C-MORE CUP アンリミテッド 2012 シューティングマッチ

アンリミテッド 2012 シューティングマッチ

2012年6月10日に東京都台東区の都立貿易産業センター台東館にて開催された、スピードシューティングマッチ「C-MOREカップ アンリミテッド 2012」をレビューアンリミテッドは今回で5回目を迎える。

C-MOREカップ アンリミテッド 2012

アンリミテッドって、なに?」という読者のために少々説明を。

アンリミテッドとは5枚のターゲットをいかに早く撃てるかを競う、スピードシューティングマッチ

オープン、スタンダード、ライフル、リボルバー、カウボーイの5つのクラス分けがある。

5つのクラス分
オープンクラスはセミオートハンドガンを用いて、ドットサイトやコンペンセイターなどのレースガンも使用可能なクラス。一方同じハンドガンでも、スタンダードクラスは光学照準器不可でサイズ制限がある。

ライフルクラスは全長60cm以上の長物ライフル・サブマシンガンを用い、リボルバークラスは回転式シリンダーをもつエアガンを使用する。
カウボーイクラスはシングルアクションリボルバーを使用し、服装もテンガロンハットを被るなどのドレスコードがある。

5枚のターゲットをなるべく早く撃つ
アンリミテッドのルールはとてもシンプル。指定の場所から動かずに5枚のターゲットをなるべく早く撃つだけ。
白いターゲットを撃つ順番は自由。外しても何度でも撃ち直し可能だ。

ただし一番最後にタイマーをストップする黄色いターゲットを撃たなくてはならない。白ターゲットを撃たずにストップターゲットを撃ってしまうと、1枚につき3秒のペナルティが課せられる。
これを1ステージにつき5回繰り返してタイムの良かった4回を累積して記録する。

シンプルであるが、これがやってみると実に奥深く難しく、そして楽しいのだ。

5つのターゲット、5つのステージ、5つのクラス


木火土金水(もっかどごんすい)を表した5つのステージ
ステージは5つ。古代中国に端を発する自然哲学、五行説でいうところの、木火土金水(もっかどごんすい)を表した5つのステージだ。

スクワッドと呼ばれるグループごとに撃っていく
木(Oak Tree)、火(Fire Flame)、土(Grand Force)、金(Time is Money)、水(Splash Water)の名称が付いた各ステージを10組に分けられたスクワッドと呼ばれるグループごとに撃っていく。

丸いターゲットと、25cm×35cmの四角いターゲットが組み合わされて設置
各ステージには直径10cm、12.5cm、14cm、15cmのスチール製の丸いターゲットと、25cm×35cmの四角いターゲットが組み合わされて設置される。射撃位置からターゲットまでの距離は2m~5mと近いが、設置位置が低いターゲットもある。

ハンズアップ指定の射撃位置につき、マガジンと弾を装填。肩より上に手を上げるハンズアップと呼ばれる射撃準備の姿勢をとればレンジオフィサー(審判)がスタートの合図を掛ける。

シューターズ、レディー!!
スタンバーイ...と審判が声を掛け、タイマーのボタンを押すと"ピー"と電子音が鳴る。
ここからストッププレートを撃つまでの時間が計測されるのだ。

ストッププレートにはこのタイマーが接続ストッププレートにはこのタイマーが接続されていて弾がプレートに当たるとタイムが止まる仕組み。

トップシューターは約2秒で5つのターゲットを撃ち終える。凄い!!!
ターゲットの裏側には音感センサーターゲットの裏側には音感センサーが付いていて、弾が当たるとこれを感知し、ターゲット中心に埋め込まれたLEDが一定時間だけ点灯する仕掛け。
これによって弾が当たったかどうかを判断することが容易になった。
スコアを確認してサインをするそのステージを5回撃ち終えたら、すぐさまアンロードし銃をしまって、退場する際に自分のスコアを確認してサインをする。

タイムの良かった4回の秒数が足されて、このステージのスコアとなる。

それぞれの楽しみ方があるアンリミテッド


人気はオープンクラスやはり人気はオープンクラス。
出場者も最も多い。
今大会では全112名の出場者のうち、48名がオープンクラスでエントリーしている。
ライフルクラスライフルクラスでは電動ガン、ガスブローバックなど使用するモデルも多種多様。
このシューターはKSCの電動HK33を使う。
TOPの排莢式電動ガンを使用する
またTOPの排莢式電動ガンを使用するという、こだわりシューターもいた。このシューターはさらにトレーサーを装着していたが、さすがに明るい会場ではトレーサーの効果はなかった様だ。

自分の好きな銃で早撃ちを楽しむといった一面もそういった意味では単純にタイムを追求するだけではなく自分の好きな銃で早撃ちを楽しむといった一面もアンリミテッドにはある。
デコレーションを施したM4カービン
なかにはこんなデコレーションを施したM4カービンで出場する選手もいた。シェンロン(神龍)!!

