CYMA 電動ガン XM177E2 E.T.U. / M16A1 E.T.U.

CYMA 電動ガン XM177E2 E.T.U. / M16A1 E.T.U.

レポート:戸井 源太郎

中華ブランドのCYMA(シーマ)から懐かしきM16系電動ガンが5機種も一気に登場しました。
最大の特徴はCYMA製電子トリガーシステム「E.T.U.(Electric Trigger Unit)」を搭載していることです。
正直、今まではコストパフォーマンスに優れているというイメージしかありませんでしたが、電子トリガーが搭載されたことで、CYMAのイメージが180度変わりました。
実射性能はどうなのか? 学生の頃、欲しくて堪らなかったXM177E2をメインにCYMA電動ガンをレビューしていきたいと思います。

XM177
XM177はベトナム戦争中の1966年にアメリカ陸軍の特殊部隊向けにM16をカービン化したものを試験的に少数配備されました。 アメリカ軍の試作モデルを表す“X”がそのまま定着した稀有なモデルです。
しかしM16の約半分の銃身長では、発射音やマズルフラッシュが大きく問題があったようです。このXM177E2はそれら実戦データのフィードバックから長いフラッシュハイダーの採用、銃身長を延長、コルト製のXM148グレネードランチャーを装着できるよう改良されたモデルになります。
またハンドガードは円形のリブ付き、ストックには伸縮式を採用し、そのスタイルはM4の原型と言えるのではないでしょうか。



フルメタルボディで軋みは全くなく剛性は高いです。M16/M4の弱点と言われるバレルの付け根部分もガッチリです。全体の質感も実銃の雰囲気を十分醸し出しています。メカはVer.2ベースに、CYMA製電子トリガーのE.T.U.が搭載されたスタンダード電動ガンです。



パッケージはモデル共通のものです。銃本体の他、取説、ユーザー登録カード、BB弾、クリーニングロッドが付属しています。ただし取説はM4系電動ガン共通のものでE.T.U.モデル専用ではありません。パッケージサイズは945 x 305 x 95mmです。


今や懐かしく感じるキャリングハンドル付きのフレームです。マガジンハウジングの刻印は「COLT」仕様で掘りも深く、シャープです。


エジェクションポート後ろのケースディフレクターがなく、非常にスッキリして見えます。


エジェクションポート内にホップダイヤルがあります。ボルトカバーはロックがかかるのでホップの調整がしやすいです。ただホップはちゃんとかかりますが、調整はミリ単位の繊細な操作が要求されます。


フレームの各パーツはM16と同様、ボルトリリースボタンもオープンしたボルトを前進させる機能があります。


ボルトの閉鎖が不完全な時に使用するボルトフォワードアシストノブは初期のL型形状です。装備や茂みに引っかかりやすいとして、後のM16A2では丸型へ変更されました。


グリップはフィンガーレストのないストレート型です。トリガー周りもM16と同様です。トリガープルは実測で約670gでした。


一体型のキャリングハンドルは直銃床であるM16系のリアサイトのためのデザインですが、持ち運びにも便利です。フラットなフレームに見慣れてきましたが、今見てもデザインは先進的です。


フロントサイトベースも金属製です。M4用を流用したためか、初期の細いバレルに合わせてスリーブが挿入されています。


リアサイトは大小2つのピープを選択できます。リアサイトはキャリングハンドル右面のダイヤルで左右の調整が可能です。


金属製のフラッシュハイダーは14mm逆ネジでハイダーの脱着もできます。
この長いフラッシュハイダーは、20インチバレルのM16用の弾薬ではXM177のバレル内で燃焼仕切れず、炎が出てしまうため、この長いハイダー内で燃焼させ、発射炎がなるべく目立たないように考案されたものです。


XM177ではM16とは違い、リブ付きのハンドガードを装備しています。XM177はもっと細いタイプになりますが、CYMAでは、M4のものを流用していると思われます。


ハンドガード内にバッテリーを収納します。ミニタイプも収納可能なゆったりスペースです。バッテリーを繋ぐとE.T.U.の電子音がします。エラーの場合も電子音がするそうです。


