ドルフィン級潜水艦の映像

イスラエル国防軍の、ドルフィン級潜水艦です。
ドイツ製の206型潜水艦をやや太らせた程度の前級、ガル型潜水艦に比べ、あらゆるスペックが大きく上回る本型の開発経緯は、独特で、ある種イスラエルらしいものです。

イスラエルで新型潜水艦を導入しようという声が上がったのは、80年代後半にさかのぼります。しかし、あまりに高コストのため、計画は早々に頓挫。中止となりました。

そして十年ほど後になって、この計画が再始動。

それは、湾岸戦争の影響でした。戦争中、サダム・フセインがイスラエルに対し、数十発ものスカッドミサイルを発射。イスラエルはただちに反撃に及ぼうとしたものの、アメリカの圧力により断念。スカッドミサイルは化学兵器も搭載可能な大量破壊兵器。

この出来事にイスラエルは、国土に先制攻撃を受けても影響なく、速やかに報復行動の可能な兵器が必要であると考えました。また、自国にミサイルを発射したイラクの化学兵器開発に、ドイツの企業が加担していたことが、戦後明らかになりました。

上述のように、イスラエルはそうして開発された化学兵器をスカッドミサイルと共に使用されうる立場に置かれたため、強くドイツを非難。こうして、冒頭に述べたように大変高価であった新型潜水艦を、イスラエルがきわめて安価に購入できる状況が完成したわけです。こうして、再び新型潜水艦の建造が動き出しました。

完成したドルフィン級潜水艦は、全長57m、全幅6.8m、水中での最高速力は20kt。公式には機密も多く、性能は不明な点も多いようですが、核搭載であるという見方が有力です。運用状況などもイスラエルは公開していません。

実際はどの程度の戦闘能力を持ち、現在どのように運用されている事やら。各国の研究機関や、マスコミの情報だけが頼りの状況です。こういったイスラエルの態度から、ドルフィン級への期待が伺える気もします。