G&G 電動ガン FIREHAWK HC05

G&G 電動ガン FIREHAWK HC05

レポート:戸井 源太郎

サバゲーでは圧倒的な弾幕を張れるハイサイクル、かつ動きやすいショートバレルの超コンパクトな電動ガンが人気あります。
台湾メーカーのG&Gからもサバゲー向けのコンパクトなハイサイクルモデル、FIREHAWK HC05がラインナップしています。
しかもただギア比を変えただけのハイサイクルではなく、独特なメカで秒間29発という超ハイサイクルを実現していると聞き、興味が沸き手にいれてみました。
今回はG&GのFIREHAWK HC05をリポートしてみたいと思います。

PMCが装備
実銃でも7.5インチバレルなど超ショートバレルモデルM4は実在します。
特に2001年からの「アフガニスタンにおける不朽の自由作戦」でアフガニスタン政府の要人を警護する特殊部隊やPMCが装備していたとも聞きます。
ジャケット、ベストの下にも携帯が可能であるし、狭い車中では重宝されたそうです。
襲撃者もテロリストだけでなく、軍によるクーデターの可能性もあり、防弾装備を着用していることも考えられるため、ハンドガンではなく、より強力なM4が必要だったのです。

短すぎるバレル
ただ、短すぎるバレルはいろいろ問題がありました。
まずはバレルが短いため、完全に火薬が燃焼し終わる前に銃口から弾丸が出るため、発砲炎が映画並みに凄くなります。その発砲炎で眩しかったり、目標が見えなくなるなど弊害がでます。映画ではかっこいいのですが、実際の戦闘では大問題です。
その発砲炎を軽減するためにノベスキーをはじめ、大型の単なる筒のフラッシュハイダーが生まれることになりました。
またライフルは基本、発射時のガス圧を利用し、次弾の装填を行いますが、これも十分なガス圧を得られずに、ジャムることが多いと聞きます。
最後の問題はバレルが短すぎて、弾丸に十分な回転を与えられないことです。ひどいと弾丸が横になって飛んでいくこともあると言います。命中精度は「推して知るべし」です。
しかし要人警護の場合は警護対象者を護ることが目的なので、襲撃者に対して、弾幕を張って怯ませ、とにかく警護対象者の安全を確保することが重要です。敵の殲滅が任務ではないのです。 また状況に応じて、M4はアッパーごと14.5インチや16インチに交換すればよいのです。

G&G 電動ガン FIREHAWK HC05 スペック & 弾速データ
全長 543~628mm
重量 2,260g
銃身長 120mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 300発
定価 37,500円(税別)
発売日 2015年4月
最高 87.36m/s
平均 86.01m/s
最低 84.13m/s
ジュール 0.74J
回転数 1,614rpm(秒間26.9発)
※11.1vリポバッテリー使用
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約24度(屋外)、X3200にて測定
パーツリスト

パッケージ
G&G FIREHAWK HC05のパッケージは各種M4系と共用のようです。商品機種のステッカーを貼って対応しています。 ボックスサイズは横84×縦26.5×厚9cmになります。

パッケージ内
パッケージ内のブリスターベースにガンが納められています。G&G製のBB弾が1,000発(非バイオ)も付属しています。

同梱書類
G&Gカタログに取説、台湾旅行招待キャンペーン、弾速証明書が同封されています。取説はB3サイズの紙を四つ折りにした簡単なものです。日本語非対応、英語表記になりますが、写真解説でだいたいは理解できるかと思います。

FIREHAWK HC05 左
FIREHAWK HC05 右
インナーバレル長は120mmとハンドガン並みで、極限までにコンパクト化されています。実銃の場合、極端なショートバレルでは、いろいろ問題が発生しますが、電動ガンでは、関係ありませ~ん!
軽いし、コンパクトで動きやすく、利点づくしのような気がします。 それだけでなく、FIREHAWK HC05は中身に特徴があります。

レシーバーは樹脂製
フレームはCOLT M4系のオーソドックスなスタイルです。レシーバーは樹脂製となっています。
ハウジングにはG&GのM4シリーズの名称である「CM(COMBAT MACHINE)」シリーズのオリジナル刻印となっています。

サバゲフィールドのレンタルガン
このCMシリーズはサバゲフィールドのレンタルガンとしてもよく採用されているので、スタンダードなモデルを使ったことがある人もいるかと思います。

ギア
FIREHAWK HC05の一番の特徴はギアにあります。通常の電動ガンのセクターギアと違い、ギア歯の無いところが2ヵ所あります。
電動ガンでは、セクターギアが回転し、ピストンを引き、歯のない箇所でピストンをリリースして弾を発射します。通常はギアが1回転するごとに1発発射します。
それに対して、FIREHAWK HC05のセクターギアは歯のない箇所が2ヵ所あります。
つまりギアが1回転する間に2発発射可能ということです。
独特なアイデアにより、秒間29発というハイサイクル化を実現しています。

セミオートでは撃てない独特なセクターギアにより極限のハイサイクルを可能としましたが、その弊害として、セミオートでは撃てなくなりました。
セレクターは3ヵ所に入りますが、セミの位置でもフルオートになります。
もちろんセフティはちゃんとかかりますよ。

