
TOP 7.62mm 六四式小銃
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
自衛隊装備でサバゲーをしたいファンにとって、最初の救世主となったのがTOPの64式小銃だ。それまで64式小銃のトイガンはホビーフィックス製の高級モデルガンしかなかったため、業界では鳴り物入りの登場となった。電動ガンとしてもかなりの意欲作であり、ジャバラ式のバルグピストンやオプションの電動式弾倉など、いくつかの斬新なメカも搭載されていた。
実銃の64式小銃は、言うまでもなく我が国の自衛隊が誇る国産自動小銃である。7.62mm×51NATO弾を使用し高い命中精度を目指して設計されたが、残念なことに肝心の自衛隊員にはかなり不評だったようだ。いわく、排莢口から異物が入りやすく作動不良が多い、ピン類が脱落しやすい、照星がすぐに倒れて狙えない、そもそも重過ぎる、等々…。それでも一般の自衛隊ファンにとっては憧れの小銃であり、電動ガンの登場は喜ばしい事だったはずだ。
しかし、実銃の64式小銃同様、TOPの電動ガンもトラブルが続出してしまった。バルグピストンが切れてエア漏れを起こしたり、電動式のマガジンが故障して給弾されない、等々…。後に発売されたS&Tの64式小銃では一般的なシリンダー方式のピストンを採用、通常のゼンマイ式マガジンが装備されており、サバゲーでの実用性ではS&Tに追い越されてしまったが、各部ディティールの丁寧な作り込みではTOP製に軍配が上がる。そのため今でもファンが多く、やはり64式小銃は日本製でないと、というユーザーにとってはかけがえのない名銃なのである。
長めの2脚、やや前方が持ち上がった状態ですっくと立つこの姿こそが64式小銃の美しさだ。燐とした独特の雰囲気は、帝国軍兵器と近代小火器の狭間に浮かぶ時代の生き証人といったところだろうか。
全体的に64式小銃特有のやぼったさがうまく再現されている。弾倉の前傾角度なども実銃らしさを表現するポイントで、銃床はプラ製だが赤い色味が実物の桜材を彷彿とさせる。
4つ穴の消炎制退器は亜鉛合金製でエッジの立ったしっかりとした作り。実銃は全体的に同じ色調なのだが、この茶色っぽい着色も不思議と存在感がある。
状況中、後方に倒れてしまい据銃した際に狙うことが出来ないと隊員には不評だった照星。もちろんTOPの64式小銃でもその特徴がしっかりと再現されている。
上下左右の調整が可能な照門。つまみのローレット加工など、細かい部分もしっかりと作り込まれている。
独特で複雑な形状の被筒。上下2分割で上はプラスチック製、下はアルミ製。
引っ張りながら回す切り替え金も忠実に再現。刻印のアは安全(セフティオン)、タは単発(セミオート)、レは連発(フルオート)の意味。
ホップアップの調整ツマミは大きくて扱いやすく、真鍮製で頑丈だ。ちなみにTOPではホップアップではなくスピンと呼んでいた。
バッテリーは銃床内に収納。開閉式で肩に乗せられる銃尾板も厚いスチールプレス製で頑丈だ。
故障の多かった電動式弾倉。通常のスプリング式弾倉もあったが、ここまで凝るのがTOP製品の特徴だったと言える。
マニュアルでは構造がすべて明らかにされており、パーツも1個から買えたようだ。
manual.pdf
(6.6MB)
DATA
発売年 | 1996年5月 |
発売時価格 | ¥52,800 |
全長 | 実測 992mm |
重量 | 実測 3,475g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | 電動ガン |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 500発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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