CLASSIC ARMY 電動ガン DT-4 【エアガン レビュー】

CLASSIC ARMY 電動ガン DT-4

レポート:戸井 源太郎

香港のメーカーCLASSIC ARMY(以下:CA)からDT-4という、とんでもない電動ガンが発売されました!一目瞭然、とにかく目を引くのが2連バレルです! もうネタとしか思えない電動ガンですが、2連のバレルからの火力はあなどれないかもしれません。
このDT-4は、見せかけだけのネタで終わるのか、それとも実力を伴っているのか、フィールドでの実射テストも交えてレビューしたいと思います。


このCA DT-4、実は全くの空想の産物ではないのです。細部に違いがありますが、イスラエルのSilver Shadow社によって開発された「Gilboa Snake(ギルボア スネーク)」という2連のバレルを持つ実銃のM4カスタムがあるのです。
電動ガンのDT-4はトリガーは一つですが、実銃ではトリガーは二つあり、撃ち分けもできるそうです。
このGilboa Snakeは特殊部隊がCQBでテロリストを制圧する際に、限られた一瞬のチャンスに多くの弾を撃ち込みたいとのコンセプトから生まれたそうで、ネタではなく真面目に考えられているようです。

ダブルタップや2バーストでもわずかな発射ラグがありますし、反動も複数になるのを避けて同時に2発、撃ち込むというコンセプトです。またプロの世界では、同じ箇所に当てるのは避けるべきなのだそうです。その理由は1発目で人体内部を破壊しているのに、もう1発が同じ箇所に当たっても突き抜けるだけであまり意味がないということだそうです。その点、2発同時に命中し、位置が異なれば、人体への破壊力は絶大ということだそうです。
しかし同時にテロリストをピンポイントで、例えば、眉間を狙いたい場合や人質を盾にしている場合、バレルが中心線からズレているので、正確な射撃が可能なのか? ゼロインとかどうするのだろうかという素朴な疑問が湧きますが...まぁ実銃については、このくらいにしておき、本題であるCAの電動ガン、DT-4を見ていきましょう。

サイドビュー 左
サイドビュー 右
真横だと、普通のカスタムM4に見えますが、バレル、マガジンとも2連、パラレルになっており、幅はかなりあります。モーターひとつで、2つのピストンとスプリングを可動させ、さらに電子トリガーを搭載しています。

本体の主要部分はすべてメタル製で重厚感あるだけでなく、剛性も高いです。バレル長は実測で約10.5インチで、見た目も構えた時のバランスもよいです。全体的に工作精度も高く、美しく纏まっています。

スペック & 初速データ
全長 735〜815mm
重量 3,800g
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 300発×2
定価 55,000円(税別)
発売日 2018年12月

最高 (左) 94.76m/s
(右) 94.96m/s
平均 (左) 94.45m/s
(右) 94.09m/s
最低 (左) 94.01m/s
(右) 92.71m/s
ジュール (左) 0.892J
(右) 0.885J
回転数 (左) 984rpm (16.38発/秒)
(右) 991rpm (16.51発/秒)

※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温16.1度、湿度42.0%、10発、X3200にて測定。

パッケージ
パッケージ内容
銃のサイズによりパッケージは何種類かあるようですが、基本、トリガーガードとトリガーをイメージしていると思われる「CA」のロゴをあしらった共通デザインです。銃本体はスポンジで保護されており、付属品はマガジン2本と簡単な取説のみです。パッケージサイズは79.5 x 24.5 x 10.5cmとなります。

2連に並んだバレル
フラッシュハイダーはスチール製
このDT-4の特徴はなんといっても、2連に並んだバレルでしょう。そのため、アッパーレシーバーはかなり幅があります。フラッシュハイダーはスチール製で14mm逆ネジ仕様です。バレル間が狭いため、サイレンサー、トレーサーなどを装着する場合は径のなるべく細いタイプを選択したほうが良いでしょう。
> コンパクト・トレーサー特集

レシーバー左
レシーバー右
M4レシーバーのスタイルを継承していますが、エジェクションポートが両サイドにあります。またグリップ周り以外、アッパーレシーバーやマガジンハウジング部は約15mmずつ厚みが増しています。

「NEMESIS」のロゴ
マガジンハウジング左にはCAのカスタムシリーズ「NEMESIS」のロゴの刻印があります。また右上にあるのがボルトリリースボタンで後退したダミーボルトを前進させる機能があります。


レシーバーの厚みがよくわかります。トリガーはストレートタイプで、電子トリガーが搭載されています。トリガープルは約600gで軽すぎず、ちょうど良い感じです。

DT4の刻印
右サイドのマガジンハウジングには DT4とメーカーの刻印が入っています。
ダミーボルトはありがちなプレス製のペラペラではなく、少し厚みがあって重厚な印象です。
両サイドともダストカバーには「星条旗」と「USA」とプリントされているのがダサカッコよく、「カモン、ベイベー、アメリカ!!」と歌いたくなります(笑)。

セレクターはアンビ仕様
セレクターはアンビ仕様でどちらからでも操作できます。マガジンキャッチもM4と同じ位置にあります。このマガジンキャッチは同時に2本ともリリースします。また、トリガーはストレートタイプが採用されています。

ハンドガードも幅広
並列のバレルに合わせて、ハンドガードも幅広になっています。ハンドガードとアッパーフレームとツライチになっており、上から見るとかなり太く、機関銃のようにみえます。もちろんトップレールは幅広ではなく、通常のピカティニー規格となっています。

