AK-47ライフル 最強のアサルトライフル 床井雅美 監訳

AK-47ライフルとその派生型は、ほかのどんな小火器よりも数多く製造されています。ロシア製のオリジナルに加え、海外でコピーされたり、ライセンス生産されたりした製品を総計すると1億挺と推定されます。もちろんこれは史上最多で、2位のM16ライフルの800万挺を大きく引き離しています。

取り扱いが容易で故障知らずのAK-47ライフルは使い手を選びません。1949年に制式採用されて以来、70年が経過した今でも80か国以上の軍隊で使われ、無数のゲリラ組織、反政府グループ、民兵組織、テロリスト、犯罪組織等で使用されています。まさに「人民のアサルト・ライフル」と言われる所以です。

なぜ、これほどまでにAKライフルが戦場で使われ続けるのか? それはAKライフルのもつ「耐久性」に最大の理由があります。雨、泥、砂ぼこり、酷暑や氷点下の気候、整備不良など、戦場の過酷な状況下でも問題なく作動し、「兵士の手荒な扱いにも耐えられる」からです。ここには「複雑なものはたやすく作れるが、簡素な設計こそが難しい」というロシアの設計思想が色濃く反映されています。

「耐久性」を高めるために部品数の削減が図られ、作動部品の公差が大きくとられています。部品形状の違いは作動不良の原因となります。そこで、AK-47ライフルの場合、意図的に部品形状のバラつきの許容範囲が大きく取られているのです。結果、多少形状や寸法が異なる部品が組み込まれても、変わらず射撃できるという訳です。

さらに西側諸国の軍隊は遠距離からの精密射撃で交戦する戦術を重視しましたが、ソ連は近距離でのフルオート射撃を優先し、AKライフルを開発しました。東西両陣営の考え方には一長一短があり、どちらが理想的な戦術とは言えませんが、もしワルシャワ条約機構軍と西側諸国軍の間に接近戦闘が起きていたら、猛烈な集中制圧射撃に西側諸国軍が見舞われていたことは間違いないでしょう。

本書には、アメリカ側から見たAK-47ライフルの評価が明確に書かれています。何よりM16ライフルを使っている当事者が、M16ライフルはAK-47ライフルにまさる点がほとんどなかったと正直に書いているのは驚きです。AKライフルを撃った経験も、撃たれた経験もしている著者が、カラシニコフのライバルだったM16との比較を交えながら、全世界の戦場でAKライフルが見せた有効性、第2次世界大戦からの開発史、最新の派生型について詳しく解説しています。

最後に、監訳者の床井雅美氏が、AK-47の開発者ミハエル・カラシニコフ氏とM16の開発者ユージン・ストーナー氏との極秘の対談に立ち会った事実は衝撃的です。

 


AK-47ライフル 最強のアサルトライフル

G・ロットマン 著、床井雅美 監訳、加藤 喬 訳
単行本 ソフトカバー
出版社: 並木書房
発売日: 2018/2/5
定価:1800円+税

 

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