トイガン写真撮影テクニック 第1回

自己流ではありますが、トイガン写真の撮り方を紹介していこうと思います。
撮影方法はいろいろありますが、皆さんのトイガンホビーライフの参考になれば幸いです。
まずは室内撮影の方法を解説していきます。

トイガン撮影に必要なもの

トイガンを撮影するにあたり必要なものは

・カメラ
・背景
・照明器具
・レフ板
・トイガン(被写体)

こんな感じです。

カメラはとりあえず何でもOK

カメラは最初はぶっちゃけ何でもOKです。スマホでもコンデジでも一眼レフでもお好きなものをまずは使ってみてください。撮っているうちにもっと細かく設定を使いたい、という欲望がでてきたら買い換えましょう。まずは手持ちのカメラで撮ることをお勧めします。

背景は白から試してみよう

カッコいい背景やアクセサリーと組み合わせた写真を撮りたい、と思うものですが、まずは銃本体が綺麗に撮れるようになりましょう。基本である白背景で試してみてください。それから淡い単色カラーや、黒背景などで試していきましょう。

背景は大きめの白い紙でも良いですし、スチレンボードを使用することもあります。
私のおススメは白のポリスチレン(PS)板です。厚み0.5mmだと湾曲できて、紙や布のようにシワにならずに使い勝手が良いです。サイズは最低でも60x90cmあったほうが良いですね。これくらいならばハンドガンから長物の横位置写真も撮りやすいです。一般的なホームセンターで売っています。

照明器具

室内撮影の場合、照明器具は必須です。ここはしっかりした機材を使うことをお勧めします。
私の場合蛍光灯+ソフトボックスを組み合わせて撮影照明として使用しています。
照明にストロボを使用する人もいます。ストロボは強い光を瞬間的に当てるので白背景を綺麗に飛ばしたりすることもできるのですが、初心者はどのようなライティングになっているか常に確認できないので、最初は定常光源があったほうが撮りやすいと思います。


私の使用しているライトボックスです。Kraftz.hというブランドで今はもう売ってないようです。サイズは120cm x 27cmという細長い長方形です。長物を撮影するときにはこのくらいのサイズがあると便利ですが、ハンドガンを撮る用途でしたら40cmx40cm程度の正方形ソフトボックスでも十分です。

昼下がりの窓際でレースのカーテン越しに差し込む光のように、ソフトボックスは光源の光を拡散させて柔らかい均一な光を広い面積に照らす効果があります。この「柔らかい光」がトイガン撮影には向いています。光を和らげることを「ディフューズ」、その機材を「ディフューザー」と呼びます。

ちなみに 私が使用している電球(蛍光灯)はすでに廃盤となっている東芝 ネオボールZ EFD21EN 5000Kです。この5000Kというのは色温度を示すケルビンというもので、のちのち写真の色味を調整するのに大事な役割をしますが、とりあえず置いておきましょう。

現在はリーズナブルなソフトボックスが沢山あるので、ネットで探してみると良いですね。光源はLED電球でも良いと思います。最近は色温度が調節できるLEDライトも沢山あるので、私もそろそろ買い替えようかなと思っています。

三脚と電球が付属したソフトボックスのセットがおススメですが、三脚はブームアーム付きのタイプが使いやすいです。とりあえず光源とソフトボックスがあればよいと思いますし、平面型のLEDライトを使っても良いと思います。

平面型のLEDライトはビデオライトとして使用することが多いのですが、写真撮影でそのまま使用すると少し光が強いと思うので、ディフューズさせる必要があります。
付属のフィルター(ディフューザー)があればそれで、白い半透明のロール紙などを挟んで使用することもあります。

銀レフ板を使おう


レフ板は照明の光を反射させるものです。ソフトボックスの上からの光を反射させてトイガンの各面に当てます。トイガンはたいてい黒なので、より強く光を反射する銀色、通称「銀レフ」がおススメです。
軽めに光を反射させたいときは白レフでも良いですが、使用頻度は少ないです。
レフ板は布製のものや丸くてコンパクトに畳めるものもありますが、私は家の中で撮影する場合はスチレンボードタイプの銀レフの梨地面を使用しています。

大きさはハンドガンならB4サイズが2枚あればOKです。もっと細かく光を回したいという場合は3枚、4枚使うときもあります。




テーブルはなんでも良いのですが、今回はアウトドア用の小さいものを使います。床にダイレクトに置くよりも撮影しやすくなります。
これにポリスチレン板を湾曲させて撮影台にしています。


