TANIO・KOBA × BATON airsoft ガスガン M1911A1 CO2GBB
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TANIO・KOBA × BATON airsoft ガスガン M1911A1 CO2GBB

レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 店長)

STGA認定 CO2ガスガン、M1911A1 CO2GBB

BATON's blog 上での、今年2月9日の製作発表から約半年の開発期間を経て、「TANIO・KOBA」×「BATON airsoft」のコラボレーションによる STGA 認定 CO2 ガスガン第4弾、ミリタリーガバメント M1911A1 CO2GBB が、2020年8月下旬に発売される運びとなった。

本製品も、これまでの 同社製 CO2GBB シリーズ同様、STGA 認定商品で、『 BATON airsoft 』と『 TANIO・KOBA 』のダブルブランドとして全国各地の有名小売店でも販売される。

無論、本製品にも購入後三ヶ月の保証が付いており、日本中どこで購入しても Gunsmith BATON によるガス漏れ修理を無償で受けられる。( STGA 認定商品につき、特殊仕様のバルブが採用されているマガジンため、ユーザーレベルでの分解・修理は不可能 )

M1911A1 CO2GBB

スペック


全長 220mm
重量 684g
銃身長 112mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 14+1発
価格 19,800円(税別)
発売日 2020年9月上旬予定
動力源 CO2カートリッジ式ガス
初速 最高:83.02m/s
平均:81.84m/s
最低:82.43m/s
ジュール:0.679J

※BATON airsoft アクリビスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温28度、[ ACETECH ] AC5000 弾速計にて測定


コバさんのこだわりが詰まった CO2 ミリガバが誕生

CO2 ミリガバが誕生

今作のミリタリーガバメント M1911A1 CO2GBB は言うまでも無く、第二次世界大戦当時に米軍で制式採用されていた COLT M1911A1 をモデルアップした製品である。

このミリタリーガバメントは、19世紀生まれの天才銃器開発者、ジョン・モーゼス・ブローニング氏が設計したオートマチックピストルで、1911年に米軍が M1911として採用して以来、 1924年に M1911A1 への改良を経て、1945年にその製造が終了するまで、およそ 270万挺という凄まじい数が世に送り出されたという世紀のベストセラーモデルである。
しかも、その後1985年にベレッタ M92SB-F が米軍で採用されるまでの40年間に渡り、第一線で使用されていたというのだから、軍用拳銃としての信頼性の高さは実銃史上最高峰と言って良いだろう。
我が国の自衛隊でも、アメリカから供与されたミリタリーガバメントが、 11.4mm拳銃として 1980年代まで使用されていたのは広く知られるところだ。

尚、「ミリタリーガバメント」というのはあくまでこの銃の通称で、正式な製品名は「 M1911A1 」であることも、念のため付け加えておこう。
今回発売される M1911A1 CO2GBB は、米 COLT 社が製造したM1911A1 の外観を、日本が生んだ天才トイガン開発者である、有限会社タニオ・コバ代表の小林太三氏の監修によって再現したものとなっている。

本レポートでは最終試作品を撮影した画像を使用しているが、実際に発売される製品との外観上の差は無いとのことだ。

革製ホルスターを保護するための面取り加工

面取り加工

そのディティールを、銃口周りから見て行こう。
多くのガンマニアにとって見慣れた光景ではあるが、スライドとダストカバー前面の縁が面取りされている、M1911A1 ならではの特徴がきちんと再現されている。
第一次から第二次世界大戦にかけて米軍では革製のホルスターを採用していたのだが、兵士たちがサイドアームの射撃時に、スライド先端をホルスター内側にひっかけてコッキングしていた。
M1911はスライドとダストカバー前面が面取りされておらず、革製ホルスターがたちまちボロボロになったため、M1911A1 からこの面取りが加えられたそうだ(小林氏談)。
スライド先端下部のリーフカットも、M1911と異なった曲線が忠実に再現されている。

実銃同様、バレルブッシングから 1mm ほど突き出したアウターバレルの銃口部分にはライフリングをイメージしたモールドが施され、その内側には 11mm正ネジ仕様の溝が刻まれている。
これは、昨今人気が高まっているトレーサーの装着を可能とするためのもので、11mm-14mm 変換アダプターのオプションパーツも別売されている。

アウターバレル

スライドを引くと、黒く塗装されたアルミ合金製のアウターバレルが顔を覗かせる。
このアウターバレルは前作の BS-H.O.S.T.同様、ネジによってチャンバーと結合されたショートリコイルキャンセルタイプとなっており、高い命中精度と、トレーサー等を装着した場合の安定した動作を実現している。
また、アウターバレル下面の、通常見えない部分には直径 7mm程度の穴が開けられており、安全対策も万全だ。

刻印はコルト社の「跳ね馬」仕様

「跳ね馬」仕様

スライド左側面の刻印は、中央にランパントコルト( 跳ね馬 )の紋章が入った第二次大戦後期型を再現しているそうだが、第一次大戦開戦前に製造された M1911 にもこのタイプの刻印が入ったモデルが存在しており、この辺りについては何が正解なのかを判別するのが非常に難しいところだ。
同様に、フレーム側面に入った UNITED ~の刻印も、主に M1911に見られるものだが、ガバメントを作り続けて数十年の小林太三氏の監修が入っているのだから、まず間違いは無いだろう。
ちなみにこのランパンコルトは、コルト社の創業者であるサミュエル・コルト氏の家紋(紋章)がベースとなっており、折れた槍を脚と口に持ち、倒れた騎士を守る忠実な馬を表しているそうだ。

