ノーベルアームズ NOVEL ARMS SURE HIT M4s
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NOVEL ARMS SURE HIT M4s ドットサイト レビュー

レポート:石井健夫

米軍制式採用のドットサイト「M68」の製造元といえば、北欧スウェーデンに本社を置くAimpointだ。そもそもドットサイトなるものを世界で初めて発明し商品化したのも同社だとされている。

Aimpoint
1990年代初頭に陸軍の特殊部隊が「Aimpoint COMP」を部分的に導入したのが米軍とドットサイトとの蜜月関係の始まりと言われている。やがて実戦の現場から上がってくる様々な要望に応えた形で進化を遂げた「COMP M2」が「M68」として制式採用された。
その際、最も重視されたのが「耐久性」と「電池の保ち」であり、M68(=M2)は「3Vリチウム電池CR1/3」でナント2年間以上も点灯し続ける、というのだから驚きだ。

Comp M4
しかしAimpoint社はさらに先を見ていた。21世紀に入った頃、電源を全世界で最も手に入りやすい「単3電池×1本」としさらに汎用性を高めた「M4」と、COMP M2=M68の機能・性能はそのままに極限までのコンパクト化・軽量化に挑戦した「T-1」をローンチしたのである。

Comp M4s
Aimpoint社の日本向け販売総代理店であり、当然ながら友好的な関係を継続しているノーベルアームズ。M2タイプ、T-1タイプ、そしてM4タイプのトイガン用ドットサイト製造に於いても10数年にわたる実績がある。

以前のM4タイプはノーベルアームズ製ドットサイトの中ではエントリー・シリーズに当たる「COMBAT(コンバット)」のラインナップで製造販売されていた。そして遂に、最高峰ブランドSURE HIT(シュアヒット)に格上げした形で「SURE HIT M4s」が登場!

NOVEL ARMS SURE HIT M4s

NOVEL ARMS SURE HIT M4s

<DATA>
価格:25,000円 (税別) 倍率:1倍 全長:126mm 重量:374g レンズ径:30mm 電源:単3電池×1個 ドットサイズ:3M.O.A.(11段階調整、N1/N2ナイトビジョン対応) 仕様:耐衝撃性(800G)、防水(5m/30分)、ロータス(撥水)コーティングレンズ、付属品:前後フリップアップキャップ、レンズガード(強化ガラス)、キルフラッシュ、クリーニングクロス、マウント用スクリュー、レンチ

全長:126mm

重量:374g

レンズ径:30mm

単3アルカリ電池
推奨バッテリーは「単3アルカリ電池」。イラストで表示されているので向きを間違える心配もない。但しキャップは防水性のためにもしっかり閉めたい。大容量だけに点灯持続時間も長いだろうが、仕舞っておく際にはスイッチOFFが基本だろう。とはいえ、1日2日のゲームなら問題なし。

バッテリースペース
「M4s」になってからはバッテリースペースが「右斜め下」になり、視界の邪魔になりにくくなった。光量調節は11段階となっている。ON-OFFスイッチも兼ねた光量調節ダイヤルは指に掛かりやすいローレット加工や一目瞭然の数値表記が親切だ。トイガン用なのに「N1」と「N2」とナイトビジョン対応されているのがマニアック♪

最大光量「11」
最大光量「11」で標的を狙ったところ。7月の真昼でこの眩しさ。砂漠の炎天下でもこのドットならクッキリ見えるに違いない。

撮影時の適正光量
撮影時の適正光量に合わせたところ。恐らく「7」か「8」だ。視野に目立った青みや歪みも一切なく、クオリティの高さが一目瞭然。「3MOA」と程よい大きさのドットが標的をクッキリと指し示す。「100yds(=約91m)先までパララックスフリー(=狙点ズレがない)」と説明書でも謳われている。