レールハンドガードを標準装備
現用のガンには必須のレールハンドガードを標準装備しています。フリーフロートのレールはダニエル・ディフェンスのオメガスタイルですが、全長はたったの95mmしかありません。レールの材質は樹脂製です。G&GオリジナルのMockフラッシュサプレッサーとアウターバレルはアルミ製です。

グリップグリップはシンプルなタンゴダウンタイプです。滑り止め効果も高く、非常に握りやすいです。

フロント、リアサイト
フロント、リアサイトは着脱可能なオリジナルデザインのフリップアップサイトが標準装備です。材質はメタルでサイト基部にはGGの刻印が入ります。

可変ホップアップの調節ダイヤル
エジョクションポート内に可変ホップアップの調節ダイヤルがあります。チェンバーの形状からメカの基本構造はVer.2と同様だろうと思われます。

スリングスイベル
レシーバーエンドにはCQDタイプのスリングスイベルを装備しています。

ストック
ストックはG&GオリジナルのGOS-V2ストックを搭載していて、6段階で伸縮できます。右側のレバーでストックの伸縮を行い、左のレバーを押すことでストックの位置をロックできます。右のレバーを押せばロックは解除できます。

バッテリーケース
またストックエンド下部にある丸いレバーを押し、支柱を外に引き出すように押し下げると、チューブタイプのバッテリーケースが開きます。タクティカルライト用のCR123Aバッテリーを2本収納可能です。

バッテリーはストックパイプ内に収納
バッテリーはストックパイプ内に収納します。バッテリーはコンパクトなスティックタイプのリポバッテリーを推奨します。取説には使用バッテリーについては明記されてませんでしたが、3セルの11.1vがよいでしょう。7.4vのリポバッテリーではサイクルが極端に遅く、本来の性能を発揮できませんでした。

OPTION NO.1の11.1V 900mAhバッテリーはストックパイプ内に収納するため、コンパクトなOPTION NO.1の11.1V 900mAhがおススメです。
バッテリーサイズは縦20×横101.5×厚み16.5mmとなります。

GMAG-V1マガジン
マガジンもG&GオリジナルデザインのGMAG-V1マガジンが標準装備です。独特な形状でラバー塗装が施され、滑りにくくなっています。いかにもフォアグリップとして使えるようなフィンガーレストがありますが、給弾不良の原因となりますので、マガジンを握ることはあまり推奨しません。装弾数300発のゼンマイ給弾タイプです。一応、東京マルイ他、共用できます。海外製のHK416などはハウジングの角度が違い入りませんでした。

実射性能
さて気になる実射性能はどうか、射撃テストしてみました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオの0.2gを使用しました。ホップアップを適正に設定して試射してみたところ、けたたましい発射音とともにBB弾が連なって飛んでいきます。まさに「線」のようにみえました。
弾筋も素直で40mまではバラけず、一直線に飛んでいきます。マンターゲットになら十分ヒットできる精度がありました。
セミオート射撃の機能はありませんから、弾を温存したい場合は指きりでバースト射撃となります。しかし、この電動ガンの特性を考えるとセミオートは必要ないかもしれません。
連射サイクルを測定したところ1,614rpmで、秒間では26.9発となります。キャッチコピーの秒間29発にはわずかに及びませんでしたが、それでも十分な回転数だと思います。
実射性能に関しては、素直に気に入りました。
コンパクトで軽く機動力があり、トリガーを引けば、脅威の連射力のハイサイクルで圧倒する。正直、敵が持っていたら嫌です(笑)。

ギアが1回転で2回発射
このFIREHAWK HC05はセクターギアが1回転で2回発射する機構となっています。単純に考えるとピストンを引く距離が半分になり、その分、初速は落ちるのではないかと考えていましたが、意外にも0.2gBB弾で平均86.01m/sと結構出ています。おそらく強いレートのスプリングで瞬発力を高めているのではないかと推測します。そのため、バッテリーは11.1Vが必須となるのでしょう。

ハイサイクルだけあってトリガーレスポンスも良好ですが、その反面、モーターが加熱しやすいので、注意が必要です。600発ほど撃ったところで、グリップが熱くなっているのがグローブをしていてもわかるくらいでした。



十分サバゲで通用する精度
何回かG&Gのエアガンをリポートしてきましたが、どうも機種により性能、精度にバラつきがありすぎるような気がします。過去に正直、落胆したものもありましたが、このFIREHAWK HC05については合格です!

十分サバゲで通用する精度を有しているのはもちろん、圧倒的なハイサイクル射撃により40m先に瞬時に弾幕を張ることができます。コンパクト・軽量なので機動力もあり、コストパフォーマンスも妥当なところと思います。 唯一不満な点はセミオートで射撃できないということですね。

このタイプのハイサイクル電動ガンというと東京マルイのM4 CRWがライバルになるのですが、こちらは8.4Vのニッケル水素バッテリーで秒間24連射(実測値)を実現しており、セミオート射撃も可能です。
実勢価格もおよそ同じかFIREHAWKがやや安いかと言うところですので、どちらを選ぶかは悩ましいところです。

ただ、いつも辛口な私も今回は、FIREHAWKには高評価を付けさせていただきます。 また昨今増えている女性ゲーマーのメインウェポンにもFIREHAWKは良いのではないでしょうか。

撮影協力:ビレッジ2

2015/11/23


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