S&T 電動ガン M240 MEDIUM MACHINE GUN

S&T 電動ガン M240 MEDIUM MACHINE GUN

レポート:戸井源太郎

米陸軍が現在採用している7.62mm弾のマシンガン、M240がS&Tから電動ガンで発売されました。
全長1.2m、重量は約8Kgと、エアソフトガンでも最大級のモデルになります。
フルメタル製ボディで金属の冷たい質感、ずっしりとした重量感も素晴らしく、この存在感、迫力は圧巻で、まさに至高の完成度といえるでしょう。今回はこのS&T M240を実射テストも含めリポート致します。

M240フルメタル製といってもスティールではなく、レシーバー、アウターバレルなど主要パーツはアルミ製となっているようです。
そのため、全長が1.2mと長いため重量が分散されるからか、重量8kgといっても、思ったほど重いとは感じませんでした。

M240 左側面
M240は米軍がM60に代わり、1991年より新たに米軍で採用されたマシンガンです。
設計はベルギーのFN社で、NATO諸国で広く採用されているFN MAGとほぼ同仕様になります。
実銃の機構はオーソドックスなガス圧式で、ボルトのロックはティルト・ボルト・ロッキング・システムを採用し、使用弾薬は7.62×51mmNATO弾となります。
元々、米軍でも戦車の同軸機銃などで採用されていましたが、歩兵用としてハンドガードやハイダーなどを多少アレンジしてM240Bとして制式採用されました。

M240 右側面
当時、M60に代わり米軍に新機関銃が採用されたと雑誌かなにかでみたとき「これはFN MAGじゃないのか? なぜに?」と正直思ったものです。
なぜならM60もFN MAGも1950年代末のほぼ同じ時期に開発されたマシンガンですから、それが新採用といわれても...という印象でした。

40歳代、50歳代の『ランボー』『コマンドー』世代には、マシンガンといえば、「M60」というくらいメジャーなので、引退と聞くと一抹の寂しさを覚えました。
しかし実際は、ガスオペレーションシステムの複雑さに起因する信頼性の低さ。埃などにも弱く、多発するジャム。そしてメンテも時間がかかると米軍からはあまり評判がよくなかったみたいです。 そのようなことからNATO諸国や戦車の同軸機銃での長年の実績と信頼があり、メンテナンスも容易なことからFN MAGをベースに米軍の汎用マシンガンとして採用されたようです。

S&T 電動ガン M240 MEDIUM MACHINE GUN スペック & 弾速データ
全長 1,240mm
重量 8,220g
銃身長 - mm
装弾数 6mmBB弾 4,000発
定価 85,000円(税別)
発売日 2015年3月
最高 90.12m/s
平均 88.56m/s
最低 87.90m/s
ジュール 0.784J
※BATON プレシジョンバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約23度
パーツリスト

バレルカバーM240の特徴である樹脂製のバレルカバーは被せてあるだけなので、そこを持とうとすると外れやすいので注意が必要です。また左右にはマウントレールが装着されています。

主要部分はアルミ製
レシーバーを含む主要部分はアルミ製となっています。コッキングハンドルはダミーですが可動し、装填の雰囲気を楽しめます。またフィードカバー上面にもピカティニー規格のマウントレールを装備していますので各種光学照準器が搭載できます。

キャリングハンドル持ち運びに便利なキャリングハンドルを装備しています。グリップの下にあるレバーを引いてロックを解除すれば、角度を変えられます。
この状態ではハンドルがサイトに被り狙えません。
フラッシュハイダー フラッシュハイダー、フロントサイト、アウターもすべてアルミ製となっています。

リアサイト
リアサイトは折りたたんでいればタンジェントサイトとして、また起こしてラダ―スタイルのサイトとしても使用できます。

グリップ樹脂製のパネルが付いたグリップ。グリップエンドがクイッと曲がっていてドイツのMG34やMG42などのマシンガンに多くみかける形状です。
バイポッド使用時にグリップ底が地面と平行にするためでしょうか?

セフティ ボタン
グリップ上部にある大きなボタンがセフティになります。左に飛び出た状態で「FIRE」になり、押し込んで「SAFE」状態になります。なお、SAFE状態ではグリップ右側面にボタンが飛び出します。

ストックは樹脂製
ストックは樹脂製で、FN MAGと同じ形状となっています。

ストック基部にレバーストック基部にレバーがあり、これを引きながらストック全体を押し上げるとストックを外せます。


ストック内にバッテリーを収納
ストック内にバッテリーを収納します。バッテリーはラージタイプでも余裕のサイズです。コネクターはラージタイプとなっています。写真はリポバッテリーを使用するためにミニ変換コネクターを付けています。
※製品に変換コネクターは入っていません。