アイアンサイトで狙ってみたイメージ
比較として、同じ標的をアイアンサイトで狙ってみたイメージ。実際にはリアサイトの小孔越しに見る事になるので視界はさらに遮られる。ドットサイトの有用性はいまさら説明の必要もないだろう。

ウィンデージ(左右)、エレヴェーション(上下)の調整ダイヤル
ウィンデージ(左右)、エレヴェーション(上下)の調整ダイヤルは、防水・保護キャップをツールとして使用する賢い設計。そしてそのキャップも移動中に何かに触れて緩んだり脱落しないよう、角(ツノ)のようなガードで護られているという念の入れよう。

実物のクリスベクター.45でサイトイン
実物のクリスベクター.45でサイトインを試みる筆者。マシンピストルなので距離は25mとした。SURE HITシリーズは箱から出した段階でドットは「メカニカル・ゼロ」位置が出ているので、マトモな銃とマウントであれば無調整でもそれほど当てずっぽうな位置には着弾しない。案の定、この時も「25m先で5cm程度」のズレだった。

1クリックの狙点移動量は「1/2MOA」
1クリックの狙点移動量は「1/2MOA」との事なので、それを参考にゼロインを行う。つまり「100yds(=91m)先で1クリックあたり0.5インチ(=12.7mm)動く」わけなので、「25m先だと約3.5mm動く」という事になる。従ってこの時は「5cmのズレ修正のため14〜15クリック動かした」というワケ。解りますよね?

25m先で「握り拳大」のグルーピング
合っているドットサイトほど怖いモノはない。ましてや反動が超マイルドなクリスベクター。.45ACPの重量級パンチ弾をぴっちょりーなが撃っても、25m先で「握り拳大」のグルーピングを叩き出した!

NOVEL ARMSのロゴと刻印
底部にさりげなくNOVEL ARMSのロゴと刻印。そしてシリアルNo.がプリントされていた。2箇所見えるネジはマウント高調整にための中間スペーサー着脱に使用するものだ。

タクティカル・ハイマウント仕様
M4に搭載する際に適正な高さが得られるよう考慮されたタクティカル・ハイマウント仕様。中間スペーサーを取り除くことでより低く、ちょうどM14等への取り付けに適した高さにもできる。

ドットサイト越しにアイアンサイトを見た様子
ドットサイト越しにアイアンサイトを見た様子。万が一ドットが点灯しなくなった場合もそのまま狙える、という訳だ。

ドットサイトだけを単体で使用した場合
SURE HIT M4sは使用状況に合わせて4通りの使い方がチョイスできる。まずはドットサイトだけを単体で使用した場合。相手が撃ち返して来ないシューティングマッチ等で、なおかつ跳弾の直撃を喰らう心配も少ない状況ならこれで良い。

標準装備の対物レンズ保護用レンズガード
標準装備の対物レンズ保護用レンズガードを取り付けたところ。従来はポリカーボネート樹脂板が主流だったが、「透明度=視界のクリアさ」を優先し、強化ガラス製となっている。

キルフラッシュのみを装着
キルフラッシュのみを装着したところ。

レンズガードとキルフラッシュ両方を装着
レンズガードとキルフラッシュ両方を装着したところ。つまりSURE HIT M4sは使用状況に合わせて4通りの使い方がチョイスできるのだ。

レンズガードとキルフラッシュ両方を装着
レンズガードとキルフラッシュ両方を装着し、なおかつアイアンサイトで狙っている状況。

フリップオープンキャップ
スリングで銃を吊ったまま移動したり、建物をよじ登ったり、ハンドガンに持ち替える、といった動作中に前後フリップオープンキャップを何かに引っ掛けて折ってしまわないよう、筆者はいつもこのやり方で使うようにしている。

広いマウントクランプ
フリーフロートタイプのハンドガードはゲーム中に緩んで回ってしまう事がある。しかしトイガンは実銃よりもメンテナンスのため分解する機会が頻繁なので、強く締め込み過ぎるのも抵抗がある。SURE HIT M4sの前後に広いマウントクランプはレシーバーとハンドガードに跨るように使う事で「弛み止め」になって便利だ。

