穴がある。ここに付属の専用レイルを取り付けて拡張レイルとする仕様だ。

ハンドガード底部
ハンドガード底部にも付属のレイルを取り付けられるようになっている。この日に展示されていたものにはB&Tのバイポッドグリップが取り付けられていた。

レシーバートップ
レシーバートップはピカティニーレイルを模しているが、ゴムを左右から圧着したようなパーティングラインがある。レイル対応の光学照準器も搭載可能だが、バリを削る必要がある。


実銃ではコッキングハンドルは左右に付け替え可能だが、ラバーガンではコッキングハンドルは左側にあり、強度を保持するためか実銃の形状とはかなり異なる。


リアサイトは実銃ではフリップアップ式が付いているが、ラバーガンは折り畳んだ状態のモールドとなっている。


ストックは実銃では5段階の伸縮式だが、ラバーガンでは最短で固定されている。チークパッドも固定。


ストック右側。各所に小さい穴があり、ここにパラコードを通してスリングを取り付けるといったことが可能だ。


ストック下面。


グリップ底部は実銃ではコンパートメントとなっているが、ラバーガンはなにもない。


実際に持たせてもらったが、意外とずっしり重く感じた。強度保持用に内部に金属芯が入っていると思うので、ラバーとはいえ剛性は十分で、訓練でハードに扱ってもそう簡単に破損するようなことはないと思われる。価格は7万円とのことだった。

訓練用ラバーガン
多くの読者としては一般に購入できない訓練用ラバーガンよりもBB弾の発射できるエアガンが気になるところだろう。
東京マルイがHowaのロゴ入りラバーガンを作ったと言うことは、エアガンももちろん問題なく作れるだろう。実際に防衛省の公式サイトでは20式小銃型エアガンの要求仕様書が公開されている。この書類によればOTSが納入業者となって、6mmBB弾、装弾数30発、25mで20cmの集弾性能、0.8Jの威力、耐水性といった仕様が記載されている。これらからガスブローバックガンを想定した仕様であると思われ、これを作れるトイガンメーカーとなると、筆者の願望も含めて、やはり東京マルイがもっともふさわしく思える。
どこのメーカーが製造するにせよ、自衛隊向けだけに20式小銃のエアガンを作るとは思えないので、近い将来、市販バージョンも発売されるのではと予想する。

取材協力:JFM 3、サバゲーパラダイス

2025/07/02



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