KSC ガスガン G19C ストレートフレイム レビュー

KSC ガスガン G19C ストレートフレイム 【エアガン レビュー】

実銃のグロック19はオーストリアのグロック社が設計した9mm×19パラベラム弾を使用する自動拳銃だ。グロック19はベースモデルとなるグロック17のコンパクトモデルで、全長が16mmほど短くなっている。
グロック17は1983年、オーストリア国防軍のトライアルにおいて、老舗のシュタイアー、H&K、ベレッタ、SIGなどの世界の名だたる一流メーカーのなかから、みごとに新制式拳銃の座を勝ち取った。もともと、グロック社はガストン・グロック氏が1963年に創業した軍用ナイフやベルト、シャベルなどの軍需品を製造するメーカーで、銃器開発は初めてという快挙だった。ポリマーフレームを使用した先進的な構造と映画の影響もあって空港のX線検査にも映らないなどの噂も広がったが、実際にはスライド、バレルは金属なのでこれは事実無根。また、すぐにフレームの樹脂にはX線造影剤が添加された。ポリマーフレームは軽量で極寒や熱にも強く、その実用的なフォルムとあいまってか、たちまち世界中のミリタリーや警察に採用されることとなった。
ちなみにアメリカ市場でいくらで売られているかというと、G19Cは$675。ベレッタM9が$600、USPコンパクトが$879、SIG P226が$929、M&Pコンパクトが$656、キンバーのプロキャリーIIが$834、XD45コンパクト4インチが$589だから、とりわけ高いということでもない。(GunDigest2009調べ)

KSCはこのグロック19をG19としてモデルアップ。そして今回はその年間限定生産のカスタムモデル、G19 ストレートフレイムをレビューする。

KSC ガスガン G19C ストレートフレイム スペック & 初速データ
全長 182mm
重量 730g
装弾数 6mmBB弾 20+1発
定価 16,500円(税別)
発売日 -

KSC G19C実射ムービー
KSC G19C実射ムービー
最高 80.80m/s
平均 78.49m/s
最低 73.72m/s
ジュール 0.616J
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温26.1度、湿度57.0%

パーツリスト(G19)
パーツリスト(G17)

マズル スライド左側面KSCのG19はもちろんグロック19のモデルアップであるが商標の関係上G19とされ、スライド左側面の刻印にもGLOCKの文字はない。

そしてAUSTRIAの刻印はMIL SPECとなっている。

素材はスライドが軽量なABS樹脂、フレームは重量感のあるヘビーウエイト樹脂となっている。

G19CのCはコンペンセイターのCでスライド上部に二つのポートが加工されている。
フロント・リアサイト スライド
フロント・リアサイト共に固定式だが狙いやすい。ブラスト加工したようなサラりとしたスライドの仕上げと、黒々としたマットなフレームの仕上げ、それが良いコントラストとなっている。チャンバーやスライド右側面の刻印は雰囲気たっぷり。フレームの刻印もそれっぽく仕上がっている。
グロックのこの飾りっ気の無い、無骨感、機能美というか、ザ・ツールというか、好きなんだよねぇ。

グリップ後部G19Cストレートフレイムはその名のとおり、グリップ後部が別パーツとなっていて、通常のG19と違い膨らみがなく直線的。
デザインの好き嫌いはともかく、これが意外と握りやすく、撃ちやすい。

グリップ左側面にグロックマークの刻印がないのが残念。

HW樹脂のフレームは最初に持つとヒンヤリとしていて、しばらく握っていると体温で暖かくなってくる。熱しやすく冷めやすい。
しかし、質感と重量感は抜群だ。
グリップ右側面グリップ右側面には本来はパテント番号が刻印されるが、KSCはこれを上手く表現している。
レールダストカバーには各種ライトモジュールを取り付けられるレールがある。ストッパーの溝には控えめにJASG(日本エアースポーツガン協会)のマークが刻印されている。

