雲ひきまくりのユーロファイター・タイフーン

 

引いています。雲を引きまくりです。嗚呼、美しい。ドイツ・イギリス・スペイン・イタリアといったNATO加盟国の共同開発で生まれた戦闘機、ユーロファイタータイフーンです。日本人からしたら特撮モノに登場しそうな気がするネーミングが実に素敵です。

2006年に運用開始された本機は、いわゆる4.5世代に分類されるジェット戦闘機です。4.5世代ジェット戦闘機については、過去の戦闘機を扱った記事などに詳しく書いてありますのでもし良ければ見てくださいませ。

戦闘機程度の目標ならば160km圏内、大型の目標ならばその倍の320km圏内まで探知し、それも同時に20個を追跡できると言われる高性能のレーダー。そして戦闘行動時などに空中で機体が混乱しても、ボタンひとつで発動し、自動的に機体を水平に立て直す混乱時回復機能など、優れた電子装備を備えます。

ステルス機能も、実質的に前釜とも言えるパナヴィアトーネードに比べ、格段に増しています。小型の機体にハイパワーのエンジンを備えており、兵装は7.5トンの大容量。陸海空すべてにおいて脅威をもたらす戦闘能力を持ちます。

2005年に行われた共同訓練時のドッグファイトでは、ユーロファイタータイフーン一機に対しボーイング社のF-15Eストライクイーグル二機という状況で、これをまとめて撃墜したというアムロくん?って感じの逸話も持ち合わせております。

光学迷彩の実現に一歩ずつ近づくBAEシステムズ社は、このユーロファイターをアメリカの最新鋭戦闘機F-22ラプターと比較したうえで、「ラプターには空中戦では劣るものの、汎用性では決して負けない」という旨の評価をしています。

F-22ラプターといえば、「空の支配者」というゾクゾクするようなキャッチフレーズを持つ機体です。確かにデュアルロール性では、ユーロファイタータイフーンは決してひけをとりません。ちっちゃいけれどすごい奴なのです。それにしても戦闘機の世界は、実になんというかロボットアニメ的な展開をしますね。