マルゼン KG9 フルオート

マルゼン KG9 フルオート

写真&解説 小堀ダイスケ

解説

KG9といえばエアガンの歴史を変えた名作であり、一時期はマルゼンのドル箱商品のひとつでもあった。発売されていた期間が長いモデルなだけに、様々なバリエーションが存在する。その元祖といえば、1982年発売のカートリッジ式エアコッキングガンだ。
その後、1986年にはセミオートガスガン化、そして1990年に発売されたのが、今回紹介するBV式のフルオートガスガンで、マルゼンKG9としては3代目にあたる。

ところで、ビンテージエアガンレビューではBV式のガスガンを取り上げることも多いが、若い読者にとっては実感のない存在かもしれないので、ここで簡単に解説しておきたい。

BV式というのは、アサヒファイアーアームズのバトルマスター(BM-I)をルーツとするフルオートガスガンの作動方式で、Bullet Valve方式の略だと言われている(諸説あり)。その名の通り、BB弾がエアーの流路をふさぐ「バルブ」となることで圧力が上がるシンプルな構造のため、簡単な改造でパワーアップが出来てしまうのが特徴だ。1980年代のサバゲーブーム創成期には、「極悪銃」と呼ばれるハイパワーガスガンがフィールドを席巻し、ケガ人が出るといった異常事態にまで発展したという経緯がある。

その後、電動ガンとホップアップが健全な方向で実用化されるにつれ、BV式のガスガンは次第に廃れていくわけだが、現在では銃刀法により、当時のままの状態で保存することは違法となってしまう可能性が高い。一定以上の気圧がかかるとエアを放出する「リリースバルブ」が取り付けられているか、もしくは発射機能を除去して撃てない状態にしておくなどの措置が必要だ。

もちろん、このコーナーで紹介するBV式のエアガンはすべて発射機能が除去されており、いわゆる「ガワだけ」の無可動品であることは言うまでもない。

ひるがえって、このKG9をみても、ダミーのボルトカバーが前後するだけで、もともとが発射機構に関して可動する部分はほとんどない。マルゼンの看板商品だけに外観の完成度は高いが、現代のガスブローバックなどに比べていまひとつ面白みに欠けるのは事実だ。

エアガンというのは単にパワーを追い求めるだけではなく、様々なギミックや作動があってこそ魅力的な製品になり得るのだということを、あらためて思い知った次第である。

KG9 フルオート サイドビュー左
KG9 フルオート サイドビュー右
本作以降、マルゼンKG9のグリップフレームはガラス繊維入り強化プラスチック製となった。この個体にはマルゼン純正オプションのフォールディングストックが装着されている。

バレルジャケット
KG9は初代カート式エアコッキングの後期型ではバレルジャケットがプラスチック製になったが、最後期のKG9 SPでは再びスチール製に戻された。ガスセミオート版では再びプラ製となったが、本フルオートガスガンではスチール製バレルジャケットとなっている。アウターバレルは亜鉛合金製だ。

フォールディングストック
フォールディングストック取り付け基部。このストックはリミテッドエディションにセットされていた物でオプションパーツ販売もされていた。ガタなどもなくしっかりと構えることができる。

コッキングハンドル
ボルトカバーが後退
コッキングハンドルを引くとダミーのボルトカバーが後退するが、内部には発射ユニットが内蔵されているためこの通り。BV式特有ともいえる、面白みに欠ける部分かもしれない。

フォールディングストック
ストックはスチールパイプにバットプレートが溶接されているという頑丈な構造。肩付けの位置もよく計算されており、とても構えやすい。

外部ソース接続用のコネクター
本来ならグリップから外部ソース接続用のコネクターが出ていたが、この個体ではユニットが破壊されているためその面影はない。

マガジン
スチールプレス製
マガジンはエアコッキングの物を流用したと思われるスチールプレス製。内部にはBB弾を押し出す弱いスプリングが入っていたが、この個体では取り外されている。

DATA


発売年 1990年8月初旬
発売時価格 ¥13,500
全長 実測 385mm(ストック折り畳み時)
重量 実測 1,770g(ストック含む)
バレル長 -mm
発射方式 BV式ガスフルオート
使用弾 6mmBB弾
装弾数 80発
平均初速 -m/s

撮影協力:サタデーナイトスペシャル

2020/05/31


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