BATON airsoft BG-PCC CO2GBB
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BATON airsoft BG-PCC CO2GBB

レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 広報)

JASG認定CO2ガスガン BATON airsoft BG-PCC CO2GBB

国内メーカーとしては最も多くのCO2ガスガンを開発、発売している、BATON airsoftから、初の長物CO2GBBとなるJASG認定CO2ガスガンの新製品、BG-PCC CO2GBBが、2023年10月中旬に発売される運びとなった。
CO2GBBとしてのパワーソースは、BG-17 CO2GBBのCO2マガジンを採用している。

本製品もこれまでのCO2GBBシリーズ同様、JASG自主規約に基づく認定検査に合格した安心なエアースポーツガンであり、購入後三ヶ月以内は、修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる送料までもが完全に無料という万全のサポートが用意されている。
※サポートには商品添付の保証書が必須となり、購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けることが可能。

ARをピストルキャリバーカービン化するカスタムレシーバー

PCC(ピストルキャリバーカービン)とは、その名の通り拳銃弾を使用するカービン銃を指す名称である。
その概念自体は古くから存在していたが、PCCという呼称自体は比較的新しく、ここ10年でひとつのカテゴリーとして確立した印象だ。
ライフル弾に比べれば遥かに安価な拳銃弾を、それも手持ちのハンドガンのマガジンをそのまま使うことが出来るPCCは、今や全米で大変な人気を博しており、競技射撃だけでなく、やホームディフェンス用としても広く普及。特に、数あるハンドガンの中で最も売れていると言われる、グロックの9mmマガジンに対応したロアーレシーバーの人気は非常に高く、大小様々なメーから意欲的な製品が続々と開発、販売されている。

QuarterCircle10
出典:https://www.pinterest.jp/pin/844354630110590440/

今回レビューをお届けするBG-PCCのロアーレシーバーは、QuarterCircle10というメーカーが販売している9mmロアーのデザインをモチーフとしたものだ。
テキサスに本拠を構える同社はPCCを専門に扱っており、オリジナルのアッパーとロアーのレシーバーを組み合わせた長短様々な製品をリリースしているメーカーである。
尚、同社オーナーのBettina Jary Mathis女史は、南テキサスでは知らぬ者の無い射撃の名手とのことだ。

F-1 Firearms
F-1 Firearms
出典:https://www.quartercircle10.com/

また、本稿執筆のため調べるうち、BATON airsoft製電動ガン、UDR-15 RYUSOKU-AEGのライセンス元であるF-1 Firearmsから、極めてよく似たデザインのロアーレシーバーに肉抜きを施した、「UX-9 RECEIVER SET」という製品が発売されている事がわかった(アッパーレシーバーはF-1 Firearms製)。

テキサスに本拠を置くメーカー
出典:https://watchtowerfirearms.com/receiver-sets/ux-9-receiver-set/
https://watchtowerfirearms.com/precision-works/competition-firearms/ux-9/

このレシーバーセットを使ったコンプリートモデルも販売(すべてのパーツが同社製品から選択可能になっている)されており、QuarterCircle10とF-1 Firearmsが協力関係にあるという記事も見つけることが出来た。
同じテキサスに本拠を置くメーカー同士が、互いの技術力の高さを認め合っているというところだろうか。
こういった魅力的な企画が実現されるあたり、本場アメリカのPCCユーザーが羨ましい限りだ。

※上記記事のリンク先:https://www.thefirearmblog.com/blog/2018/02/23/quarter-circle-10/

TROY Industries正規ライセンスを取得しての製品化

TROY Industries正規ライセンス
BG-PCC CO2GBB

今回ご紹介するBG-PCC CO2GBB(以下、BG-PCC)はBATON airsoft初の長物CO2GBBであり、その開発に当たってTroy Industriesの正規ライセンスを取得。同社製のTroy BattleRail SOCC105のデザインを再現したハンドガードを採用している。

Troy BattleRail SOCC

上の画像は、Troy BattleRail SOCCが発売された際の広告写真だが、同種のハンドガードとしては驚くほどスリムなデザインであることが非常に良くわかる内容だ。
SNAG-FREEというのは、「ひっかかりの無い」という意味合いだが、-30% LIGHTER、つまり30%の軽量化を実現しているというのも頷ける革新的なデザインのハンドガードである。

ハンドガード
ハンドガード
ハンドガード

BG-PCCでは、このスリムなハンドガードの10.5インチバージョンをCNC加工で忠実に再現。その細さと軽さがもたらす取り回しの良さはもちろんのこと、トップレール以外の面にくまなく設けられたM-LOKスロットによる、高い拡張性も兼ね備えている。
ハンドガード右側面の付け根付近には、正規ライセンス品である証として、TROYのロゴマークが深々と刻まれている。