スライド、フレーム共、材質である強化樹脂製の特性上、全体にザラザラした表面仕上げとなっているが、ガンブルーフィニッシュだった M1911 に対し、つや消しのパーカライジング処理が施された M1911A1 の表現としては、このザラつき具合が正解と言える。
惜しむらくは、この試作品ではスライドトップのパーティングラインが少々目立つところだろうか。
同社にて発売済みの BM-45 では上手く処理されていたので、製品版で改善されることを期待しよう。

トリガー下のなだらかなアールは、コルト社工作機械の性能

トリガー下のなだらかなアール

トリガーガード周りについても、見た目上、M1911 とはっきり異なるトリガーの短さや、トリガーを引きやすくするための三日月状の窪み等、M1911A1 ならではの形状が忠実にトレースされている。
スライドストップの軸がはまっている穴の周囲がツライチになっているのも、小林太三氏の指摘によって実現した拘りのポイントとのことだ。
その後方に刻まれた数列はシリアルナンバーだが、ここは拘る必要無しとのアドバイスがあったそうで、ある意味が隠された番号になっているらしい。

トリガーガード下からグリップ前面に繋がる曲線は、図面では後のコマーシャルモデルのようにもっと上に向かって深い(ハイグリップ)アールだったが、大戦当時のCOLT社の工作機械の関係上、図面通りには製作できず、1960年代に工作機械が変わるまでは、このように緩やかなアールになっていたようだ。前述のスライド・フレームの面取りと相まって、全体的にまるっこい印象となっており歴史を感じさせる。

スライド側面後方に刻まれた滑り止めのセレーションも小林太三氏の監修により、実銃通りの19本を再現。
リアサイトがスクエアノッチになっているあたりも、流石の抜かりなさだ。
最近の45AUTOを見慣れた目には開き具合が狭いように思えるエジェクションポートも、ミリタリーガバメントの雰囲気を上手く捉えた造形となっている。

スライド後方を左側から眺めると、スライドキャッチとサムセーフティも正確な形状に作られているのが見て取れる。
上述したスライド前面と同様の理由で、背面上部のエッジが面取りされているのも、M1911A1 ならではの特徴を再現したものだ。
M1911 では多くの兵士の親指の付け根を噛み込んだというハンマーのスパーが、その対策として短くなっているのも、しっかりトレースされている。

こだわりの樹脂グリップ。低燃費のタニオコバCO2バルブ採用

M1911 の木製から、生産性を向上させるためベークライト製に変更されたフルチェッカーのグリップは ABS樹脂による成型品で、グリップスクリューの周囲に設けられた平面部分も、小林太三氏の監修による拘りの部分だそうだ。
CO2マガジンは同社製 BM-45 と共通の物が採用されているが、これは両機種のオーナーにとっては嬉しいところだ。

そのマガジンに装着されたアウトプットバルブはもちろん、特許取得済の TANIO・KOBA CO2 バルブ( TANIO・KOBA CO2 バルブ : 実用新案 第 3206631 号 )を採用。
改造防止のため、通常のバルブレンチでは取り外すことが出来ないデザインになっている。
Gunsmith BATON にて販売中の [ PUFF DINO ] CO2 12g カートリッジ1本あたり、連続(弾を込める時間のインターバルを挟む)で 100 発前後の射撃が可能という燃費の良さも従来通りだ。

タニコババルブについての詳細は、ミリブロ News にて過去に公開された『 BM-9 CO2GBB 』の記事を是非ご参照いただきたい。

今回の M1911A1 については、マガジン底板の厚みと中央のイモネジが雰囲気を損ねているといった向きもあるようだが、高圧の CO2 カートリッジを使用する以上、外観を優先して強度を犠牲にすることなど出来るわけも無く、これはやむを得ない部分だろう。

実射性能は、熟成の BM-45 CO2GBB 譲りの高性能

右後方から細部を見ると、なめらかな表面のグリップセーフティと、細かいチェッカリングが入ったハンマースプリングハウジングの様子が良くわかる。
M1911 に対し、後方のスパーが延長されたグリップセーフティと、手のひらにピッタリ収まるカーブラインを与えられたハンマースプリングハウジングは、どちらも実銃の雰囲気を上手く再現している。
ハンマースプリングハウジング底面に設けられたランヤードリングが充分な実用強度を備えているのも、嬉しいポイントだ。

基本的な内部構造は、間もなくセカンドロットが発売される BM-45 と共通であるため、動作の確実さについては何の不安も無く、0.2g BB 弾使用時 80~85m/s という安定した初速で、四季を通じて強烈なブローバックの迫力が存分に満喫出来る。
実射性能についても、前作の BS-H.O.S.T.で定評を得た TANIO・KOBA 小林太三氏の設計による『 TK-WF 面ホップアップパッキン』を標準装備しており、BB弾の重量を問わないフラットな弾道を実現している。

TANIO・KOBA × BATON airsoft コラボレーションによる CO2GBBシリーズ第4弾として、熟成の度合いを増してきた感のある新製品、ミリタリーガバメント M1911A1。
定番中の定番ともいえる本作の発売で、また新たな CO2GBB ユーザーが増えるのは間違い無い。

発売は9月上旬予定とのことだが、間もなく予約の受注が始まるそうなので、確実に入手したい方には早めの予約をお勧めする。

さらなる CO2GBB 新機種の企画開発を、数機種同時進行しているという TANIO・KOBA × BATON airsoft 。まだしばらくは目が離せそうにないところだ。

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[ BATON airsoft ]  M1911A1 CO2GBB


2020/07/30


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