MLRS 多連装ロケット砲の阻止砲撃威力

MLRSとは、Multiple Launch Rocket Systemの略で、アメリカ陸軍が開発した自走式の多連装ロケットシステムを指します。

長射程にして広範囲を制圧する支援兵器として1980年代に開発された本兵器は、車長、砲撃手、操縦手の3名を搭載した自走車体にM26ロケット弾6発または地対空ミサイル「MGM-140エイタクムス」1発を装填したコンテナ2つを収容する匣型の旋回式発射機・通称「ランチパッド」を背負わせた形で機動します。

つまりロケット弾だけならば、2つのコンテナに6発ずつ計12発、エイタクムスなら計2発が収容可能です。
発射されたロケット弾は高度約1000mで空中分解し、約200×100mの範囲を制圧します。

また、これは大抵の多連装砲に通じる事ですが、装填には10分ほどの時間を要すため、第一波攻撃と第二波の間に隙が生じます。

このMLRSに関する現在克服すべき壁は、その重量ゆえ輸送に手間が要るという点のようです。阻止砲撃兵器としての性能は名高く、アメリカをはじめ計画参加国の他に、日本、韓国など世界13ヶ国で採用されています。

一方で、着弾点のずれにより民間人に対しても脅威となり得る多連装砲を問題視する見方もあります。