フラッシュハイダー
フラッシュハイダー

フラッシュハイダーも同じくTROY Medieval Flash Hiderの形状をスチール製にて忠実に再現。先端部分に設けられた攻撃的な形状の突起は、車の窓ガラスや薄い壁に穴を開けるといった用途に使うそうだ。無論これは鋼鉄で造られた実銃だから出来る芸当であり、本体が柔らかい金属で造られたエアガンで真似をすれば、バレルやレシーバーが歪む、または壊れてしまうのは間違い無いので念のため。
尚、フラッシュハイダーの取付部分(アウターバレル先端)は14mm逆ネジ仕様となっており、トレーサー等といったマズルデバイスに付け替えることも可能だ。

バレルナットからハンドガード
ハンドガード付け根部分

ハンドガード付け根部分の両側面に2本ずつ見える六角ボルトを外し、バレルナットからハンドガードを抜き取ることで、アウターバレル基部付近のホップ調整ダイヤルが現れる。ただ、ハンドガード基部下面のM-LOKスロットから割り箸等を挿し込んで調整ダイヤルを動かすことも出来るので、ハンドガードを外して大まかなホップ調整を行っておき、毎回の微調整はM-LOKスロットから適正ホップを出すという使い方も良いだろう。
調整ダイヤルの操作は、銃口を上に見て右に回すとホップが強くかかり、左に回すとホップのかかりが弱くなる。
しつこいようだが、ホップを強くかけすぎると弾詰まりによる破損といったトラブルが起こる可能性があるため、ホップ最弱状態からBB弾を撃ち出して、その弾道をしっかり見ながら徐々にホップを強くかける方向で調整を行っていただきたい。

フロントサイト

フロントサイトも正規ライセンスの取得により、TROY伝統のFolding BattleSightを忠実に再現。
サイト本体は金属製で、フロントサイトポストの上下調整も可能という本格的な作りとなっている。

アッパーレシーバー
アッパーレシーバー

アッパーレシーバーは標準的なAR15タイプを採用。ロアーレシーバーは上述の通り、QuarterCircle10の9mmロアーをモチーフとしたデザインとなっており、從來のAR系ライフルとまったく同じ操作感での取り扱いが可能。マガジンハウジング部分の左側面にはBATON airsoftオリジナルのロゴマークと、JASG認証を受けていることを表すシリアルナンバーが刻まれている。

テイクダウン

ガスブローバックモデルとしては当然の仕様だが、実銃同様に工具無しでのテイクダウンが可能で、ボルトを引き出してのメンテナンスや、トリガー、ハンマーまわりの点検も極めて容易だ。

リアサイト

リアサイトもフロント同様、TROY Folding BattleSightを忠実に再現しており、クリックストップ付きの左右調整と、ピープサイトの2段階切り替えが可能。
このFolding BattleSightは、昼間の屋外であればダットサイトが不要と感じるほど狙いやすく、長物用としては理想的なバックアップサイトと言えるだろう。

CO2マガジンを使って快調なブローバック

冒頭で述べたように、このBG-PCCはBG-17用CO2マガジンを使って快調なブローバックを実現している。
通常、長物のガスブローバックモデルには、重いボルトをストロークさせるために高出力の専用マガジンが用意されているものだが、本製品ではその常識を打ち破るため、長い開発期間をかけてハンドガン用CO2マガジンそのままでのブローバック動作を実現した。

BG-17用CO2マガジン

BG-17用CO2マガジンは既存のBATONairsoft製CO2GBBシリーズ特有の、特許取得済TANIO・KOBA CO2 バルブ( TANIO・KOBA CO2 バルブ : 実用新案 第 3206631 号 )を採用しており、高い燃費と俊敏なブローバックを可能としている。しかし、ハンドガン用のマガジンそのままで、金属製のボルトキャリアを持つ長物ガスガンを安定して動作させるのは、決して簡単なことではなかった。

ボルトキャッチがかかった状態

上の画像はボルトキャッチがかかった状態を写したもので、動作の際にボルトがここまで後退することがおわかりいただけるだろう。
シリンダーASSYを含めて180グラム近いボルトキャリアを軽々とストロークさせるのは、CO2ならではのパワフルさと、TANIO・KOBA CO2 バルブの優秀さを同時に物語っているが、初速、弾道、耐久性といった要素のバランスを取るのが非常に難しく、海外工場と度重なる試作品のやり取りを行った開発は、ブローバックエンジン周りだけでも半年以上の年月を費やす難航ぶりだった。