「5m/30分」の防水機能
「5m/30分」の防水機能を備えているので、不意の大雨に遭っても、万が一池や川に落としても大丈夫。

ロータス(蓮の葉)コーティング
さらに本体最外側のレンズには「ロータス(蓮の葉)コーティング」と銘打った撥水加工が施されている。対物レンズはもちろんだが...。

接眼レンズにも「ロータスコーティング」
接眼レンズにも「ロータスコーティング」が施されているのがイイ! だって銃を提げていたりスリングで吊っている時、一番雨粒に当たって困るのは接眼レンズですからね。ノーベルアームズさん、サスガです!

電池コンパートメント横に「SURE HIT M4s」
電池コンパートメント横に「SURE HIT M4s」と、ブラックonブラックのディスクリート刻印。渋い! 格好良い!

耐衝撃性能はナント800Gクラス!
ノーベルアームズが同社の最高峰ブランド名である「SURE HIT」を冠した以上、その製品は実銃でのハードな使用にも充分に耐える性能と品質を備えている...という意味になる。耐衝撃性能はナント800Gクラス!.12ゲージ散弾を最大で15連発できるケルテックKSGに搭載し、今回のロケ中に都合60〜70発は撃ったがビクともしなかった。

コリメーター計測器
ノーベルアームズ本社開発室に備えられた「コリメーター計測器」。複数のレンズで構成されるスコープやドットサイトには付き物のパララックス(視差)を測る機器で、機器に設置したスコープやドットサイトを回転しながらズレを精密に計測する。「Aimpoint M4s」と「SURE HIT M4s」はどちらも「100ydsでのズレ=0.00」と実測された。「10倍の価格差」を考えると本当に凄い。

上品な白い箱
この上品な白い箱に入って皆様のお手元に届くSURE HIT M4s。本家=「Aimpoint M4s」とほぼ互角と言って良い光学性能・耐久性を有しているのはすでに説明したが、じつはノーベルアームズのM4sと同じ光学機構の製品が「某有名実銃メイカー純正ドットサイト」として海外でも販売されている。

SURE HIT CQBスコープ
ノーベルアームズSURE HITブランドの凄さを伝えるトピックをもう一つ。CQB GUAMでは1年前から営業用にSURE HIT CQBスコープを導入しており、熱帯の厳しい気候、毎日大勢が訪れる一般のお客様による酷使にも充分に耐え、
“的がよく見える! すごく中(あた)る!”
と大好評だそうだ。

GSSF月例マッチで「SURE HIT 1624 CQB IR」を搭載
2017年6月のGSSF月例マッチで「SURE HIT 1624 CQB IR」を搭載したS&W M&P-15STを使用した筆者。米海軍特殊部隊やグアム警察SWAT隊員も含んだ強豪勢(?)を相手に総合2位と善戦でき、大満足だった♪

ナイツSR-15にやはり「SURE HIT 1624 CQB IR」を搭載
同じくCQB GUAM現地在住スタッフのTaka氏。自分で所有するナイツSR-15にやはり「SURE HIT 1624 CQB IR」を搭載している。50mでのゼロインを終えてこの笑顔♪

 

NOVEL ARMS COMBAT T-1 BIG-MINER CHANGE Ver.

「COMBAT T-1」もさらに進化!
NOVEL ARMS製ドットサイトで歴代No.1のベストセラー商品「COMBAT T-1」もさらに進化!
“値段が実物の1/8なのに高品質高性能!”で大人気のCOMBAT T-1も「ビッグマイナーチェンジ」と銘打ってリニューアル!

