A&K 電動ガン PKM リアルウッド

LCT 電動ガン PP-19-01 Vityaz(ビチャズ)

レポート:戸井 源太郎

主要パーツにスチールを多用したことによるリアルな質感、その重量感、ビクともしない高い剛性を実現したAKシリーズの電動ガンを数多くラインナップしている台湾のトイガンメーカーLCT。
フルメタルのリアルな外観から、ロシア軍マニアだけでなく、トイガン好きのサバゲーマーからも好評を得ています。
そのLCTから2015年10月にAKのサブマシンガンモデル、PP-19-01 Vityaz(ビチャズ)が発売されました。
今回は、このVityazをレポートしたいと思います。


PP-19-01 Vityazはハンドガード下にグレネードランチャーのような円筒形のマガジンがついたPP-19 Bizon(ビゾン)のコンポーネントを流用したサブマシンガンです。
口径は9mm×18マカロフ弾ではなく、西側で広く使われている9mm×19パラベラム弾を使用します。
Bizon、Vityazの設計は、あのミハイル・カラシニコフとエフゲニー・F・ドラグノフの息子たちによるものだそうで、製造はロシアのイズマッシュ社が行っています。
AKシリーズと操作法や構造は多くの部分で共通なので、AKの訓練を受けてきた兵士などは支障なく扱えるメリットがあります。
西側におけるMP-5と同様の位置付けとされ、ロシアの特殊部隊スペツナズや法執行機関関係で広く使用されているようです。
ちなみにVityazとはロシア語で「騎士」や「英雄」という意味なのだそうです。

サブマシンガンサイズのコンパクトなボックスで、サイズは縦28×横61×高11cmになります。箱にガンの名称がないことから各機種共通なのかもしれませんね。
ボックスの中でストックは折りたたまれて、入っているため、非常にコンパクトです。
内容物は取り説を除けば、ガン本体とマガジンのみです。保護キャップやクリニーングロッドなどは付属されていませんでした。


ガン本体の他は取説と保証書が同封されています。解説文は英語、ロシア語、日本語、中国語と4ヵ国語が併記されています!


黒光りのする鋼のボディに、ちょっとオイルが染み出てくる雰囲気は実にリアルで、すばらしい出来です。

LCT 電動ガン PP-19-01 Vityaz(ビチャズ) スペック & 弾速データ
全長 480~705mm
重量 3,220g
銃身長 120mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 50発×2本
定価 56,000円(税別)
発売日 2015年10月
最高 88.38m/s
平均 87.95m/s
最低 87.36m/s
ジュール 0.774J
回転数 792rpm(秒間13.2発)
※7.4vリポバッテリー使用
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約13度(屋外)、湿度46%、X3200にて測定
パーツリスト


フレーム、アッパーレシーバーともにスチール製となっています。細いマガジン以外、ボディ、各パーツの構成はAKと同じになっています。


セレクターはAKシリーズと同様、上からセ―フ、フルオート、セミオートとなっています。9mm弾仕様なので、エジェクションポートの長さは、かなり短いです。


フレーム左側には、スコープやドットサイト装着用のサイドマウントベースが標準装備されています。
スコープを搭載し、精密な射撃を要求されるライフルなら必要かもしれませんが、主に近距離で使用を前提にしているサブマシンガンであるVityazは必要ないのでは?
アッパーレシーバーにレールがありますし...。


ボルトハンドルを引き、エジョクションポート内にホップアップレバーがあります。東京マルイのAKと同じスライドレバータイプになっています。
9mm弾仕様でエジェクションポートがAK-47などと比べても、かなり狭く、指では非常に調整しにくいです。


ハンドガードは樹脂製で、レールなどは装備されていません。
実銃同様にリアサイト下にあるレバーで簡単にハンドガードを分解できます。
ただ、個体差なのか、ハンドガード上部がしっかり固定されてなく、クルクル動くのがちょっと残念です。


肉厚のフラッシュハイダーを装備。フロントサイトとともに材質はスチール製となっています。
フロントサイトは上下のみ調整可能です。


リアサイトはAKシリーズ共通のタンジェントサイトとなっています。
もちろん、可動しますが、9mm弾ということでサイトの目盛りも50~200mと近距離仕様表示です。


