S&T 電動ガン ベレッタ M12S

S&T 電動ガン ベレッタ M12S

レポート:戸井源太郎

雑誌の広告で発売がアナウンスされてから1年近く経った2015年12月にようやくS&Tの電動ガン、ベレッタM12Sが発売されました。
1980年代にMGCからモデルガン、ガスガンが発売されており、往年のトイガンファンには懐かしい機種ではないでしょうか。
その懐かしのベレッタM12Sが初めて電動ガン化されたということで、早速、入手しました。
S&Tは香港メーカーではありますが、製造は中国本土らしいので、その性能が気になるところです。
ちなみに40歳以上で通じる“ペネトレーター”という名は、当時のMGCが商品名としてつけた愛称で、今の若い世代や世界では通じませんので、ご注意を。

BRETTA M12S
BRETTA M12はベレッタ社が、1959年にイタリア警察や法執行機関向けとして開発した9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガン(SMG)です。
銃本体はプレス加工と電気溶接による大量生産が容易な形状にデザインされており、作動方式は、オープンボルトのシンプルブローバック方式となっています。
今回、リポートするBRETTA M12Sは1978年に改良されたモデルとなります。
大きな改良点はM12ではセフティとセミ・フル切り替えセレクターが別々に設けられ、それぞれ貫通ボタン方式になっていたのを、M12Sではセフティと一体化されたセレクトレバー式に変更されました。
BERTTA M12Sはイタリアだけでなく、南米やアフリカの国々などでも採用されたり、ライセンス生産も行われました。
2015年3月18日に発生したチュニジア博物館襲撃事件では、チュニジアの警察官がベレッタM12を構えているところが確認されており、現在でも一部地域で現役のようです。

パッケージ
パッケージはマットカラーでデザインもシックで、カッコイイです。
SMGなので、ボックスサイズも縦28×横52×幅8.5cmとコンパクトに纏まっています。

取説取説、保証書兼ユーザー登録書、BB弾100発および、ハンドガンマガジンタイプのBBローダーが付属しています。

BRETTA M12S 左
BRETTA M12S 右
トリガーとフォアグリップの間にマガジンがある独特な形状のSMGです。

アッパーレシーバーとマガジンハウジング、マガジンはスチール、アウターバレルと折り畳みストックはアルミ製です。ロアレシーバーは樹脂となっています。構えてみてもギシギシ感はなく、しっかりとした造りです。

S&T 電動ガン スターリング スペック & 弾速データ
全長 430/715mm(ストック伸長時)
重量 2,630g
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 50発
定価 39,800円(税別)
発売日 2015年12月
最高 87.16m/s
平均 86.10m/s
最低 85.53m/s
ジュール 0.741J
回転数 692rpm (秒間11.5発)
※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約14度
パーツリスト

円筒形のアッパー
M3グリースガンや英スターリングSMGのような、今のSMGにはみられない円筒形のアッパーレシーバーが時代を感じさせます。
左側にはコッキングハンドルとセレクターが配置されています。

本体右側
本体右側には折り畳まれたストックとエジェクションポートがみえます。セレクターはこちら側にはありません。
この独特なスタイルに目が行きがちですが、構成は至ってシンプルですよね。
余談ですが、昔、友達がMGCのガスガンを持っていたのですが、その時、SMGにしては、すごく大きかったイメージがありました。しかし今、S&T製を見るとものすごく小さく感じます。単に気のせいでしょうか...?

アッパーレシーバーの表記
アッパーレシーバーには、「BRETTA~」の表記がありますが、おそらくトイガンオリジナルの刻印だと思われます。

セレクター
セレクターは「S」でセフティ、「I」でセミオート、「R」でフルオートとなります。これはイタリア語なのでしょうか?
トリガーガードはかなり肉厚なのが特徴ですが、使用に問題は感じませんでした。

グリップグリップはフィンガーチャンネルが付いており、握りやすいです。
グリップパネルは実銃ではベークライトのようですが、こちらはプラ製となっています。
グリップセフティ実銃に装備されているグリップセフティも再現されています。S&Tの場合は、可動はしますが、ダミーとなっています。

マガジンキャッチ
マガジンキャッチはMP5やAKのようなレバータイプです。前方に押すことでマガジンをリリースできます。

コッキングレバー
扇型で、服や装備に引っ掛かりにくく、かつ引きやすいコッキングレバーです。
この丸味を帯びたデザインは、M92Fなどにも共通で、いかにもベレッタらしいデザインですね。

ホップダイヤル
コッキングレバーを引くと、エジェクションポートが開き、中に可変ホップアップの調節ダイヤルが現れます。大型のドラム式で調整もしやすいです。

フロントサイト リアサイト
両サイドにガードが付いたシンプルなフロントサイトです。一応、上下に微調整ができます。
リアサイトはL型の起倒式で大小2種類のピープのどちらかを選択できます。

