ギリースーツの魅力

ギリースーツの魅力

ギリースーツ(Ghillie suit)、ギリーフードは、森林で周囲の茂みに溶け込むために着用する偽装網だ。ハンターや本職のスナイパーが着るためのものだが、もちろんサバイバルゲームにおいてもその効果を発揮して有利にゲームを展開できるアイテムだ。


今回はハイパー道楽のチーム定例会で千葉のフォレストユニオンにて、ドレスコードはギリースーツ!! 実際に着込んで遊んでみたのでレビューする。

ギリーの利点は敵に見つからないこと

ギリーの最大の利点は被発見率の低下、つまり敵から見つかりにくくなるということだ。キッチリ擬装したプレイヤーは目の前数メートルに敵がいても気づかれない、なんてこともある。つまりはサバゲーにおいて敵からは見つかっておらず、自分は敵を見つけているという、圧倒的に有利な状況を作り出すことができるわけだ。
もっとも、映画やアニメの光学迷彩のように動いても見つからないというわけではなく、当然ノソノソと歩いていれば見つかってしまう。あくまで停止した状況での話だ。

また、ギリーは着用すると判るが意外に暖かい。冬場のゲームではちょっとした重ね着のごとく温まれるのも利点と言えるかもしれない。

一方でギリーは着用すると動きにくくなるのが短所。擬装網が周囲の小枝やバリケの端に引っかかったりして通常の迷彩服よりも動作に気を使わなくてはならない。
また、マガジンチェンジの際にギリーの下に着用したマグポーチやダンプポーチにアクセスするのも苦労することが多い。したがって、ギリーを着るときはマガジン交換のなるべく少ないウエポンを選択することも大切だ。

また、当然だが、ギリーはプレーするフィールドを選ぶ。茂みの多い森林フィールドであることはもちろん、プレーする季節やそのフィールドの植生に合わせた色味であることも重要だ。

ギリーはなぜ見つからないのか?


ギリーの効果はその色や質感もあるが、最も効果があると言われているのが、人のシルエットを消すことにある。とくに頭部から肩のラインのシルエットで人間は人と認知する。この人の特徴的なシルエットをギリーで隠すことで一気に被発見率が低下するのだ。
したがって最小限頭部シルエットを隠すことができれば動作を妨げずに擬装効果を保つことも可能になる。ハーフジャケットやギリーフードなど、ヘッドギア中心のものがあるのはそんな理由もあるからだろう。

ギリースーツの種類

いくつか代表的なギリースーツの種類を紹介しよう。

麻布をほぐして沢山取り付けたようなモサモサのギリースーツ。通称モズク、あるいはモリゾー、緑のムックとも呼ばれる。
最も擬装効果が高いギリースーツの代表格。軍隊などでもこれを着用しているスナイパーを見ることができる。日本でも入手可能。上下分割のジャケット&パンツタイプになっていて、ジャケットだけでも着用可能だ。


カモフラージュ効果が高いモズクだが、その素材の性質上、木の葉や小枝を大量に巻き込む。これを取り除くのは非常に困難で、洗濯機で洗おうものなら、ランドリーネットに入れても細かい糸くずが大量に出て大変なことになる。メンテナンスが難しいのが難点と言える。



ゴム引きのシートが波状にカットされた迷彩ネットを使用した通称ワカメ。ギリースーツとして販売されているものではなく、迷彩ネットを上から被るだけでもギリースーツとしての効果を発揮できる。


グリーンと、ダークアース系のリバーシブルになっており、もともと軍の放出品で20~30年前まではミリタリーサープラスショップで入手可能だったが、現在ではほとんど店頭でみなくなった。
ネット付きの軍用車両用を干からびた中古で見かけるくらい(これを乾燥ワカメと呼ぶ)だが、ネットはバリケやブッシュに引っかかりやすいので、写真のゴム引きシートのみのものがおススメ。また、木の葉を巻き込む様なこともなく、メンテナンスはほとんどしなくてよいのも魅力。


現在では化繊の迷彩ネットが2~3000円でネット販売されているのでこれをギリーフードとして利用しても良い。


海外でハンティング用品として作られたギリースーツが輸入されている。こちらはリーフウッドランド迷彩のフード付きジャケット&パンツタイプ。ギザギザした立体的な布が取り付けられている。


ポンチョタイプやハーフジャケット(ギリーフード)と呼ばれる腕と頭部、胸部のみを擬装するコンパクトタイプもある。プレートキャリアやチェストリグ、腰回りのベルトポーチにアクセスしやすいのが特徴だ。


いずれも共通するのはフード付きということ。ここが人のシルエットを消す重要なポイント。
またこの迷彩柄は日本の植生に少し合わないので、スプレー塗料などで好みで着色してカスタムするユーザーもいる。


このように頭部のみを擬装するドレッドヘアータイプだけでもずいぶんと迷彩効果が上がる。


麻布を染めて作った自作のギリーキャップ。帽子のつば部分は目立つので短く切り落としても良いかも。
また、素肌を露出すると目立つのでフェイスマスクなどで覆うのが良いだろう。


ワカメギリーコンビで記念撮影。


リーフウッドカモコンビ。背後のボードにはフェイクグリーンがあしらわれているが、ギリーとそうでない部分の差は歴然。実際のゲームではこんなに突っ立ていることはないので、しゃがんだり伏せてしまえば上半身だけでも擬装効果は向上する。


さて何人隠れているでしょうか?


はい、こんなに隠れていました~。っていうか、これでも何人なのかわかりにくいし。


さてこちらはどこにいるでしょうか? w


ほれ~!! こんなギリーまみれのバリケに戦いを挑みたくないぞ!!


休憩時間はみんなで集まって暖を取る。冬のサバゲーはギリーに限る。得体の知れない塊だなぁ。

ギリーはネタなんかじゃない! ガチだ。

ギリーを着てフィールド定例会なんかに行くと、周囲から「あらモリゾーさん?」と、キャラクター扱いされたり、「ワカメさん、写真撮らせてください!」とか、稀有な目で見られがちなのだが、それはギリーの恐ろしさをわかってないのだ。
ギリーの効果を知っているプレーヤーからしたら、「あのギリーさん、どっちのチームなんだろう...バクバク」みたいな戦慄すら覚えるほどなのである。

個人的にはサプレッサー、低倍率スコープ、そしてギリースーツでサバゲー最強戦士が可能だと思っている。まあ、どこまでこだわってゲームに臨むかは人それぞれだが、一度ギリースーツを着て森林ゲームを楽しんでほしい。圧倒的に敵から撃たれにくくなるので、まるでプレデターか素子にでもなったかのような気分が味わえる。

2016/12/14

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