CQBグアム 実銃レポート撮って出し! (2)
GLOCK 19 Gen5

実銃レポート撮って出し! GLOCK 19 Gen5

Photo by Takahiro Soyama / Text by Takeo Ishii

GLOCK 19 Gen5
前回、「グアム観光レンジでは最速の調達!」という事でご紹介したGLOCK17 Gen.5に続きまして、GLOCK19のGen.5も我がCQB GUAMに入荷致しましたので、この場をお借りしてご紹介を致します♪

CQB GUAMに入荷
9mmルガー(パラベラム)弾は高速・小口径で貫通力に優れており、射撃時の反動も比較的小さいため命中率が高い、とされております。軍用拳銃にこの9mm弾を用いることについては「威力不足」とする意見も根強いワケですが、最近は「マン・ストッピング・パワーに於いては弾薬の威力や口径よりも命中率や命中部位が重要である」という考え方が主流だそうで、FBIを始めとする連邦政府機関では9mm弾を再評価する動きが高まっているそうです。

グロックの中でもコンパクト
グロックの中でもコンパクトで秘匿性に優れた「G19」は米軍との関わりが意外に古く、特殊部隊統合軍(SOCOM)では2009年から制式採用。陸軍と空軍の特殊部隊で使われていたそうです。特に2015年にはNAVY SEALSのサイドアームにSIG P226(Mk.25)の後継「Mk27」として採用された事、さらに海兵隊の「MARSOC」でもPSD(警護)などのロー・プロファイル任務用に1,600挺以上を調達。日本のグロック・ファンの皆様にも大きな出来事だったのではないでしょうか?

SEALSのサイドアームやMARSOCに採用された
SEALSのサイドアームやMARSOCに採用されたのは「G19 Gen.4」です。 そして「G19 Gen.5」は先に行われたXM-17MHSトライアルに向け実施された各種の改良を製品にフィードバックさせた最新世代モデルです。CQB GUAMでは折良くメンバー様の「プレミアムコレクション」としてG19 Gen.4をお預かりしておりますので今回は特別お借りして2挺並べて比較してみます。左が「G19 Gen.4」、右が「G19 Gen.5」になります。

「L」サイズのアダプターが装着
メンバー様の「G19 Gen.4」(左)のフロント&リアサイトは全鉄製のカスタムパーツに換装されています。また手の大きな方なのでしょう、「L」サイズのアダプターが装着されています。右のGen.5は入荷したばかりなので完全なノーマル状態です。

グリップ
グリップからフィンガーチャンネルが無くされたことがGen.5グロックの大きな特徴です。滑り止めパターンの形状はほぼ同じです。

マグウェル
Gen.5ではマグウェルがフレア状に拡大され弾倉交換がより容易になりました。マガジンベースも改良され、叩き込む際に手の平の肉を挟んで痛い思いをする「事故」も起きにくくなっています。

スライド先端
Gen.5のスライド先端は「G26」や「G34」のようにベヴェル(角)を多めに取ることで丸くされました。意外によくある状況だというリホルスター(=抜いた銃をホルスターに戻す)動作がラクに行えそうです。しかしGen.4の四角張ったマズルフェイスも、これはこれでカッコイイと思います。

チャンバーの刻印
Gen.5の銃身はライフリングが変更された「グロック・マークスマンバレル(GMB)」へと換装され、命中精度がより高くなっているそうです。見分けるためでしょうか、「9×19(3D)」という刻印の後ろにGen.5バレル(手前)では「5」の数字が打たれています。またスライドと噛み合う部分のエッジがGen.4(奥)はやや斜めに落とされているのに対し、Gen.5は平面のままです。

ライフリング
左がGen.4バレルのライフリングです。従来のグロックにずっと採用されていたいわゆる「3Dポリゴナルライフリング」で、螺旋溝のエッジが立っていないように見えるのが特徴でした。

右がGen.5から新採用のマークスマンバレルのライフリングです。螺旋溝のエッジがクッキリ見えます。命中精度の向上もさる事ながら、発射後の銃弾に残るライフルマーク(=旋状痕)による銃の特定をし易くするため、という説もあるようです。

リコイルスプリング
リコイルスプリングのシステムに大きな変更はないようです。Gen.4からダブルスプリング仕様になり、かなりの強装弾でも反動を軽減でき「撃ちこなせる」そうです。

エクストラクター
「Gen.5ではエクストラクターが強化された」という情報もありますが、外から見えるサイズや形状自体は変わらないように見えます。しかしエクストラクターにテンションを与えているプランジャーの径は、Gen.5(手前)のほうが一回り太いですね。

サイト
「ぶつけても変形しないよう金属化」が世界中のユーザーから要望されているサイトですが、Gen5でも量産品は樹脂製のままでした。どう見ても鉄製カスタムパーツのほうがイイですよね。

マガジンフォロアー
マガジンフォロアーがオレンジの成型色となり、空になった際の視認性が向上しています。マガジン背面の小孔からの残弾確認も容易になりました。

G17 Gen.5と比較
前回ご紹介したG17 Gen.5とも比較してみましょう。こうして並べると両者のサイズ感がよくお判り頂けると思います。

グリップ
G17と比べるとG19のグリップはだいぶ短いですね。全高で29mmもの差があります。

スライドの比較
スライドの比較です。バレル基部の形状からしても全く同じで、SIG P320同様、スライドを入れ替えて撃つ事ができそうです...


が、グロックの場合はフレームやスライド先端の形状が、G17とG19でこれらを入れ替えて使う事を想定したデザインになっていません。この辺り、SIG P320は実に上手くやっています。

動画によるグロック19 GEN5とGEN4の比較もどうぞ!!


G19とG17
G19とG17

Spec.
  G17 Gen.5 G19 Gen.5
全長 202mm 187mm
全幅 34mm 34mm
全高 156mm 127mm
銃身長 114mm(4.49インチ) 102mm(4.02インチ)
使用弾薬 9×19mm 9×19mm
装弾数 17+1発 15+1発
重量 716g(フル装填時911g) 670g(フル装填時855g)


G19 Gen.5はG17 Gen.5と共に大好評レンタル中です。いまこの銃を撃てるのは、グアム島ではCQB GUAMだけ! しかもホルスタードロウあり、バリケードあり、移動間射撃あり!の素晴らしい内容で楽しめます。もちろんG17 Gen.5や、G26、G34等との撃ち比べも大歓迎です♪

グロック17 Gen5の記事はこちら グロック17 Gen5の記事はこちら

制作協力:CQBグアム

石井 健夫(いしい たけお) 石井 健夫(いしい たけお)
CQB GUA/ジャパンサービス部 代表

1967年12月、東京都生まれ。
銃器レポーター、射撃選手、映画評論家。
グアム等の野外実弾射撃ツアーを紹介・宣伝する「CQB GUAMジャパンサービス部」として精力的に活動中。ミリタリー専門各誌での記事執筆・写真撮影も多数担当。時折オーダーメイドで製作する競技用カスタムガン(ガスブローバックがメイン)も一部で好評を博す。


ソヤマ タカヒロ ソヤマ タカヒロ
CQB GUAM/WEBマーケティング担当 兼 実弾射撃サブコーディネーター

1964年9月、神奈川県生まれ。
マーケター、シューター、セラピスト。
グアム在住。現地の企業に向けてインターネットを利用したプロモーションの提案を、個人を対象にカウンセリングやセラピーを行っている。CQBグアムではWEBマーケティングを。永田市郎氏に師事、実弾射撃や指導研修を受け、サブコーディネーターとしてスポーツシューティングを担当。


2017/11/29

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