映画『ドローン・オブ・ウォー』

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『ドローン・オブ・ウォー』 10/1(木)ロードショー

これが、現在の戦争だ―。

ドローンは、戦争の形を変える。「9.11」以降始まった【対テロ戦争】の知られざる真実を暴く問題作。まさに「現在」の戦争映画。

 

アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐の赴任地は中東でもアジアでもない。ラスベガスの基地に設置されたコンテナ内で無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国でのミッションを遂行している。クリックひとつでミサイルを発射する爆撃は、まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。一日の任務を終えると、車でラスベガスの歓楽街を通り抜けて、整然と区画された住宅街のマイホームへ帰り、美しい妻モリーとふたりの幼い子供との生活に舞い戻る。繰り返されるこの毎日がトミーの日常であり、異常な現代の戦争の姿だった・・・。

 

 

ドローンとは?
昨今、あらゆるメディアを賑わせている“ドローン”とは、無線操作によって飛行する無人機のこと。災害発生地での現状調査、荷物の配送、個人の趣味から商業レベルでの動画撮影といった多様な用途が想定されるドローンは、近い将来に莫大な経済効果をもたらすと見込まれている。その一方、ホワイトハウスの敷地や日本の首相官邸屋上での落下事件は大々的なニュースとなり、緊急の法整備の必要性が叫ばれる事態を呼び起こした。そんな新たなテクノロジーの光と影が注目され、世界中の大企業やベンチャーがこぞってドローンの開発、活用に取り組む動きが日々報じられている2015年は“ドローン元年”とも呼ばれている。

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しかし実はドローンをめぐる技術革新は、長年にわたって軍事分野で着々と進められてきた。あの9.11同時多発テロ以降、アメリカ政府はテロリストの一掃をもくろみ、イラクやアフガニスタンに無人戦闘機を投入。アメリカ国内から遠隔操作するため、操縦士に危険が及ばないドローンは画期的な兵器であり、戦争のあり方を根底から変えたとも言われるが、同時にさまざまな深刻な問題も噴出している。『ガタカ』『TIME/タイム』のアンドリュー・ニコル監督が放つ最新作『ドローン・オブ・ウォー』は、敵に何の気配も察知されることなく一瞬にして爆撃を遂行する“空の殺人兵器”を全面的にフィーチャー。ひとりのドローン操縦士の日常に焦点を絞り、現代における戦争の知られざる真実を暴き出した問題作である。

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アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐は、F-16戦闘機のパイロットから無人戦闘機の操縦士に転身し、政府のテロリスト掃討作戦に貢献してきた優秀な軍人である。しかしトミーはやるせない違和感に囚われていた。ラスベガス郊外のマイホームと砂漠の空軍基地を車で毎日往復し、エアコンが快適に効いたコンテナ内のオペレーションルームにこもって、圧倒的な破壊力を誇るミサイルをクリックひとつで発射する。音声の出ないモニターだけで戦場の状況を確認するその任務は、まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。CIAの対テロ特殊作戦に参加したトミーは、度重なる過酷なミッションにじわじわと精神を蝕まれ、愛妻モリーとの関係までも冷えきっていく。やがてストレスが限界を超えたトミーは、冷徹な指揮官からの人命を軽んじた爆撃指令への反抗を決意するのだった……。

STORY

アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、紛争地域におけるテロリストへの監視や爆撃、味方の地上部隊の支援に携わる軍事パイロットである。今日もまた破壊力抜群の空対地ミサイル“ヘルファイア”を撃ち、6人のタリバン兵をあの世送りにした。しかしトミーの赴任地はアジアでも中東でもない。ラスベガスの空軍基地に設置されたコンテナ内でドローン(無人戦闘機)を遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国でのミッションを遂行しているのだ。エアコンが効いたオペレーションルームで一日の任務を終えると、車でラスベガスのきらびやかな歓楽街を通り抜けて、整然と区画された住宅街のマイホームへ帰り、元ダンサーの美しい妻モリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)とふたりの幼い子供との生活に舞い戻る。それが毎日繰り返されるトミーの日常だった。

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かつて有人戦闘機のFー16に乗り、200回以上の出撃を経験したトミーは、身体的な危険も爆撃の実感も伴わず、モニターに映った標的をクリックひとつで殺害する現在の職務に違和感を覚えていた。上官のジョンズ中佐(ブルース・グリーンウッド)は良識ある軍人だが、トミーのドローン操縦の腕前を高く評価するがゆえに、彼の異動願いを受け入れてくれない。連日の激務に神経をすり減らしたトミーは、いつしかアルコールに依存するようになり、以前は情熱的に愛し合ったモリーとの夫婦仲にも冷たい空気が流れていた。
ある日、新人の女性空兵スアレス(ゾーイ・クラヴィッツ)がチームに配属される。さっそくトミーの相棒としてミサイル誘導レーザーの照射を担当することになったスアレスは、現実感の無い任務の恐ろしさと虚しさを痛感することになる。あるターゲットへ向けたミサイルの発射から着弾までの7秒のタイムラグの間に、爆撃地点にさまよい込んできた子供たちが巻き添えになってしまったのだ。発射スイッチを押したトミーはやるせない罪悪感に打ちのめされる・・・。

 

主演 イーサン・ホーク

監督 アンドリュー・二コル

公式サイト

10月1日 全国ロードショー