東京マルイ ソーコム Mk23 【ハイグレード/ホップアップ】

東京マルイ ソーコム Mk23 【ハイグレード/ホップアップ】

レポート:石井 健夫

アメリカ合衆国特殊部隊統合軍=“スペシャル・オペレーション・コマンド“の略称が「U.S.SOCOM(ソーコム)」だ。それまではアメリカの陸・海・空・海兵、全4軍でそれぞれ独自に活動していた様々な特殊部隊の指揮命令系統を一本化し、より臨機応変に、より適材適所に運用するべく組織された「史上最強の精鋭部隊」である。そして歴戦の勇猛を誇る海軍の特殊部隊「NAVY SEALS=ネイビーシールズ」は、このU.S.SOCOMにあっても中心的な役割を担っている。そんなSEALSの主導で1991年から開発プロジェクトおよびトライアルがスタートし、1996年に「Mk23 Mod.0」として採用されたハンドガンが、このH&K SOCOM Mk23なのだ。従来はサイドアームだった拳銃に「サブマシンガンに代替しうる強力な攻撃力を持たせる」というU.S.SOCOMからの要求、すなわち...
①.45ACP弾を使用、装弾数は10発以上とする。
②サプレッサー等を取り付けても確実に作動し、またそれらは必要に応じて着脱できる事。
③劣悪な条件下でも性能に支障を来たさない耐久性・耐候性。
といった項目を全てクリアするという。

Mk23
特に「30,000発以上撃っても壊れない耐久性」をH&K社は最も重要視し、その結果開発されたMk23は全長245mm、フル装填時の重量1.5kg以上という超大型ハンドガンとなった。サプレッサーやLAM(=レーザー・エイミング・モジュール)を装着したらさらに長く、そして重くなる。もちろん命中精度に関してもオプションパーツ装着時の安定性に関しても高いレベルを示したMk23なのだが、しかし戦闘現場で兵士が運用するには非・現実的な大きさ&重量となり、「これならむしろ小型サブマシンガンを携帯した方が良いのでは?」という皮肉な意見も出る程の不評だったらしい。しかし「SOCOMピストル」という話題性とネームバリュー、さらにそのド迫力の外観から「キャラが立って」いたMk23は数多くの映画やゲームに登場、民間市場に於いてはかなり高価な銃だったにも関わらず大ヒットセールスを記録している。

人気モデル
ソーコムMk23は映画やゲームに数多く登場し、しかも他と比べて圧倒的に大きい銃なので目立つ、という事もあり、エアーコッキングエアーハンドガンシリーズ中でも1、2を争う人気モデルとなっている。因みにソーコムMk23にはいくつかの世代が知られているが、東京マルイがコッキングエアーガンとしてモデルアップしたのは1996年にSEALSが採用した後期型だ。日本では人気ゲーム『メタルギアソリッド』に登場した初期型(SOCOMピストル・トライアルに参加したプロトタイプ)も人気があるが、そちらは固定スライドガスガンとして商品化されている。この固定スライドガスガン用のサイレンサーやLAMはコッキングエアーガンにもそのまま付くので、ぜひ別売オプションとして発売して欲しいものだ。

最も新しい世代
ソーコムMk23は東京マルイ/コッキングエアーハンドガンシリーズとしては最も新しい世代なので、造形は非常にリアルでマガジンもフルサイズ。一体成型スライドを搭載し、トリガーとハンマーが連動、しかもシングルアクションだけではなくダブルアクションまでもが再現されている。またスライドを引く動作でエジェクションポートが開き、さらにチェンバー部分がティルトしスライドとのロックが解ける様子が再現されているなど、実射性能だけでなくリアルなメカニズムをも楽しむための遊びゴコロ溢れる工夫が随所になされている。

パッケージ
パッケージサイズはシリーズ共通の「横290 x 縦180 x 厚さ50 mm」。ソーコムMk23では縦型のデザインとなっている。

パッケージ内容
玩具店や模型店でこの状態のままディスプレイできるよう、内箱への収納状態も洗練されている。グリップには固定式のHOP-UP搭載モデルである事を示す帯が巻かれ、フルサイズマガジンは保護キャップ付きの銃本体から敢えて外されて存在感を誇示している。他に箱入りのBB弾(0.25g)150発と取扱説明書が付く。

銃口
.45口径のデッカイ銃口には1990年代当時のH&K拳銃の特徴でもあるポリゴナル(=多角形)ライフリングがモールド表現によって再現されている。奥まった位置に見えるインナーバレルは真鍮製だ。スライドには細かなヘアライン処理がなされており、スティール感を強調する仕上げがなされている。同じABS樹脂製ながら、フレームとの質感の違いが巧みに演出されている。

