[殺し屋っぽい] Gun & Story コンクール

ストーリー No.23

タイトル:不本意な仕事

投稿者:JD

ストーリー:

銃を使う殺しは敬遠している。

銃で撃たれた死体が発覚した瞬間に、
それは直ちに事件か事故の二択の選択肢になるからだ。

だから私は普段は行方不明か、事故、病死を装う。
ケースバイケースではあるが、誰しもバカンスに出かけ、車に乗り、階段を上り、風邪薬を飲む。
日常には大いなる危険が潜んでいることを忘れないでほしい。

しかし、誠に遺憾ながら例外もある。
今回のように威を示さねばならない時だ。
敵対するものに、派手に、強力に武力を表明せねばならない時だ。

私はドアをノックし、室内に静かに吹き荒れる嵐である。
狭く、暗く、物が溢れる閉所のため、今回は亜音速の9ミリ拳銃とライトの組み合わせを選んだ。

ここは遠く離れた戦地ではない。都市だ。
場を弁えたスーツを着用し、タイを締め、革靴であることが最大の迷彩となる。

それでは、気乗りはしないが嵐の季節がやってきたようだ。

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2019/09/29

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