こういったトイガン特有の刻印を控えめにして雰囲気を壊さないようにしている姿勢はとても大事。

シリアルナンバープレートの形状や質感も実銃の形状をリアルに再現している。
ホールドオープン
ホールドオープン状態。バレルがティルトするショートリコイルも再現。アウターバレルにもポートが開いているが、インナーバレルはブラックメッキされていて目立たないように配慮されている。

セーフトリガーメカニズムグロック独特のセーフトリガーメカニズムを再現している。
トリガーセフティの再現はもちろん、インナーハンマーがコックされている状態ではトリガーは上の写真の位置に。そしてハンマーが押している状態では右下写真のようにトリガーは後退してセフティポジションに位置する。

また左下写真のようにトイガンオリジナルのマニュアルセフティも外観形状を崩すことなく組み込まれている。
可変ホップアップ可変ホップアップが標準装備されている。付属の工具をチャンバー周囲のギサギザに合わせてはめ込み、左に回転させればホップがかかっていく。
写真は構造をわかりやすく説明するため分解したが、分解せずともスライドを引いた状態で調整することが可能。
フレーム
フレーム。スライドはトリガー上部のスライドロックレバーを押し下げれば簡単に取り外せる。

通常分解
通常分解。ここまでの分解は容易。メンテナンス性にも優れる。

マガジン 20発装填マガジンは6mmBB弾をダブルカラムで20発装填できる。

実銃のポリマーシェルマガジンの形状を上手く再現している。

マガジンの素材は亜鉛ダイキャスト。
マガジンフォロアーを一番下まで引けばロックされてBB弾を装填しやすい。

オプションで23連ミディアムマガジン3200円(税別)、49連ロングマガジン4500円(税別)が発売されている。

ガスの注入口マガジンフォロアーを押し下げ、底部のマガジンベースをスライドさせるとガスの注入口が出現する。こういったギミックもKSCならではの気の効いた部分であるが、マガジンベースにグロックマークが刻印されていないのが残念。
各社グロックの比較
各社グロックの比較。左からマルイG26、BWC G32C、KSC G19C、マルイG17(カスタム)となる。スタイルとしてはコンパクトクラスのG19が最もバランスが取れていて好み。コンパクトで使い取り回しも良いし、装弾数も多くマガジンのガス容量もフルサイズ並み。

CQCホルスターはG17/22用ブラックホークのCQCホルスターはG17/22用にちょっとキツ目だが、何とか収まった。
逆にG20/21用にはちょっとぶかぶか。


参考までに実銃のグロック19の写真を掲載。
総重量は738g実測総重量は738g。コンパクトながらズシリと重量感がある。イイね。
さて、実射性能だが、軽量なABSスライドということもあり、想像以上にスライドスピードが速く、リコイルも鋭い。
バキンッ、バキンッと軽快に作動する。トリガーの感触やスライド後退時に発生するリコイルの感触がまさにグアムで撃ったグロック19と似ている。もちろん実銃とはリコイルの強さは雲泥の差だが、感触がイイのだ。マガジンのガス容量も多く、同クラスのガスガンよりも寒さに強そうだ。またこのクラスにしては78.49m/sとフルサイズハンドガン同等以上の平均初速をマークしている。ホップアップ性能はマルイに比べたらやや不安定だが、ゲームでも十分使える性能だ。
気になったのは稀にだが、チャンバーに弾が2発装填されてしまい、1度の射撃で2発同時発射されてしまうことがあったこと。この現象は個体差か、マガジンを替えることで解消するかもしれない。

総評だが、コンパクトなスタイルと重量感、質感ともにコレクション派にも満足できる出来栄え。作動性もよく装弾数も十分だし、弾道もまずまず安定。若干信頼性にかける部分があるが、ゲームのサイドアームには十分耐えうるものだ。49連ロングマガジンでバリバリとハンドガンナーをすることもできるし、コンパクトキャリー本来の姿でタクティカルベストに忍ばせても良い。G19スライドディープブルーも欲しくなった。

2008/10/13


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