ARROW DYNAMIC RPG-7 グレネードランチャー
なんと、RPG-7対戦車ロケットのガスグレネードランチャーが香港のトイガンメーカー、ARROW DYNAMICより発売されたのでレビュー。
PRG-7といえば、対戦車兵器のベストセラーとも言われるソ連が開発した有名な対戦車ロケット。
1960年代に登場し、多くの戦争や紛争地帯で使われ続けてきた。筒状の発射機(ランチャー)先端に大きな菱型形状の弾体を差し込み、発射すると弾体のロケットモーターが点火、数百メートル飛翔し、戦車や装甲車両に当たると、弾頭内の成形炸薬が爆発、モンロー効果と呼ばれる高温のジェット噴流が装甲を貫く。
そんな東側を代表する対戦車ロケットを、40mmガスグレネード仕様のエアソフトにしたのが、アローダイナミックのRPG-7 グレネードランチャー。
いやぁ、ついにRPG-7をレビューできるなんて嬉しさがこみあげてくる。思わず「ア~ルピ~ジ~っ」と大声で叫びたくなるほどだ。
以前に主催したブラックホークダウンごっこでもそうだったが、サバゲーにPRG-7を持ってくる人がいると、みんな集まってきて、ヒーローになれるんだよね~。
まずはパッケージを開けると分解されたパーツが入っているので、組立作業から入る。
フロントチューブにグリップを取り付ける。取り付けには付属のリングを使用して2か所でネジ止めする。
リアグリップはネジ二本で取り付ける。なお工具は2種類の六角レンチだけで組み立てられるが、リングを締めこんだりするのにラジオペンチもあったほうが良い。
リアチューブに木目調プリントのシールドを取り付ける。その時、フロントチューブにリアチューブをある程度ネジ込んでおき、シールドを付けたら、チューブを増し締めするとしっかり取り付けられる。
こちらも付属のリングで3か所固定する。その際、ネジの突起は上側になるように取り付け、肩に突起が当たらないようにする。
弾体をフロントから差し込んでトリガー前のネジで固定する。
先端に銀色のキャップを取り付けて完成。
実測で全長1330mm、重量4,440gの大物!! 黒いチューブ部分はアルミ製、弾頭部とシールドは樹脂製。
弾体を取り外すと全長は935mmほどとなる。
構えてみるとチューブが金属製なので、かなりガッチリとした剛性感がありハードな仕様にも耐えられそう。ただ、チューブの黒塗装やシールドの木目プリントは簡単に傷が付きやすい。しかし傷だらけの使用感もRPG-7の味といえる。
フロントサイトは金属製で可倒式。チューブ先端にはスリングスイベルがある。
リアサイトも金属製の可倒式で、上下の調整が可能。
サイトの軸線は少し左側にオフセットしている。
グリップはトリガーのあるフロントグリップと、補助的に支えるリアグリップの二つがある。どちらもベース部は金属製、茶色のグリップパネルは樹脂製で、角材のように角ばっていて握りにくい。
フロントグリップはトリガーがあり、銀色の丸いボタンはクロスボルト式のセフティ。
後ろ側には本来はハンマーとなるレバーがあるが、このエアソフトではグレネードカートを排出するためのリリースレバーとなっている。
グリップ右側。
木目調プリントのシールドは樹脂製、ラッパ状のテイル根元には回転するスリングスイベルがある。実物は発射すると後方へ大量のバックブラストを排出する。戦場ではPRG-7の後方に立たないようにしよう。
樹脂製の弾頭部。先端には信管を模した金属製のキャップが取り付けられる。ちなみに実物では弾頭部根本のサイクロン掃除機みたいな複数の突起部からロケット噴射する。
発射方法は2WAYとなっている。まずは弾頭部を60度ひねると、半分に取り外せる。
先端側に40mmグレネードカートをセット。
カートをセットするとこんな感じ。カートをセットしたら再び弾頭をコネクト。
構造としてはトリガーを引くと、内部の棒状パーツが押され、グレネードカートの後端を押して発射となる仕組み。したがって、トリガープルは結構重い。
発射の際は弾頭部のキャップは取り外しておく。
もう一つの発射方法は弾体を取り外して行う方法。
チューブ先端から40mmグレネードカートをストンと落とせばセット完了。内部でカートのリムにフックが引っかかり、下を向けても落ちないようになっている。発射後にカートを取り出す際は前述のグリップ後部のレバーを押し下げ、チューブを下へ向けて取り出す。
弾体の無い状態で発射するとこんな感じ。弾頭は背中に背負っておくと雰囲気抜群。
今回は海外製の40mmグレネードカートを使用してみた。先端に12個の穴があり、ここに各5発のBB弾を装填、合計60発のBB弾が一度に放出される。CAWのモスカートと異なり、リセットする手間が無いのが良いが、やはりこの手のカートにBB弾を詰めていくのは大変ではある。
実射テスト
実射、といっても実射性能は使用する40mmグレネードカート次第。
今回使用したカートリッジでは概ね水平で最大15mから20mくらい、仰角を大きく取れば30m先くらいまでBB弾を広範囲にバラ撒ける感じ。装弾数が60発で拡散範囲が広いので弾幕が薄く、15m先では幅8mほどに拡散し、マンターゲットに当てられるかどうかといったところだ。ただ、弾の威力はそこそこあるので当たりさえすればヒットは取れそう。
弾頭付き発射のほうが射出口が絞られているからか、BB弾が拡散気味、弾頭なしのほうがBB弾がまとまって飛ぶ印象だった。
肩に担いだ巨大なランチャーからバコッと大きな音を立ててBB弾がバラ撒かれる。これは楽しいエアソフトだ。
組み立て&射撃動画。冒頭、RPG!と叫んでいるが、普通はこれ、撃たれそうになる側が叫ぶのだが...。
総評
アローダイナミックのRPG-7、まず気に入ったのはそのリアルな外観。実物を手にしたことはないが、ネット画像や映画に出てくるあの雰囲気を、精緻に再現しているように思う。この出来栄えでメーカー希望小売価格が56,000円(税別)というのは、なかなかお買い得だろう。
以前はRPG-7というと、かなり高価なイメージがあって、それこそ塩ビパイプで手作りのRPG-7なんてユーザーも多かっただけに、こんなにもお手軽に40mmカートを撃てるRPG-7が購入できる日が来るなんてホント夢のよう。ネタサバゲーに最高の一丁だ。
最大の問題は、これの保管場所をどうするか。
自立するので、立てておくこともできるが、家族に発見された時になんと言い訳するか。
私の場合、レビューした日に玄関に立てておいたところへ奥様が帰ってきてしまい、「うわっ! あなた、なんなのこれっ!!」と怒鳴られたものだから、焦って「く...クリスマスツリー...です」と答えてしまった。まさに真夏のホラーを味わったのだが、モノがモノだけに、家族の理解や、人目にさらさない運搬方法なども検討したうえで購入することをおススメする。
弾頭部にライトを取り付けてアバンギャルドなフロアライト化してしまえばリビングに飾っても違和感ないかも…いや、あるか。
スペック
全長 | 1,330mm |
重量 | 4,440g |
装弾数 | 40mmグレネードカートリッジ 1発 |
価格 | 56,000円(税別) |
発売日 | 2019年6月 |
動力源 | 40mmグレネードカートリッジ |
協力:キンワ、ビレッジ1
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