トリガー
平べったくて指に当たる面積が大きいせいか引きがとても軽く感じるトリガー。実際に「LYMANトリガープルゲージ」による、コッキングした状態でのトリガープル実測値は「770〜830g」と、コッキングエアーハンドガンシリーズ中でもTOP3に入るフェザータッチ。これと相まって命中精度(というか狙って当てやすさ)もシリーズ屈指の性能である。スライドがフルストローク作動するためコッキングの感触にクセがあって連射性能としてはやや不利なのだが、スナイパーハンドガンとしての能力は高く、サバゲでの実用性は高いと思う。

ハンマー
トリガーとハンマーが連動しており、ハンマーが起きるとトリガー位置が後退する。またダブルアクションでの空撃ちも楽しめ、これが意外に楽しい♪
実銃のMk23ではセフティレバーとデコッキングレバーがそれぞれ独立しておりハンマーが起きたままの「コック&ロック」状態とハンマーを下ろした「ダブルアクション」と、初弾の発射方法を状況に応じて選べるようになっている…のだが、このコッキングエアーガンではモールドによる形状の再現のみで機能はダミーとなっている。実際の安全装置としての機能はスライドストップ・レバーにあり、ハンマーが起きている状態で上方にカチッと動かすと掛かる。リアサイトはネジを緩めて左右に動かしたくなる程リアルだがこれもモールド表現。東京マルイの金型技術は本当に凄い。

コッキング
コッキングの際、前半は弱いリコイルスプリングの力だけが掛かっており、21mm引いたところでシリンダーピストンの爪に当たる感触が手に伝わる。

スライドはグンと重く
21mm地点からはシリンダースプリングの圧縮が始まるのでスライドはグンと重くなりほぼ実銃のフルストローク相当=48mmまで引いたところでコッキングが完了する。一体成型スライドを採用しており剛性感は十分でギシギシ感、ミシミシ感は皆無。スライドがとても大型なので手でしっかり掴め、力を込めて引き易い。ただし前述のようにコッキングの感触が二段引きなので、素早く連射するような使い方にはやや不利かもしれない。

サイトピクチャー
リアサイト、フロントサイトともサイレンサーに対応するためやや背が高く、角もクッキリ立っているのでとても狙い易い。また実際にBB弾を発射した際の狙点と着弾点もキッチリと一致しており、0.25gBB弾ならば正照準で25〜30m先のA4用紙を面白いようにヒットできる。0.20gBB弾だとホップがかなり強く掛かり、20〜25m先では弾道が相当上に逸れるが、35mを超えた辺りから自由落下が始まり、40m先の上半身をほぼ捉える事が可能だ。
実銃にあるホワイトの3ドットは省略されているので、暗所対策のためには白または蛍光色のシールでも貼り付けるのが良いだろう。
ハンマーが起きているとダミーのファイヤリングピンが見えるのもリアル。

グリップ
ハンドガンとしては超大型フォルム。そしてマガジンもまた.45ACP仕様の超大型。しかしグリップは常識的な大きさに留まりナカナカに握り心地も良く、樹脂フレームならではのメリットが活かされた実銃の優れたデザインを体感できる。前面と背面にはかなり大きめなチェッカリング。そして左右にはUSPシリーズと良く似た滑り止めのテクスチャー加工。素手ではやや荒く感じるかも知れないが、グローブを装着して握ってみれば、H&Kがこのグリップデザインを採用した狙いが判ると思う。なお、マガジンのベースプレートは別パーツではなく、左右から合わせた継ぎ目が見える。

マガジン
実銃では太い.45ACP弾を12発も収納するだけあり、フルサイズマガジンもデッカくてド迫力!装弾数は「26発」と、実銃の倍以上なのも頼もしい限り。内部にはウェイトが仕込まれており143.5gの程よい重量があり、マガジンキャッチの操作でツルリと本体から滑り出てくる感じも心地良い。

スペック


全長 245mm
重量 485g (実測値)
装弾数 26発
価格 3,500円(税別)
発売日 2002年8月8日
発射方式 スプリングエアー・ハンドコッキング、ホップアップシステム搭載
初速 最高:64.6m/s
平均:63.33m/s
最低:62.6m/s
ジュール:0.401J

※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、固定ホップアップ、室内10発での測定、気温26度、湿度68%、ACETECH AC5000にて測定。


2020/09/29

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