ハンドガード
M-LOKハンドガード
ハンドガード長は約185mmで7.2インチくらいです。左右と下面はM-LOKになっており、各種M-LOKのレールを装着できます。ただこのDT-4にはM-LOKレールは付属しておらず、写真のレールは東京マルイ製のものを取り付けてみました。

可変ホップアップ
可変ホップアップ
バレルだけでなく、チェンバー、シリンダー、ピストン、スプリングも二つあるため、エジェクションポートが両サイドにあります。可変ホップアップは左右別々に調整ができます。ドラム式のダイヤルはクリック感があり、番号も振ってあります。調整範囲も十分にあります。
ちなみに調整は左サイドは上に回してUP、右サイドは下に回してUPとなっています。

アンビのチャージングハンドル
アンビタイプのチャージングハンドルを引くと、エジェクションポートカバーが左右同時に開きます。と同時にダミーボルトが後退した状態でロックするので、ホップアップの調整がしやすいです。ボルトリリースボタンを押せば左右のダミーボルトが同時に前進して閉鎖します。

グリップ
グリップは滑り止めのある握り易いものです。2つのピストンを同時にドライブするため、ハイトルクモーターが採用されています。



マガジンも分厚いハウジングに2本装填します。これだけでもかなり見た目のインパクトがあります。ハウジングは1本ずつ独立しており、チェンバーも二つあります。

ストック
ストックはCAオリジナルデザインで、バッテリーをストック内に収納できます。ストック長は6段階で伸縮できます。

ロックレバー
ストック下部にあるこのロックレバーを矢印の方向に引くとバットプレートが外せます。

バッテリーの収納部
バッテリーの収納部は結構広く、ストックチューブ内にもスペースがあります。汎用性の高いミニコネクター仕様で、バッテリーはミニタイプだけでなく、スティックやセパレートタイプも収納できるスペースがあります。

フロント、リアサイト
フロント、リアともに着脱可能なフリップアップサイトが標準装備されています。フロントは上下、リアは左右の調整が行えます。またリアは2種のピープを選択できます。サイトを倒す時は左横のリリースボタンを押しながら倒します。

多弾倉マガジン
プラ製の多弾倉マガジン2本が標準装備されています。重量は約140gと非常に軽いです。スタンダード電動ガン用の各種M4マガジンと共用できます。

実射テスト

実射テスト
実射テストは、距離30、40mで行いました。30mは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを設置し、BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用しました。
バッテリーは1モーター、2ピストンとトルクがかかるため、より瞬発力のある11.1Vのリポを使用しました。
ホップアップ調整は左右とも細かく調整でき、どちらもまっすぐな弾道を得られました。
撃ってみた感触は、はっきりいって面白いです! BB弾が綺麗に並んで飛んでいきます。30mならバレルと同じ間隔で確実にヒットします。40mでもボディに必中です。精度はテスト射撃の結果からは0.2g弾より、0.25g弾の方が断然よいです。6倍率にセットしたズームスコープで狙いましたが、0.25g弾はレティクルの中心の左右にビシっ! と同時に当たります。狙っていて気持ちがいいです。

飛んでいくBB弾も通常の電動ガンの2倍
フルオートだと連なって飛んでいくBB弾も通常の電動ガンの2倍ですので、スコープ内はBB弾で埋め尽くされる印象です。それが全てターゲットに吸い込まれていくのが見えて気持ちいいです。電動ガンとしての基本性能もかなり高いと思います。

電子トリガー搭載でバッテリーも11.1Vを使用したためタイムラグはなく、レスポンスは良好です。
11.1Vのバッテリーでもトラブル(BB弾が上がってこないとか、弾ポロ、トリガーロックなど)もなく、実に快調に作動しました。
なお、初速計測はマガジンを片側にセットして左右別々に測定しました。左右とも平均値で約94m/sでしたが、同時発射するとパワーが分散する分、少し初速が落ちているかもしれませんね。

総評

ネタガンではない
正直、DT-4のレビュー前は「CAの電動ガンってどうよ? ネタにはなるけど、そもそもバレル2本って意味ある?」と思っていましたが、全く違いました。
撃っていて、めちゃくちゃ楽しいです。電動ガンとしてもよく飛び、よく当たり、実射性能、精度とも合格点です。何よりフルオートで秒間16発x2、つまり秒間32発の発射サイクルは圧倒的です。これはもはや分隊支援火器です。マシンガンとして拠点防御や味方の火力サポートはもちろん、一般的なマシンガンよりもはるかにコンパクトで動きやすいので、アタッカーとしても十分活躍できるでしょう。
最初は左右でホップを変えたり、BB弾の重量を変えて面制圧したら面白いかも、とも考えましたが、左右ともまっすぐにホップを調整した方が良いと思います。狙ったところに2倍のBB弾を叩き込む方が気持ちいいです。
唯一の欠点は装弾数が300発では、すぐ弾切れしてしまうこと、マガジン携行数も倍必要ということでしょう。今後、このDT-4用のBOXマガジンが発売されたら、凄いことになりそうです(笑)。

価格もバレルが2本あるから倍ということもなく、電子トリガー搭載で、市場価格で5万円以内というと、かなりお買い得だと思います。最初は「完全にネタ銃だな」と思っていて、すみませんでした! CA DT-4は最強のサバゲーウェポンといっても過言ではない1丁でした。

 

協力:ホビーショップいずも、Classic Army Japan、ビレッジ2

2018/12/28


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