NOVEL ARMS COMBAT T-1 BIG-MINER CHANGE Ver.
<DATA>
価格: 18,500円(税別)、倍率:1倍、全長:68mm、重量:177g、レンズ径:22mm、電源:CR2032リチウム電池×1個、ドットサイズ:4M.O.A.(11段階調整)、仕様:耐衝撃性(600G)、防水(1m/30分)、ロータス(撥水)コーティングレンズ 、付属品:ローマウントベース、レンズカバー、レンズガード(強化ガラス)、キルフラッシュ、クリーニングクロス、トルクスレンチ

クリスベクター9mmに載せた
COMBAT T-1についてはクリスベクター9mmに載せた。この銃はマグ&ボルトハウジングの底が四角くて平らなのでこの様に台に乗せての据え撃ちがとてもラクだ。建物の縁や車両に乗せて撃つ状況を想定した場合、もしかしたら「最高のポリス&ミリタリー向けサブマシンガン」といえるかもしれない。

1クリックの狙点移動量は「1MOA」
COMBAT T-1では1クリックの狙点移動量は「1MOA」、つまり100yds(=91m)先で1クリックあたり1インチ(=25.4mm)、25m先だと約7mmだ。こちらはドライバーかコインがないと廻せない。本家T-1はキャップがツールになるのでここはちょっと残念だ。

反動が少ないクリスベクター
9mmだとさらに反動が少ないクリスベクター。銃が重く安定する事も手伝って、ドットサイトが載った以上、もう外す気がしない(笑)!

撮影時の適正光量
撮影時の適正光量=たぶん「9」で標的を狙う。視界はほぼ透明、青味もなくクリアそのもの。初期の「COMBAT T-1」とは隔世の感すらある。SURE HITに格上げされなかったのが不思議でならない(笑)。

マウントベースに設けられた穴から前後アイアンサイトが使用できた
実銃のスコーピオンEvo 3 S1に搭載した状況。ちょうどハイ・マウントベースに設けられた穴から前後アイアンサイトが使用できた。

COMBAT T-1もビッグマイナーチェンジ
COMBAT T-1もビッグマイナーチェンジを経て使用状況に合わせた4通りの使い方ができるようになった。これがドットサイト単体で使用した状態。

対物レンズ保護用レンズガード
標準装備の対物レンズ保護用レンズガードを取り付けたところ。こちらも「透明度=視界のクリアさ」を優先した強化ガラス製。

キルフラッシュのみ
キルフラッシュのみを装着したところ。

レンズガードとキルフラッシュ両方
レンズガードとキルフラッシュ両方を装着したところ。

ロータスコーティング
M4s同様の高撥水「ロータスコーティング」を採用した対物レンズ。これもビッグマイナーチェンジの賜物。

接眼レンズへのロータスコーティング
そしてこちらも嬉しい接眼レンズへのロータスコーティング♪ 初めてU.S.ビアンキカップに出場した際は大雨に見舞われ、ドットサイトでちゃんと狙えるかどうかとても不安になったものだが、これからのシューターはそんな心配をしなくて良いのですね♪

付属してくるロー・マウントベースに換装
付属してくるロー・マウントベースに換装し、APS競技銃に搭載した様子。現在サバイバルゲームに適した「4MOA」版が絶賛発売中だが、精密射撃ユースを意識した「2MOA」版(※あるいは「1MOA」版 ! ?)も企画されているらしい。そっちも楽しみでならない!

ノーベルアームズ WEBサイト
http://www.novelarms.co.jp/

 

■解説者プロフィール

石井 健夫(いしい たけお)
石井 健夫(いしい たけお)

1967年12月、東京都生まれ。
銃器レポーター、射撃選手、映画評論家。
ミリタリー専門各誌でのレギュラー執筆の他、オリジナルトイガンカスタムブランド「Takeo Ishii Performance」、グアム島の野外実弾射撃ツアーを紹介・宣伝する「CQB GUAMジャパンサービス部」としても活動中。

取材協力:CQB GUAM、サージェンツハート モデル:戦え!!ぴっちょりーな

 

2017/07/20

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