古今東西 銃火器あれこれ 「モシン・ナガン」

「モシン・ナガン」なんとロシアらしい響きの小銃なんだろう!
AK47やPPSH-41についでロシアを代表する銃と言ったらこの「モシン・ナガン」が思いつくのではないでしょうか。

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古今東西 銃火器あれこれ 「モシン・ナガン」 1

この小銃が開発されたのは今から百年以上前の帝政ロシア時代。ロシア人セルゲイ・モシン大佐とベルギー人エミール・ナガン、レオン・ナガン兄弟によって開発され、1891年5月22日に帝政ロシア軍に制式採用されました。この小銃は当時画期的で各国では単発後装式が主流だったのに対し、5連発後装式であり各国に比べて高い火力を有していました。
そして同時期にこの小銃に使用される弾丸「7.62mm×54R」も開発されました。この弾丸は現在でもロシア連邦軍等で使用されています。
さて、制式採用も決まりいざ生産の段階に入って、ここで困った問題に出くわします。なんと当時のロシア国内では設備の近代化が遅れいたため、当初依頼の50万挺の生産が満足に行えなかったのです。そのため生産はフランスやスイス、アメリカに依頼していました。この生産力の問題は第一次大戦の頃まで引きずることになり、帝政ロシア崩壊後のソ連邦樹立後の1920年代後半に改善されました。ただその頃には既に旧式化しており、銃身を切り詰め各部を改良したモデル「モシン・ナガンM1891/30」が登場することになるのです。安定した性能と狙撃銃としても使用可能な為1950年代までの長期間に渡り愛用された古き良き名銃だったのです。


古今東西 銃火器あれこれ 「モシン・ナガン」 2

さて、この勝負どちらの勝ちだと思いますか?モシン・ナガンも30年式歩兵銃も当時の世界水準に達した優秀な小銃でした。ですからどちらも甲乙付けがたいのが本音かもしれませんね!モシン・ナガン M1891は1920年代に入って旧式化のため銃身を切り詰めた改良型のM1891/30が採用され、第二次大戦の激戦と戦後の紛争を戦い抜きました。それでは今回はこの辺で!!


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■イラストレーター紹介

ALFRED少尉(あるふれっど しょうい)
ALFRED少尉(あるふれっどしょうい)
1970年代8月、新潟生まれ。漫画・イラスト制作者。
現在カバネット株式会社:Webサイト「漫画の新聞」にて月1で2P漫画連載中。
過去の作品:ゴマブックス刊:「イケメン 戦国武将・忠義編」「イケメン戦国武将・主従編」
劇団「グーフィー&メリーゴーランド」主催舞台「JUDY~The Great Unknown Squadron~」のパンフレット内イラスト「零戦」作成&舞台の時代考証も担当。高知県の地域おこしボランティア:戦国武将「明石掃部」作成
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2012/03/10