ICS 電動ガン GALIL MRS

ICS 電動ガン GALIL(ガリル) MRS

レポート:戸井源太郎

台湾のICS AIRSOFTからイスラエルのガリルのバリエーションとしてMRSが登場です。このガリル MRSは’70年代に活躍したガリルにレールハンドガード等、タクティカルテイスト満載のオリジナルカスタムです。早速レビューしていきたいと思います。

制式採用銃のガリル ARM
1947年の建国時から争いが絶えないイスラエル。限られた資源と人口のため、あるものはなんでも使う、古いものも魔改造して使う、そんなお国柄が色濃く出ているのが、制式採用銃のガリル ARMです。
イスラエルの環境ではM16よりAK47のメカの方が適していると考え、AKをベースに欠点を改良し、西側諸国の標準弾5.56mm x 45弾が使用できるように開発されました。そしてガリル一番の特徴はバイポッド固定部に栓抜きを装備していることでしょう(笑)。

またバイポッドなどを省略したAR、ショートバレルのSAR、マイクロ・ガリル、7.62mm弾のスナイパーモデルのガラッツ(Galatz)、AKと同じ7.62x39mm弾を使用するACEとバリエーションも豊富です。
さらに幾度も実戦を経験し信頼性の高いガリルはアフリカや中南米諸国を中心にライセンス生産が行われている隠れた名銃なのです。

サイドビュー左右
サイドビューストック折り畳み
IMI(現IWI)社のガリルをICSが現代風にレールハンドガードとトップレールを搭載したオリジナルカスタムのガリルです。ボディはフルメタルで剛性高く、ストックの折りたたみ機構もあります。

メカはFETなど電子機器は非搭載の標準的なスタンダード電動ガンです。

パッケージ
パッケージ内容
パッケージはブラックベースのロゴと文字だけのシンプルなものです。キャリングハンドル付きで、持ち運びにも重宝します。銃は型に納められ、しっかり保持してくれます。サイズは88cm x 28cm x 8.5cmです。

取説
取説とICSのカタログ、フロントサイト調整具、予備のヒューズ2個、クリーニングロッドが付属しています。

レシーバー
レシーバー
レシーバー周りを見る限りはAKにしか見えませんね。ロアレシーバーはアルミ製、アッパーレシーバーはスチール製でフレームに軋みなどない頑丈な作りです。

セレクター
セレクターもAKと同様のもので、上からセフティ、フルオート、セミオート射撃となります。表記はヘブライ語でしょうか? 私は全く読めません。

グリップ上にも実銃同様セレクター
ICSのガリルの素晴らしいところは、左側のグリップ上にも実銃同様セレクターがあります。それだけでなく、こちらもライブで、両側とも連動します。ガリル好きにはこれは堪りません! 左がセーフポジション、中央がフルオート、右がセミオートポジションとなります。

コッキングハンドル
可変ホップアップの調整レバー
コッキングハンドルは真上に突き出た独特な形状です。ここを引けば、可変ホップアップの調整レバーが現れます。が、勢いよくハンドルを引いて戻すとボルトのカバーが干渉して、ホップレバーが動くことがありますので、そっと戻すよう注意してください。

グリップ
グリップはICSのオリジナル。トリガーガードやマガジンキャッチはAKと同様の形状と機能となっています。

バレル
5.56mm弾仕様なので、バレルは細めです。ハイダーはバードケージタイプでスチール製です。アウターバレルはアルミ製、フロントサイト、ガスレギュレーター部はスチール製です。

樹脂製ハンドガード
ICSオリジナルの樹脂製ハンドガードが標準装備です。上下左右にレールを装備して各種アクセサリーの装着が可能です。

両側のネジ
上部ハンドガードを外す
ハンドガード両側のネジを90°回転させてから前にちょっとズラすと上部ハンドガードを外すことができます。本モデルは残念ながらバイポッドが付属しておらず、ハンドガードがモディファイされてしまっているので、栓抜きの機能はありません(^_^;。栓抜きは別途持参しておきましょう。