レシーバーエンド
レシーバーエンドにはスリングスイベルを装備しています。

パイプストックが折り畳まれて
本体右側にはパイプストックが折り畳まれています。フォールド状態で特にロックはありませんが、カタカタすることはありません。もちろん、下に向けると勝手に開くなどということもありません。

180度開けばOK
ストックを展開する時はそのまま後に180度開けばOKです。展開した時にはロックがかかります。

バットプレートを展開
ストックを伸ばしたら、矢印のロックボタンを押してロックを解除し、バットプレートを展開します。

パイプのストック
単なるパイプのストックですが、しっかりロックでき、グラ付きなどは一切ありません。

ストック基部レバーストックを折り畳む時は、ストック基部のリリースレバーを押して、ロックを解除します。

フォアグリップを握れる
ストックは折り畳み時でもフォアグリップを握れ、射撃の邪魔になることはないです。

バッテリーはフォアグリップ内
バッテリーはフォアグリップ内に収納します。
コンパクトなリポバッテリーが普及したからこそ、BRETTA M12Sの電動ガン化が可能だったのではないでしょうか。
とはいえ、バッテリースペースは非常に狭く、約縦22×横35×奥行88mmしかないため、使用バッテリーを選びます。

バッテリー
今回は、オプションNO.1のBIG POWER LiPo 7.4V 1100mAh(PEQインタイプ)を使用しました。 このバッテリーのサイズは縦35×横61×厚み12.5mm、重量は50gです。

マガジン
マガジンの外装はスチールプレス製、内装はプラ製で、重量は193gです。装弾数は50発のノーマルマガジンタイプになります。 オプションで多弾倉マガジンも欲しいところです。

実射テスト


40mレンジで試射
いつもと同様、シューティングレンジで40m試射を行ってみました。
使用BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB弾0.2g、使用バッテリーは前述の7.4vリポバッテリーです。



撃ってみた感触は、とにかく“トリガーレスポンスが遅い!”です。
トリガーを引いてからモーターが動き、発射されるという一瞬の間、この“もしゃもしゃ感”はもう90年代の初期の電動ガンという感じです。
フルオートの連射サイクルも秒間11.5発と少々遅いですね。3セルの11.1Vバッテリーならばもう少し小気味よく動くかもしれませんが、耐久度は落ちるでしょうね。

ホップは調整幅が広いが
ホップは調整幅が広いようですが、掛かりがイマイチ緩いと感じました。
ホップが適正に掛かり、すーっとまっすぐ飛ぶ弾道にはみえませんでした。
飛距離も40mが限界のようで、かなりキツそうです。40m手前から急激にBB弾が落ちていきます。
人物大のターゲットで頭を狙って、下半身に当たる感じで、ギリギリ届くという結果でした。
とはいえ、フル、セミの実射テストは快調に作動し、重大なトラブルもありませんでした。

SMGと割り切りが必要
このS&T BRETTA M12SはSMGと割り切り、あまり広くない所、CQBフィールドやインドアフィールドなど交戦距離が20m程度のサバゲでしたら、そのコンパクトさと機動力を活かせ、問題なく活躍できると思いますよ。

外観の処理が雑
実射性能には関係ないのですが、非常に残念なところは、外観の処理が雑すぎます。
表面下地処理も疎かで、塗装もムラが多いです。

へこみ、キズ
さらには凹みやキズが...。しかもキズは後処理されていますが、非常に雑です。
ロアフレームの樹脂パーツの切り出し跡もそのままです。
まぁ、サバゲに使っていれば、キズや剥がれはつきものですが、最初からこの状態では...。ちょっと残念ですよね。

総評


海外メーカーのバイタリティー
コンパクトなリポバッテリーの普及と世界市場をメインにしている香港、海外メーカーのバイタリティーがあるからこそ、このBRETTA M12Sがモデルアップされたのだと思います。
スチール製のレシーバーで剛性も高く、独特なスタイルをよく再現しています。
電動ガンとしては問題なくセミ、フルと撃てますが、飛距離、精度は1990年代レベルといったところでしょうか。
そして外観の処理はもう少し頑張っていただきたいところです。
市場価格で3万円強というのは、まぁ妥当と思いますが、この価格帯ならせめて、外観だけでももう少し美しく仕上げてもらいたかったですね。
個人的感想は、「使えるが、優れてもいない」です。評価としては、ぎりぎり及第点といったところです。

それでもMGC時代を知っている往年のファンには懐かしく感じる1丁でしょうし、この独特なスタイルが好きという人にはよいでしょう。

協力:ビレッジ2

2016/04/21


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