小さいレースホルスター
トップシューター達が使用するホルスターも興味深い。トリガーガードとマズルだけをカバーする小さいレースホルスターを使用する。スタートの合図とともにちょいと上げてマズルロックを外し、そのまま前方へ突き出す様に抜ける。


マズルのロックすらないコンパクトなレースホルスターも見られた。トリガーガードだけで保持するタイプだ。ホルスターは体から離せば抜きやすくなるが、最大で体から5cmまでと決められている。

タクティカルホルスターを使用するシューターもちろんスタンダードクラスにはCQCシェルパなどのタクティカルホルスターを使用するシューターもいる。
リボルバーは6発しか撃てないので、ターゲットを外したときのことを考え、予備の弾を装備する。
回転式シリンダーを有しているものしか使用できないので、マルシンのXカートやタナカのペガサスが多かった。
スピードローダーがずらっと並んだ様は圧巻だ。


ライフルクラスにエントリーしていたポイントのライブカート式ウィンチェスターライフルを使用するシューター。既にこのモデルは絶版なのだが、このシューターは部品取り用も含めてなんと12丁も所有しているそうだ。

ライターでありシューターでもある石井健夫さんはカウボーイクラスで出場。
使用する銃はシルバーとゴールドのタナカ SAAシビリアン。

あなたの落としたのは銀のSAAですか? それともこの金のSAAですか?
SATマガジン編集のテラさんはマルイの電動ハンドガンUSPでオープンクラスにエントリー。リポバッテリーでレスポンスも向上して参加しやすくなったとか。
SATマガジン編集のFUMAさん。
マルイのガスブロ、グロックで出場。
コンバットマガジンのライター、タクさんはグロックのレースガンでオープンクラスに出場。
動画を見て貰うとわかるけど凄い速かった。
フリーダムアート代表の丸山さん。
米国の実銃競技にも参加するシューターだ。
自社カスタムパーツで作り込んだオリジナルのグロックのレースガンで参戦。
トレードカラーのグリーンも決まっている。
アサルトフレームにアキュコンプDオリジナル形状のアサルトフレームにアキュコンプDを装着、実物Aimpoint T-1マイクロドットサイト搭載。
この銃の実銃バージョンも丸山さんは米国で所有していてUSスチールチャレンジに参加したそうだ。
透過するクリア樹脂フレームはライトを当てると透過するクリア樹脂になっている。オシャレ!!

この日YASもグロックのアサルトフレームを買っちゃった!! そのレビューはいずれまた。
マック堺マック堺さん。この方も実銃競技に参加する世界で戦うニッポンのトップシューター。
ハイキャパ系のカスタムガンで参戦。
シュートオフ レディス部門で優勝したオガタさんアンリミテッドはシンプルで敷居の低いシューティングマッチなので女性選手も多い。
レディースクラスで3位、シュートオフ レディス部門で優勝したオガタさん。
トップシューターのシマダさんそしてこのかたが今大会の総合優勝、オープンクラス優勝、シュートオフ優勝と三冠総ナメのトップシューターのシマダさん。
その独特なシューティングポーズからは想像出来ないほどの早撃ちを見せつけた。