アッパーレシーバーにレールが装備されています。レール部はアルミのようです。
通常、AKでは、レシーバーは単なるカバーでしっかり固定されていないため、光学サイトを搭載するには適していませんでした。
しかしCQB用としてのドットサイトならレシーバーの上でもそれほど問題ないのかもしれません。

グリップは樹脂製でAK74シリーズとは違うチェッカリングなどはないシンプルなものとなっています。


AKS-74Uと同様のスチール製のシンプルな折り畳み式スケルトンストックです。がっちりとしており、構えてもグラつきはありません。
ストックを折り畳む場合は基部のボタンを押し、ロックを解除すれば、畳めます。


ストックは多くの西側ライフルとは異なり、左側に畳まれます。


折り畳み時は、フレームにあるピンでストックを固定しています。
ストックを展開したいときはストックをちょっと上に動かしてから開くとよいですね。


マガジンハウジングは樹脂製のカバーを装着することで、9mm口径サイズのマガジンに対応するようになっています。
マガジンキャッチはAKシリーズと同様、前に押すレバー式です。
多くのAKシリーズとは異なり、マガジンは垂直に脱着が可能で、マグチェンジしやすいです。


アッパーレシーバーの後端にあるボタンでレシーバーを外せます。この機構はAKシリーズと共通です。


AKシリーズの完全分離式と違い、Vityazのアッパーレシーバーはヒンジ式となっています。
バッテリーはアッパーレシーバー内にスティックタイプを収納します。


マガジンはプラ製で2本がマグバインダーで連結されたものが標準装備となっています。
装弾数各50発のスプリング式ノーマルマガジンです。
重量は2本でもたったの305gです。
スペアも2本連結されたダブルマガジンで価格5,500円(税別)となっています。


このLCT Vityaz、外観は素晴らしい完成度で眺めるだけでも満足できますが、電動ガンは実射性能も重要です。早速、フィールド実射テストを行いました。

ホップを調整した後、毎回恒例のボディターゲットを40mの距離で撃ってみました。
まずはセミオートで撃ってみたところ、弾道は素直にまっすぐ飛びます。飛距離は40mで十分、人物大にヒットできます。
フルオートでもBB弾がほぼ筋となってターゲットに吸い込まれていきます。
ただし、50mとなると軽量の0.2gBB弾ではバラけはじめます。ボディに当たらないことはないが、風などの影響も受けやすく容易ではないでしょう。
初速も0.2gBB弾で、約88m/sと安定しており、精度、パワー共にサバゲで十分、使える品質だと思います。



飛距離、精度とLCT Vityazの実射性能は、合格レベルに達していると思いますが、ここで問題発生です。
セミオート時、トリガーを引くと、かなりの頻度でBB弾が2発発射されます。
“ババン!”と2連射バーストになってしまうのではなく、同時に2発発射されてしまうことが何回もありました。
平均で2割、一番ひどいときは7割くらいありました。
同時に2発発射されるため、飛距離は正常時の半分、20mくらいしか飛びません。
フルオートでは、全弾まっすぐ飛んでおり、特に弾ポロのような症状はみられず、問題はありませんでした。
この原因は...、ガンではなく、BB弾にあると考えています。
ハイパー道楽では、現在、レポート用に東京マルイのベアリングバイオBB弾 0.2gを使用しています。
東京マルイのBB弾はみなさんもご存知のとおり、真球度など誤差も少ないハイクオリティBB弾です。
また東京マルイのBB弾は表面に多量のワックスが塗布されており、非常に表面が滑らで摩擦係数も低いとも聞きます。
実際、過去に2つ思い当たることがありました。
まず、過去にハイパー道楽でレポートしたBOLT SR-16でのエピソードです。
600発ほど撃ってみた後、急に弾道が乱れ、まともに飛ばないレベルでした。
インナーバレルをチェックしてみるとバレル内側がササクレ状になっていました。
代理店からメーカーに返送し、究明していただいたところ、アルミ製のインナーバレル内にBB弾のワックスが付着したのが原因というのが、BOLTの見解でした。