アルミ製のバイポッド
アルミ製のバイポッドを標準装備です。バイポッドの基部は可動式になっており、銃口を上下左右に振れるようになっています。

バイポッドは折り畳むことも もちろんバイポッドは折り畳むこともできます。

バイポッド ロックボタン
バイポッドを折り畳んだ時に、しっかり固定できるようストッパーが付いています。ストッパーを起こせば、バイポッドを展開できます。

フィードカバー ロックボタン
ボディ後部両側にあるストッパーを押せば、フィードカバーを開くことができます。

可変ホップアップの調節ダイヤルフィードカバーを開けるとチェンバーがあり、可変ホップアップはバレル同軸のダイヤルで調節します。時計回りに回すとホップアップが強くかかります。
電動給弾マガジンマガジンは専用の電動巻き上げ式のボックスマガジンになります。装弾数は4,000発になります。0.2gBB弾だとおよそ800gも装填できる計算です。
紙製マガジンボックス実銃では、軽量化とコストダウンのため、弾帯を入れるマガジンボックスは紙製となっています。
電動ガンでもこれを忠実に再現しています。マガジン底部が電動で回転することでBB弾を給弾する仕組みです。
マガジン接続部マガジンは矢印にあるスリットと銃本体にあるネジの突起とを合わせて装着します。
マガジンと銃本体の接続部のアップマガジンと銃本体の接続部のアップです。本体にあるネジとマガジンのスリットが嵌っているのがわかると思います。
またマガジンの給弾口と銃本体のチェンバーの位置もピッタリ合っています。フィードカバーを閉めれば、固定されるので、マガジンが脱落することはありません。

電動マガジンのコネクター電動マガジンのコネクターを繋ぎます。実銃でいうローディングゲートも開閉式となっており、この下にチェンバーがあります。最初、電動マガジンのコードをどこから通せばよいのか、わからず、このゲートの下から通したところ、コードの被膜がキズついてしまいました。そのためビニールテープで絶縁しておきました。このように上から通せばよいみたいです。

バレルロックボタンバレル根本にあるボタンで簡単にバレルが脱着できます。このボタンを押して、キャンリングハンドルを反時計回りに90度回せばロックが外れ、アウターバレルアッセンブリ―ごと前方に引き抜けます。

バレルを外した状態
バレルを外した状態です。インナーバレルの掃除などメンテナンスもしやすいです。
床井雅美先生の「最新軍用銃辞典」によるとM60はバイポッドがバレルに付いているため、バレル交換時に本体が自立せず、不評だったようです。M240だと本体が自立するのでメンテナンスも楽です。

M240の実射性能は?
最近の中華製電動ガンは外観の完成度やリアル感は素晴らしいのですが、やはり一番気になるのは実射性能ですよね。

S&TのM240はマシンガンなので、実銃と同様フルオート射撃のみとなります。
撃ってみるとメカノイズも少なく、非常に軽やかな印象です。 弾道も素直な感じで、ホップアップも適正に調整しやすかったですね。

0.2gBB弾で飛距離30mまでは余裕で直進します。40mでも多少風の影響を受けましたが、まっすぐ届いていました。50mになるとさすがに手前で落ち気味ですが、十分に納得できる飛距離だと思います。

集弾性は多少バラけている感じがしましたが、それでも、ほぼRAIDの試射レンジのターゲットに収まっています。サバゲなら40mでマンターゲット上半身くらいの集弾性はあると思います。特にこのM240は4,000発にもおよぶ装弾数により弾幕を張り、味方を支援するのが役目なので充分な精度だと思います。



全長1.2m超のビッグサイズ
S&T M240は全長1.2m超のビッグサイズの迫力、フルメタル製の質感と完成度の高さには感服しました。実射性能も充分、及第点に達していて、 なによりトラブルフリーということは好評価に値します。

あえて問題点を挙げるとしたら、ボディや各部のアルミパーツの塗膜(?)がちょっと薄いと思います。中華製には結構多いのですが、普通に使用していてもバイポッドや可動部など塗膜が剥がれやすいし、キズが付きやすく感じました。

あと注意点しては装填と弾抜きになります。
M240はトリガーを引くことで給弾される、トリガー連動式の電動マガジンなので、構造上BB弾を装填して発射されるまでに何発か空撃ちになってしまうこと。弾抜きはマガジンを外す必要があり、少し面倒であることです。
チェンバー内にもBB弾が何発か残るので、しっかりと弾抜きする必要があります。バッテリーは本体側に接続されているので、これを怠ると誤射などの事故の元になりますので注意が必要です。

個人的には、このM240をフィールドによくある建物2階に防盾付きの銃座を設置したり、車のサンルーフに銃座を付けて撃ち捲りたくなりました。ストレス発散のそんなサバゲーがしたいと妄想が膨らむ一丁です。

協力:サバイバルゲームフィールドRAID

2015/05/10


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