独自の進化を遂げたシューティングマッチガン達


キットボーイのFETを組み込み競技用に進化した電動ガン。キットボーイのFETを組み込みピストン位置を制御、常に後退ポジションで停止させ、セミオートでのトリガーレスポンスを向上している。
これはハンドガンも長物も共通の電動ガンのカスタムだ。
金田の電動バイクをイメージしたという真っ赤なPS90漫画AKIRAに登場する金田の電動バイクをイメージしたという真っ赤なPS90。マルイの電動P90がベースだ。
パチスロ「リオスパ」のキャラクターでデザインキャラ系の萌えガンドレスアップも多かった。これはパチスロ「リオスパ」のキャラクターでデザインされたもの。WAのガバがベース。
初音ミク仕様こちらはお馴染みボーカロイドの初音ミク仕様。視界を確保するためにアクリルチューブで底上げされたサイトが独特。
C-MOREのオープンドットサイトを横付けレースガンもシューターそれぞれの工夫でカラフルなものが多い。
サバイバルゲームには見られないデザインと言える。
この銃はバレルとエイミングラインを近づけるためにC-MOREのオープンドットサイトを横付けしている。パララックスを極力排除するカスタムだ。
アンリミテッドでは外部ソースも使用可能アンリミテッドでは外部ソースも使用可能なので、連射しても圧力の安定するグリーンガス(CO2)を使用するシューターも多い。
カウボーイクラスカウボーイクラスでは使用銃器の他、テンガロンハットの着用やコンベンショナルなホルスターの使用を義務づけられている。
2丁までの拳銃を所持また、カウボーイクラスは2丁までの拳銃を所持することが認められており、5つのターゲットを6発でクリアできなかった場合、予備の銃を使用して撃つことが出来る。
この切り替え動作も見ていて面白い。
ジェス小林カウボーイクラスで優勝したジェス小林氏(左)と、クラス準優勝のグミエール石井氏。
ウエスタンシューターはカウボーイネームを付ける習慣があるみたい。しっかし、グミエールって...。

ちなみにアンリミテッドはあくまでスポーツ競技なので、迷彩服などの軍装は禁止。スポーティーでハイセンスなシューティングウェアに身を包んで参加しよう。

計測タイムはその場でパソコンに入力
各シューターの計測タイムはその場でパソコンに入力され、ほぼリアルタイムにプロジェクターに投影され、参加者全員が閲覧できる様になっている。

弾速チェックもちろん大会開始前には各シューターが使用する銃の弾速チェックが行われ、レギュレーションに合格した銃にはシールが貼られる。

本大会ではASGKの簡易弾速計が使用されていた。


各ステージが一通り終了すると、総合順位で上位のシューターによるシュートオフと呼ばれる対決競技が行われる。
国内最強のトップシューター達が繰り広げる早撃ち対決は見ているだけでも興奮もの。優勝者が決まったときには会場内に大歓声が響き渡った。

さてさて、大会の模様を動画にまとめたのでどうぞ。


スピードシューティングは時代を遡ると西部開拓時代のカウボーイの早撃ちに通じる。
本大会でもSAAを使用したガンプレイが披露された。
このガンプレイを披露するのはゲーム、メタルギアソリッドに登場するリボルバーオセロットのモーションキャプチャーアクターを担当したトルネード吉田氏によるもの。その神技っぷりを是非動画でご覧あれ。



参加したシューターのみなさん
本大会に参加したシューターのみなさん。お疲れ様でした!!

さてさて、本大会の感想を。
今回はシューターとして参加はしなかったが、お昼休みに1ステージをローレディから体験的に撃たせてもらえた。
サバゲーよりもはるかに近いターゲットの距離。こんな近くて外すわけが...とか思っているとあっさり外して焦る焦る...。
5回中、がんばれば3秒台くらいで5つのターゲットを撃つことが出来たが、これをコンスタントに叩き出すにはやはり相応の練習と集中力が欠かせないだろう。

シューティングマッチならではの独特の緊張感はあるものの、会場内は終始和やかで初めての方々とも会話が弾んだ。サバゲーの様に走り回るわけではないので体力はあまり必要としないし、とてもシンプルな競技なので、タクティカルシューティングの様なルールがわからなくて頭の中が真っ白と言うこともないだろう。

シューティングマッチとしてはかなり敷居が低く、5つのクラス分けでスタイルの自由度も高い。
そこがアンリミテッド(=制限なし)たる所以。タイトルどおりの競技大会と言える。

各地での練習会や、初心者講習なども行われているそうなので、是非参加してみて欲しい。
というわけで来年の大会には私、シューターとして参加しようと目論んでいる。なので、まずは、グロックのカスタムを...いやいや、箱出しノーマルのガスブロで十分参加出来るので道具にこだわらないで是非参加してね。

詳しいレギュレーションやルールは以下の公式サイトからどうぞ。
JTSA アンリミテッド 公式サイト


2012/06/17

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