もう1件は、私個人が所有している海外製電動ガンです。2年以上愛用していますが、最近、Vityazと同じ問題が発生しました。
マグチェンジ後やガンをストレートダウンから素早く構えて撃ったりすると最初だけ2発同時発射になってしまいます。
使用弾は東京マルイのベアリングバイオBB弾0.25gです。
購入したショップで聞いたところ、東京マルイのBB弾は滑って、チェンバーに2発装填されることがあるとのことでした。
また東京マルイのBB弾は微妙に小さいのではということも聞きいたことがあります。
以上からガンではなく、BB弾との相性が問題と考えました。

BB弾による実射テスト
この推測を実証するために急遽、各種BB弾による実射テストを行い検証してみました。
用意したBB弾は4種。
左からSIIS「ボタニカルバイオBB 0.2g」、G&G「バイオBB 0.2g」、ギャロップ「生分解性バイオ精密BB弾 0.2g」、東京マルイ「ベアリングバイオBB0.2g」です。
検証は各BB弾でマガジン2本、計100発ずつを順番に撃つ。これを2回繰り返し、計200発撃ってみました。
射撃距離は7mで防護ネット向けて射撃し、何回2発発射が発生するか、弾を目視でチェックしました。

結果は...
SⅡS「ボタニカルバイオBB 0.2g」
1本目:1回(最後の1発のみ2発発射)
2本目:0回
3本目:0回
4本目:0回

G&G「バイオBB 0.2g」
1本目:0回
2本目:0回
3本目:0回
4本目:0回

ギャロップ「生分解性バイオ精密BB弾 0.2g」
1本目:1回
2本目:0回
3本目:0回
4本目:0回

東京マルイ「ベアリングバイオBB 0.2g」
1本目:3回
2本目:9回
3本目:8回
4本目:6回

実験結果から2発発射の原因はやはり東京マルイのBB弾にありそうです。
2発発射のとき、発射音は明らかに大きく、ピストン前進時のリコイルも正常のときと異なり、にぶく強い感覚があり、体感からもわかります。

昔からガンとBB弾は相性があるといわれています。
「ガンと同じメーカーのBB弾がよく当たるとは限らない。いろいろ自分で試す必要がある」
と先輩から聞いたことがあります。
決して、東京マルイのBB弾の精度が悪いというのではなく、逆に良すぎるのではないかと思います。

中には「BB弾によって正常に発射されないのは問題だ」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、それこそBB弾もピンからキリまでありますし、精度より低コストという方もいれば、精度重視の方もいらっしゃるでしょう。そのガンに合ったBB弾を選ぶことも重要なのではないでしょうか。



ショップやLCTユーザーからの事前情報では、外観は実銃並みの完成度で、非常に素晴らしいが、実射性能は...多少手を入れてあげないと厳しいかなぁというような話を聞いていましたので、あまり期待をしていませんでした。
しかし、このVityazは箱出しの状態で、飛距離、精度ともに概ね良好でした。

BB弾との相性はあるかもしれませんが、ガン本体の性能としては、まず合格といっていよいと思います。
あえていうならマガジンの装弾数が各50発というのはちょっと物足りない気がします。
ゼンマイ式の多弾倉マガジンもオプションとして用意してあるとよかったかもしれません。
あと、ライト装着用にハンドガードにミニレールが欲しいと思いましたが、実銃にはない装備ですので、単に個人的要望過ぎませんね。

コンパクトなので、取り回しもよい
実射性能も十分、またコンパクトなので、取り回しもよいし、使い勝手がよいです。
スチール製ボディで、重量は3kgオーバーですが、構えてみるとバランスがよいのか、重いとは感じません。逆にこの重量感が雰囲気を増しています。

またボディは、ちゃんとオイルを塗布するなど日々手入れをしなければ錆びてきます。しかし、こういうメンテもガン好きに堪らないのではないでしょうか(^_^;。
ロシア軍のスペツナズ用AKタイプのサブマシンガン、Vityaz。しかも世界初のモデルアップということもあり、今、注目度が高い電動ガンです。
まぁ購入しても“損したー!”ということはないでしょう。
そもそもこのVityaz購入を検討している方の動機の比重は電動ガンの性能より、外観のリアルさにあると思われます。そのようなファンなら間違いなく満足できる1丁ではないでしょうか。

撮影協力:ビレッジ2
衣装協力:中田商店

2016/01/07


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