こんな感じでセットすると床面と背景がつながって美しく撮れます。


では実際に撮影していきましょう。まずはライトを点灯し、部屋の照明は消します。撮影用ライトのみ点灯し、余計な光はシャットアウトします。


トイガンを置いてアングルを決め、銀レフを使用して上からのソフトボックスの光を回します。
レフ板はフレキシブルアーム(どっちもクリップ)で固定します。

この時、大事なのは光の向きを意識することです。光源の光をレフ板で反射させ、それをトイガンの面に当て、それが反射してカメラのレンズに入るイメージです。ビリヤードの理論です。
実際にカメラ側に立って見ながら銃の面がどのように明るくなるか確認しながらレフ板の位置と角度を調整しましょう。

レフ板の効果がどのように入るか確認してみましょう。


まずはソフトボックスの光だけで撮ってみました。銃口側がちょっと暗くて今一つパッとしません。


スライド側からレフを当てます。スライド全体が明るくなって、刻印がパリッと見えるようになりました。


さらに左側からもレフを当てます。マズルとトリガーガードが明るくなって銃の特徴である迫力が伝わってきますよね。

上の写真は一眼レフを三脚に固定して撮影していますが、スマホの手持ちでも問題ありません。


スマホで撮影するときはカメラアプリの設定で、銃が黒潰れしないところまで明るさ調整をしましょう。


色味や解像感は異なりますが、スマホでも普通に撮れます。スマホのカメラは被写体に近づき過ぎると歪みやすいので、距離を取ることを意識して、ちょっとズームするくらいがカッコよく撮れます。

被写体までの距離はハンドガンの場合、30cm~1mくらいです。長物で全体を撮るときは2mほど離れる時もあります。レンズやズームにもよりますが、スライドの直線が歪まないことを意識すると良いですね。

ピントの場所はスライドのグロック26の26あたりに置くとバランスよいと思います。

左のレフ板が写り込んでいますが、それらはレタッチ(写真加工)して消してしまいましょう。最近は写真加工アプリも進化していますから、背景を飛ばしたり、消したりすることも可能です。
もちろんPCがあればAdobe Photoshopという定番ソフトで簡単に加工できます。

あると便利なトイガン撮影グッズ

あると便利な撮影グッズを2つ紹介します。

1.ブラシとブロアー
トイガンに付着したホコリを取り除いて綺麗な写真を撮るためにあると便利です。


静電気除去してホコリを取り除くブラシ。

空気を吹いてホコリを飛ばすブロアー。

2.練り消しゴム
練り消しゴムはデッサンするときに使う美術用の消しゴムなのですが、自由に形を変えられるので、トイガンを撮影するときに被写体を浮かしたり、安定させたりするのに使っています。ゴム足やアクリルキューブなども活用しています。これらの使い方はまた別の回で紹介します。


カメラの設定はのちのち覚えよう

最初はあまり気にしなくても良いのですが、一眼レフカメラなどではいろいろな設定ができます。これらを駆使するとより美しく写真を撮ることができます。いくつかよく使う設定をお伝えしておきます。

・ホワイトバランス
色味を調整して撮影するために使用します。照明の色温度とカメラのホワイトバランス設定を合わせることで、白を白く撮ることができます。設定がズレていると、全体が紫っぽかったり、黄色っぽかったり、青っぽかったり、緑っぽくなります。

・絞り
F4とか、F6.3などの数値で示したもので、レンズ内の光を通す穴の大きさを示したものです。
数字が小さいほど穴が大きく、数字が大きいほど穴が小さくなっていきます。絞り値が大きいほどピントが合う幅が広がっていきます。人物撮影などでは意図的に絞りを低くして背景をぼかすといったテクニックがありますが、トイガン撮影の場合、私はだいたいF11~F13とかなり絞ることで銃口からリアサイトまでなるべくピントが深く合うようにしています。

・ISO
ISOはカメラの光に対する感度です。ISOの値が大きいと、より暗いところでも撮影可能です。ただし、ISOを上げていくとどんどんザラザラした粒子感のある写真になりますので、なるべく低い数値で撮ったほうが綺麗な仕上がりになります。
私はISO値は100~200で撮影しています。ISOを下げると写真が暗くなりますので、その分シャッタースピードを遅くします。普段は1秒前後で撮っています。このシャッタースピードだと手持ちではブレてしまうので、三脚に固定して撮影します。

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