マガジンハウジング右側面

マガジンハウジング右側面を見ると、マガジンキャッチの構造が通常のARと大きく異なっていることが良く分かる。
グロック(BG-17)のマガジンはマガジンキャッチがかかる凹みがマガジンケースの前方に設けられているため、このような構造となっているわけだが、その機能を美しくまとめ上げているのは、デザイナーのセンスの良さを感じさせてくれる部分だ。
マグチェンジを容易にするようフレア状に広がったマグウェル部分の上には、BATON airsoft製品であることを示す刻印が入っている。

セレクター
グリップ

セレクターまわりは一般的なARと同様の作りだが、セーフ、セミ、フルを表す刻印が弾丸を模したピクトグラムになっているのは、非常にわかりやすくて面白い。
グリップは一箇所だけフィンガーチャンネルが付いたいわゆるA2タイプが付属するが、取付基部は実銃準拠のサイズなので、お好みのGBB用グリップに付け替えることも可能だ。

バットストック
バットストック

本製品はバットストックとして、EMG製のBrace-Style Retractable Stockを採用している。
ブレースとは、ストック後方のベルクロ式ゴムバンドを使ってグリップを握った手の前腕部に銃を固定し、片手で支えて撃つための装具の名称である。
何故こんな代物が存在するのかについては稿を改めるが、BG-PCC付属のブレースは5ポジションの長さ調整が可能だし、バットプレートに当たる部分もしっかりしたゴム製のキャップが付いている。さらには、理想的な位置にQDスイベルマウントまで設けられており、バットストックとして何ら問題なく使用出来るので、もし邪魔であればゴムバンドを外してしまっても良いだろう。

CO2によるキレの良いブローバックと心地よいリコイル

試作品でのレビューであるため、実射性能は参考データとなるが、当Airsoft通信でお馴染み、BATON Rangeのロングレンジでテストを行ってみた。
結果は動画の通り、30m先のEタイプシルエットターゲットに対し、0.28gBB弾で適正ホップを出した状態で、セミオートであればヒットを取れるが、フルオートでは弾道が乱れて、ターゲット内に集弾させることが出来なかった。
TANIO・KOBA CO2 バルブを有するCO2GBBではあるが、やはりハンドガンとはまったく仕様が違うため、ロングレンジは苦手と言わざるを得ないだろう。
しかしながら、10m前後の距離であれば、直径15cm程度のスチールターゲットを難なくヒット出来るので、交戦距離の短いインドアフィールドなら間違いなく活躍してくれるだろう。
また、シューティングマッチに投入すれば、キレの良い俊敏な動作で充分戦えるはずだ。

燃費については、1マガジンに23発のBBを詰めた状態でセミオートでの連続射撃を行い、撃ち尽くしたら同じマガジンにBB弾を詰めて射撃再開といったスタイルのテストで、4マガジン分92発。時々弾道が乱れることもあったが、ほぼ安定した射撃が可能だった。
ただし、3マガジン目の最終弾でボルトキャッチがかからなかったため、手のひらでマガジンをしばし温めてから、4マガジン目を撃ち切っている。
このことから、複数のマガジンを用意して代わる代わる運用すれば、充分な継戦能力が期待出来ると言えるだろう。

CO2ガスガン
CO2ガスガン

実銃の世界で大変な人気を誇るPCCを、いち早くCO2ガスガンとして製品化するという目標を掲げて開発した、BATON airsoft初の長物CO2ブローバックガスガン、BG-PCC CO2GBB。
製品化自体は以前から公表していたため、BG-17ユーザーの方には特にお待たせしてしまった感があるが、プライマリーとセカンダリーで同じマガジンを共用できるCO2GBBの登場は、日本のトイガン業界に置いてひとつのエポックとなるだろう。
製品がリリースされる10月中旬の気温でも、快調な作動が期待出来るBATON airsoftの長物CO2GBBを、楽しみにお待ちいただきたい。

スペック


全長 673~740mm
重量 2,155g (本体のみ)
銃身長 233mm (インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 24発
価格 89,800円(税別)
発売日 2023年10月中旬
動力源 CO2カートリッジ式ガス
初速 最高:83.2m/s
平均:80.9m/s
最低:78.7m/s
ジュール:0.654J
※BATON airsoft バシコスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温28度

製品ページはこちら

BATON airsoft BG-PCC CO2GBB


2023/09/30


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