トップレール
アッパーレシーバー上部にも樹脂製のトップレールが装着され、フラットトップを実現しています。ただし実銃で、この方式でスコープを搭載した場合、精度が出ません。電動ガンならではのオリジナル機構です。

フロントサイト
フロントサイトは付属の調整具で上下に調整可能。さらにより狙いやすいよう大きめのホワイトドットが手前にフリップアップするようになっています。

リアサイト
リアサイトも簡易のフリップアップタイプが標準装備されています。こちらはサイト調整はできません。

パイプストック
頑丈なアルミ製の折りたたみパイプストックが標準装備です。ガリルARMと違い、調整可能なICSオリジナルのチークパッドが搭載されています。

ストック基部
ストックの折りたたみはストック部を少し下へズラしてロックを解除して折りたたみます。

射撃操作可能
この状態でも左側のセレクターで射撃操作可能です。ストックを伸ばす時は折りたたむ時と同様、若干ストックを下へ押してから伸ばします。

プレートを左へ
チークパッドの調整は、写真のプレートを左へ動かします。これでギザギザ同士噛み合っているロックが外れますので、チークパッドを任意の高さに動かします。手を離すとプレートがスプリングテンションで右に戻り、ロックがかかります。

アッパーレシーバー後端のボタン
AKと同じく、アッパーレシーバー後端のボタンを押し込めば、アッパーを取り外せます。

ステックタイプのバッテリー
レシーバーの中にステックタイプのバッテリーを収納します。

マガジン
400連の多弾倉マガジンが2本付属していました。AKと似た形状ですが、スタンダード電動用のAK47のマガジンはリブがあり、装着はできませんでした。マガジンはスチールプレス製のシェルで実測重量は238gです。

実射テスト

実射テスト
テストはビレッジ1のシューティングレンジの30m、40m先のマンターゲットにて行いました。使用弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
どちらの距離でも弾でもボディサイズなら、ほぼ全弾命中し、十分、サバゲーでも戦えるポテンシャルは有しているでしょう。ただ少々弾道のバラつき、着弾範囲は広いような気がします。最大射程は40m強が限界のようでそれ以上の距離はかなり上向きに撃つ必要がありました。
コッキングハンドルを“シャッキーン”と勢いよく操作するとホップレバーが動くのが困りましたが、その他、基本的な操作、射撃に関しては一切トラブルなく、信頼性も高そうです。

総評

総評

ICS ガリル MRSはフルメタルで剛性も高く、外観も美しく仕上がっています。実射性能も問題なくサバゲーで使用する電動ガンとして十分合格点に達していると思います。

ICSオリジナルとはいえ、実銃の雰囲気を残しつつ、現代戦に対応したアレンジに違和感もなく、いかにもIWIがラインアップしていそうなデザインです。何よりアンビセレクターが連動するのは感激です。個人的には、これだけでかなり高評価と言えます(笑)。

イスラエルといえば、UZIにデザートイーグル、タボールと人気機種が多いですし、すでに複数のメーカーからエアソフトガン化されています。ガリルは日本では少しマイナーではありますが、この機会に手にしてみるのも良いと思います。
価格も市場価格で50,000円前後というのは、フルメタル電動ガンとしては妥当なところでしょう。ぜひコレクションに加えていただきたい一丁ですね。

スペック & 初速


全長 990/755mm
重量 3,040g
銃身長 515mm(インナーバレル長)
装弾数 400発
価格 64,800円(税別)
発売日 2010年11月
動力源 リポバッテリー
初速 最高:81.68m/s
平均:80.79m/s
最低:79.93m/s
ジュール:0.653J
回転数 1,001rpm(16.7発/秒) 7.4Vリポ使用

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、屋外10発での測定、気温20.5度、湿度64%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.pdf (151KB)

協力:ICS AIRSOFT、ビレッジ1

2019/12/02



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