伸縮式のリトラクタブルを装備しています。リブもないシンプルな初期型デザインです。伸縮は縮めるか伸ばすかの2段階です。ちなみに実物の初期型ストックはアルミ製ですが、このCYMAのモデルでは樹脂製になっています。


こちらはXM177E2と同じくCYMAのE.T.U.搭載モデルのM16A1です。筆者はもちろん40代以上のサバゲーマーは、このスタイルに憧れた人も多いのでは。


CYMA E.T.U.搭載モデルのM16A1ももちろんフレームはメタル製で重量感もあり、剛性も十分です。
このシリーズには他にXM16E1(VN)、XM117E1、M653の計5機種がラインナップしています。


M16といえば、断面が三角のハンドガードが特徴的です。登場した1960年代にはプラ製パーツを多用した画期的なライフルでしました。銃器設計家の故ユージン・ストーナーが開発したその基本デザインとメカニズムは、現代にも引き継がれており、半世紀以上経っても全く色あせてませんよね。

バッテリースペース
M16A1はプラ製の固定ストックが標準装備となります。実銃ではメンテツールなどを収納するコンパートメントスペースがバッテリースペースになっています。かなり広いので様々なバッテリーに対応します。

マガジン
マガジンはスタンダード電動ガンのM4用の300連多弾倉マガジンが標準装備です。もちろん各社のマガジンと共用できます。

実射テスト

実射テスト
フィールドでCYMA XM177E2 E.T.U.を撃ってみました。まず感じたのが電動ガン特有のトリガーを引いてからの“もしゃもしゃ”感がありません。トリガーのレスポンスは鋭く、E.T.U.非搭載の電動ガンとでは、比較にならないほど良好な感触です。セミでの連射でもロックすることなく追随してくれます。トリガープルがXMで670g、M16で750gと張りがあり、E.T.U.にありがちなフニャッと感がないのが好印象です。あえて言うならトリガーストロークが長めなので半分に詰めたらさらに良くなると思います。


実射テストはいつもと同様、30mではA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを、BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
どちらのBB弾でも30mでA3サイズに必中、40mでもほぼボディに命中する精度がありました。また初速も高めで、安定しているので40m以上飛びます。
0.25gBB弾なら30mでヘッドショットも可能でしょう。
テスト射撃で500発以上は撃ちましたが、トラブルも全くなしでした。サバゲー用の電動ガンとして十分合格でしょう。

総評


CYMA XM177E2 E.T.U.は熟成されたVer.2メカで信頼性も高く、精度も十分あります。フルメタルボディで、剛性も高く、工作技術も上がっており、外観の質感も向上、さらにE.T.U.搭載で、市場価格で25,000円強というのが驚きです。今、この価格で、この性能の電動ガンなんて他にはないのではと思います。


個人的に今まで「CYMA」というと、申し訳ありませんが、“安かろう~”というイメージでしたが、このXM177E2 E.T.U.はそんな偏見を吹き飛ばすには十分な性能です。
性能、価格と全てにおいて満足できます。昨今、トイガンの価格が高騰しており、5万円以上、7〜8万円が当たり前になりつつありますが、このCYMAの電動ガンはそれらの半額以下ですが箱出しで十分サバゲーで戦えます。

正直、私もこのクオリティで、この価格なら欲しいですね。買っても後悔は絶対しないでしょう。

スペック & 初速


全長 757〜826mm (XM177E2)
990mm (M16A1)
重量 3,200g (XM177E2)
3,300g (M16A1)
※空マガジン含む、バッテリー除く
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 300発
価格 32,800円(税別) (XM177E2 / M16A1)
発売日 2020年3月
動力源 リポバッテリー
初速 最高:95.62m/s (XM177E2) 91.76m/s (M16A1)
平均:94.62m/s (XM177E2) 90.97m/s (M16A1)
最低:93.06m/s (XM177E2) 90.61m/s (M16A1)
ジュール:0.895J (XM177E2) 0.828J (M16A1)
回転数 812rpm(13.53発/秒)(XM177E2)
695rpm(11.58発/秒)(M16A1)
※7.4Vリポ使用

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、屋外10発での測定、気温15.7度、湿度44%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。

協力:UFC、ビレッジ2

2020/04/16



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