写真は光を捉えるものですから、なんと言っても照明は最も重要な要素になります。
銃器を撮るときは光源は1灯で撮影すると光をコントロールしやすくなります。
もちろん複数の補助灯を使用しても良いと思います。
光源は発熱が少ない蛍光灯やLED照明がお手軽で便利。電気スタンドでもいけると思います。ただし、そのままだと光が強いのでトレーシングペーパー越しに光を当て「柔らかい光」にします。
主灯は銃器の上部やや奥からあて、最も明るくしたい面に反射させるような角度にします。
どうしても照明器具を使えない場合は窓の近くに持っていき、日光をレースのカーテン越しに取り入れて撮影すると柔らかい綺麗な写真が撮れます。
光源を決めたら、次に手前側の面はレフ板を使用します。カメラ店などで売っている2000円程度の銀色のレフ板や、ホームセンターや文具店でも売っている白いスチレンボードやケント紙などでもOK。アルミホイルなどでレフ板を自作しても良いと思います。
主灯から光を受けて手前や側面に光を回します。面によって反射の強弱を使い分けます。強く当てたい面は銀レフ、柔らかく当てたい面は白レフです。
レフ板の固定は「どっちもクリップ」が便利です。
被写体を如何に固定するかがカッコいいアングルを生み出す大事な要素になります。私の場合マルチアングルバイスを使用しています。
銃を立てて固定したい場合はバイスを使用しますが、床に置いて撮影するときにはカモフラージュの布や黒や赤のカラー画用紙、木目調の板など渋い素材や質感を選んでいます。
床置きの場合でも銃を浮かして光を回り込ませるためにゴム足を銃の下に配置して床との距離を保ったり、カートボックスやガンケースに置いたりして変化を付けます。
銃を立てた場合は背景が映り込んでしまうので、背景を設置します。被写体である銃器を目立たせたいので、背景は光を吸収しやすいベルベット生地のようなものや、撮影用のザラついた画用紙を壁から垂らしています。
主灯の光が背景に当たらないように銃器と背景は1m程度は離しています。被写体の真後ろの背景にLEDライトを当て後光が射したようにしています。
カメラはなんでも良いです。コンパクトカメラでもOK。
ただし、ホワイトバランスはとったほうが色が忠実に再現できます。ほとんどのコンパクトカメラでカスタムホワイトバランス機能がありますので、撮影環境の光を真っ白い紙に当てて、それを撮影してホワイトバランスを合わせることで色かぶりが無くなります。
ノイズがのらないようにISOは一番低く。ISOを低く設定するとシャッタースピードは遅くなりますので、かならず三脚を使ってカメラを固定します。レリーズやリモコンで使用してカメラに触れずにシャッターを切ります。
逆に古い写真のように荒く取りたい場合はISO数値を上げるとよいでしょう。
私の場合は一眼レフで撮っていますが、ハンドガンの場合、レンズはニコンの60mmのマクロレンズをよく使用しています。長物の場合はさらに離れるか、迫力を出す場合は50~35mmレンズ位を使用します。
いずれにしても、あまり被写体の近くに寄ると迫力は出ますが、歪んでしまうので、1~3mは離れて撮影します。
絞りはF10-F16くらいまで。シャッタースピードは1秒~2秒くらいのマニュアルで撮っています。
小技はまだまだありますが、まずは1に照明、2に銃の固定、3に背景というのが私の持論ですがコツになります。